「精神科に行きたいけど親に言えない」
「親にバレたら今より面倒なことになる……」
メンタルの悩みを理解してもらえず、苦しみを一人で抱えているのはつらいですよね。未成年は親の管理下にあるため、自由に動けない窮屈さもあると思います。
心身の不調が続き、つらい。でも、精神科や心療内科に行きたいとは言えない。今抱えている苦しさをいくら訴えても反対される。
そんなときどうしたらいいのでしょうか?
このページでは、中学生・高校生・大学生など未成年の方が精神科・心療内科を受診するときの注意点などをまとめます。
まずは、今困っていることを一つずつ整理することから始めましょう。
もくじ
学生が一人で精神科を受診することは可能
中学生・高校生でも、保険証を持って一人で精神科を受診することは可能です。
ただ、通院するとなると、家族に隠して治療を続けるのは難しそうです。治療内容によっては保護者の確認が必要な場合もあります。
まずは病院に電話をして「高校生(あるいは中学生)が一人で行っても診ていただけますか?」と聞いてみましょう。
対応は病院によっていろいろです。「保護者と一緒に来てください」とお願いしているところもあれば、お話だけは聞いてくれるところもあるようです。
病院サイトの診療案内に書かれているところもあるので、チェックしてみてください。
保険証を使ったら親にバレる?
病院には守秘義務があるので、自分で話さない限り、誰かにバレることはありません。
ただし、親にわかってしまう可能性はあります。
親の保険を使って受診すると、医療費のお知らせ(医療費通知)が自宅に届くことがあります(年に1~数回、保険組合によって違います)。そこに病院の名前が記載されるので、「○○精神科クリニック」「○○心療内科」などの名前だと、受診したことはわかってしまうかもしれません。
・受診した人の名前
・病院へ行った日付
・受診した病院、薬局の名前
・支払った金額
・親(保険者)の名前
とはいえ、医療費のお知らせからわかるのは、病院名と金額くらい。診断名や治療内容までは判断できません。何科に行ったのかもわかりません。
総合病院や、「内科・心療内科」などのクリニックであれば、「ちょっと風邪ひいて……」「なんか胃が痛くて」とごまかせるかな?
病院へ行く前の準備(持ち物、お金)
中学生・高校生一人でもOKということであれば、予約を入れましょう。
持ち物
・健康保険証
・お金
料金
2,000~3,000円くらい?
診察券や紹介状はなくても大丈夫です(初めて行くところですからね)。
かかる費用は、治療内容によって変わります。薬代や検査代がプラスされてもう少し高くなることもあります。予約を入れるときに「費用は大体いくらくらいかかりますか?」と聞いておくと安心です。
定期的に通院することを考えると、けっこう大きな支出になるので、できれば保護者の方に相談されることをおすすめします。親戚に頼めそうな人がいれば、一緒に病院へ行ってもらうのも一つです。周囲のサポートは回復の助けになります。
予約方法や受診の流れは「診察の流れ|精神科・心療内科の雰囲気は?」で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
「思春期外来」で診てもらうことも
中学生、高校生の方は、「思春期外来」を行っている精神科・心療内科で診てもらうのも一つの方法です。
「思春期外来」で診てもらえるのは、不登校、引きこもり、うつ病、リストカット、摂食障害、不安障害、起立性調節障害など。思春期の心の不調を相談できます。
診てもらえる年齢、扱う症状などは、病院・クリニックによって違いがあるようですので、詳しくは病院のサイトをチェックしてみてください。
親に言えない、家族に知られたくないときは?
家族に相談できないときは、他に話を聞いてくれそうな人を探してみましょう。
- 担任の先生
- スクールカウンセラー
- 保健室の先生
- 学生相談室
- 心の相談窓口 など
その他、親戚や知り合いのおじさんおばさん、習い事の先生など、誰かいませんか? 信頼できそうな人を探して、問題解決に協力してもらいましょう。
「周囲の大人は誰も信用できない」というときは、親しい友達に話してみてもいいと思います。それだけで気持ちが軽くなることもあります(ただし、思わぬ言葉が返ってくることもあるので、人選は慎重に)。
いずれにせよ、一人で抱え込んでしまうのが一番よくないので、味方を見つけて、一つ一つ問題を解決していきましょう。
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悩みを相談できるところ(無料)
各都道府県に設置されている保健所や精神保健福祉センターでも心の悩みを相談できます。
自治体の相談窓口
- 全国の保健所
地域に密着した身近な相談窓口です。 - 全国の精神保健福祉センター
心の病気、精神医療に関する相談に乗ってもらえます。
↑各都道府県サイトへのリンクです。詳しい案内もあるので、確認してみてください。
他にも困っていることを相談できる窓口がいろいろあります。知らない人と話すのが苦手な人は、インターネット相談もありますので、自分に合った窓口を利用してみましょう。
未成年の方が利用できる相談窓口
・チャイルドライン 18さいまでの子どもがかけるでんわ
困っているとき、悩んでいるとき、なんとなく誰かと話したいとき、かけてみてください。
・子どもの人権110番 – 法務省
いじめ、体罰、不登校、親による虐待など、誰にも言えない悩みや苦しみを抱えているとき、お話を聞いてもらえます。
・ヤング・テレホン・コーナー – 警視庁少年相談室
友達関係、不登校、親子間のトラブル、いじめ、児童虐待などについて相談できます。
・24時間子供SOSダイヤル – 文部科学省
いじめや困っていることを、夜や休日でも24時間、相談できます。
・子ども110番(メール相談)
18歳までの方が利用できる無料のメール相談。病気についての相談はできません。
いろいろな人の知恵を借りれば、解決の糸口が見つかるはずです。
どうすればいいかわからないときは?
何から始めればいいかわからないときは、自分が何に困っているのか紙に書き出してみるのがおすすめです。頭の中が整理されると、気持ちも少し落ち着きます。
具体的なやり方は「悩みだらけの毎日を「ワクワク」に変える問題解決の基本」で紹介しています。例として挙げているお悩みとは違うかもしれませんが、応用できる部分はあると思います。よかったら参考にしてみてくださいね。
<参考書籍>
桑崎彰嗣監修 (2008)『家族が「うつ」かもしれない、と思ったら』オレンジページ
<参考サイト>
こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~ – 厚生労働省
心の健康 – 厚生労働省
[PDF] 保険診療契約について – 厚生労働省