うつ病治療|精神科ってどんな治療をするの?

うつ病と診断されたらどんな治療をするの?

うつ病は治る病気です。

症状に合った治療を受ければ、回復を期待できます。

このページでは、うつ病と診断された人が受けられる主な治療法をまとめます。

医師の指示に従って、適切な治療を受けましょう。

うつ病治療の基本は十分な休養と服薬

ペンギンと鼻ちょうちん膨らまして寝る白くま

うつ病は、薬による治療が中心です。

ただし、軽度の場合は、薬を使わない治療が優先されます。

  • 十分な休養をとる
  • 生活リズムを整える

これだけで回復する場合もあります。

症状が重い場合も、心と体をゆっくり休めてエネルギーをチャージすることが重要です。

療養中の過ごし方は「うつ回復のために・お休み中のやることリスト【気分障害治療】」で紹介しています。

精神科の治療にはどのようなものがあるの?

  • 薬物療法
    • 抗うつ薬(うつ病治療に使われる)
    • 睡眠薬(不眠)
    • 抗不安薬(不安、イライラ、焦り)
    • 気分安定薬(抗うつ薬が効かないとき)
    • 抗精神病薬(妄想、幻覚)
  • 精神療法
    • カウンセリング
    • 認知行動療法
    • 対人関係療法
    • アサーション
  • その他の治療法
    • 通電療法
    • 磁気刺激療法
    • 光療法
    • 断眠療法 など

うつ病治療で使われるのが「抗うつ薬」。症状に合わせて、抗うつ薬以外の薬を使うこともあります。

薬物療法と並行して行われるのが精神療法です。毎回行われる診察も精神療法の一つ。医師は患者の話を聴き、ありのままを受け入れて共感してくれます。時に背中を押してくれることもあります。こうしたやりとりの中で、患者が抱える問題は解決に向かいます。

通院が難しい場合は入院治療も

うつ病治療は、通院で行われます。

ただし、場合によっては入院が必要となることもあります。

入院が必要な場合

入院が必要な場合

  • 症状が重く、通院が難しい
  • 自殺のおそれがある
  • 体がひどく衰弱している
  • 自宅ではゆっくり休めない
  • サポートしてくれる家族などがいない

うつ病回復のためには、家族や周囲のサポートが不可欠です。

とはいえ、周りに頼れる人がいないこともあります。特に家庭内のトラブルが多かったり家族の理解がなかったりすると、実家に帰ることでますます心が疲弊してしまいます。

そういうときは、入院するなど、治療に専念できる環境を整えることが必要です。

入院のメリット

入院はまとまった費用がかかりますが、その分メリットもあります。

まずは薬に関して。外来だと次回診察までに期間があくため慎重な処方になります。しかし、入院治療ならこまめに症状の経過を診てもらえるため、薬の変更をしやすい。

栄養バランスの取れた食事を1日3回食べられること、薬の飲み忘れがなくなることもよいところです。食事の準備もお風呂の掃除も何もかもやらなくていいのでラク。専業主婦の方など、家にいるとと心が休まらない人にとってこのあたりのメリットは大きいと思います(「家事をやらなきゃ」というプレッシャーで消耗してしまうのはつらいですよね)。

さらに、医師や看護師がちょこちょこ顔を見せてくれるので、安心感もあります。

焦らず、うつ病治療を続けましょう

うつ病治療の基本は、

  • 心の休息
  • 薬の服用

プラス、症状に合わせた治療法で、回復を目指します。

うつ病は、よくなったり悪くなったり波がある病気なので、焦らないことが大事。

心をゆっくり休めて、治療に専念しましょう。

心が休まらないときの対処法は「ずっと休んでいるのに心が休まらない理由【うつ病休養の仕方】」にまとめています。

調子を整えるための方法は「うつ回復のために・お休み中のやることリスト【気分障害治療】」を参考にしてみてください。
 

>>次のページ:うつ病の治療期間はどれくらい?

<<前のページ:初診ではどんな検査をするの?

<参考書籍>
井原裕 (2015)『うつの8割に薬は無意味』朝日新聞出版社
尾崎紀夫総監修 (2016)『よくわかるうつ病 診断と治療、周囲の接し方・支え方』NHK出版
野村総一郎 (2016)『うつ病のことが正しくわかる本』西東社

<参考サイト>
精神科医療機関受診についてQ&A – 公益社団法人 日本精神神経学会
[PDF] 日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016 – 日本うつ病学会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です