「うつ病の症状はいつ治まるの?」
「いつまで薬を飲めばいいの?」
治療を進めるにあたって気になることです。
治療期間は人それぞれですが、典型的なうつ病であれば、3か月~1年くらいが回復を感じられる目安になります。
以下、もう少し詳しく、うつ病の経過についてまとめます。治療が長引く場合の一例として、私の体験談も紹介します。
うつ病治療に最低限必要な期間は約1年
適切な治療を受けていれば、うつ病患者さんの半数以上が、6か月以内に回復を感じられるようです。
急性期:1~3か月
回復期:4~6か月以上
再発予防期:半年以上
うつ病には波があり、よくなったり悪くなったりをくり返しながら回復に向かいます。
うつ病の場合は、「完治」ではなく「寛解」を目指します。「寛解」は、症状が治まって穏やかに過ごせる状態。完治ではないので、再発防止のために薬を続けます。
回復後に薬を飲む期間は、少なくとも6か月。再発をくり返している人、重度の場合は1~2年以上服薬が必要になります。
私の場合、治療期間は4年以上(うつ病→双極Ⅱ型)
うつ病治療を続けているのに治らない場合は、他の病気が疑われます。
私がまさにそのパターンで、うつ病から双極性障害(Ⅱ型)に診断が変更。治療方針が変わってから、症状は落ち着いていきました。
【病歴】
2009年 うつ病と診断される
2013年 双極Ⅱ型障害に診断名が変更される
はっきりと「あなたは双極性障害です」と言われたわけではありません。いろいろ薬を試す過程で「この薬を使うってことは双極性障害なのかな?」と疑い、主治医に尋ねました。主治医の答えは「躁うつ病(双極Ⅱ型障害)の可能性が高い」とのこと。が、何となく言い切れないようなモゴモゴ感があったので、微妙なところなのかなと受け止めています。
というわけで、いつ診断名が変更になったのか実際のところはわかりません。まぁ大事なのは診断名より治療内容なので、あまり気にしていません。
自分の記録をもとに計算すると、起き上がることさえしんどいような状態が治まるまでに4年くらい、そこからそれなりに生活ができるようになるまでには1年くらい、といったところでしょうか。
最初から症状に合った治療をしていれば、もっと早く回復した可能性は大いにありますが、なかなか難しいところみたいです。同じ効果の薬でも、合う合わないがあるので、医師の腕次第なんでしょうね。
いろいろな方のお話を聞いていると、私はまだ早く回復した方なのかなと感じることもあります。
【関連ページ】
・うつ病の経過パターン ― 治療期間と回復期を乗り切る秘訣
・抗うつ薬を飲んでいるのにうつ病が治らない理由 ― うつ病患者の4割は躁うつ病?!
・長いうつ状態…回復を感じられず不安でいっぱいな人と話をするなら
治療期間は人それぞれ
心の病気には個人差があります。
数か月でよくなる人もいれば、なかなか回復を感じられない人もいます。
重度のうつ病、双極性障害などの場合は、薬を飲み続けることもあります。
診断や治療方針が定まらず、治療が長引くことも少なくありません。
でも、病気が治らないからといって、人生がダメになるわけではありません。
病気があっても働けます。結婚もできます。趣味を楽しむことだってできます。
これは、体の病気と同じです。がんや糖尿病でも、人生を楽しんでいる人はたくさんいます。
病気とうまく付き合いながら、自分に合った生き方を見直すきっかけにしていきたいですね。
- 受診の目安・タイミング
- 診察の流れ、精神科の雰囲気は?
- 診察でうまく話せるか不安…
- 初診ではどんな検査をするの?
- うつ病の治療法は?
- うつ病の治療期間はどれくらい?
- 精神科の薬を飲んでも大丈夫?
<参考書籍>
尾崎紀夫総監修 (2016)『よくわかるうつ病 診断と治療、周囲の接し方・支え方』NHK出版
野村総一郎 (2016)『うつ病のことが正しくわかる本』西東社