長いうつ状態…回復を感じられず不安でいっぱいな人と話をするなら

海・空・ビーチ

うつ病になって、どんなことを感じていますか?

不安なことはありますか?

症状がよくなっている実感はありますか?

うつ病は良くなったり悪くなったりをくり返しながら回復に向かうと言います。

目指すのは「完治」ではなく「寛解」。うつとうまく付き合っていく術を身につけることも大切です。

症状に違いはあれど、双極性障害も上がったり下がったりの周期がある病気です。中には混合状態もあるとか。

うつ病の極期は環境からの影響をほとんど受けつけないとも言われます。確かに、最悪の状態にあるときは、寝ていることしかできないし、感情が失われて無感動になってしまうことがありますよね。

だから、もし今あなたが「無」の状態から脱して不安や焦りを感じているなら、それは回復に向かっている証拠なのかもしれません。

グラグラ不安定な気分の揺れは、気持ちの良いものではありませんが、それは重要な変化の一端かもしれません。

……と言われても納得できない人と今日はお話したいと思います。私がうつと付き合ってきた中で感じたこと・考えたことを書きました。問題をズバッと解決するものではありませんが、ほんの少しでも不安や焦りを和らげるきっかけになれば嬉しいです。

つらい、苦しい、死ぬしかない

「私は本当によくなるのかな」
「何をもって治ったと言うんだろう」
「以前のように生活できるようになるのかな」
「このままダメになってしまうのではないか」
「この先どうなるかわからない」
「ただただ不安……」

こういうときはもう何を言われても納得できなくて、ただただ絶望するばかり。希望なんて概念は自分の中から消えてしまいます。

そういう状況で「死ぬしかない」と考えてしまうのは自然なことのように感じます。だって、この苦しみを確実に解消する方法は「死」のみでしょ。それ以外に解決策はありますか? え? 死が最善じゃない? そんならその方法を教えてくださいよ! って。

この問いかけに、納得できる答えを示すのは難しいでしょう。未来のことは誰も知りません。人の心の痛みを同じように感じることもできません。だから、その人にとって何が最適か試しながら良さそうな道を模索していくしかない。

病気の回復に必要なのは「希望」である。

そんな言葉をよく見聞きします。

でも、うつ状態のどん底で明るい未来を信じることなど到底できません。もちろん、できることなら希望を持った方がいいし、そういう人生を取り戻せると信じることや、諦めないことは大切です。

ただ、私は無理でした。絶望感が弱まって苦しさが和らいだとき、「あぁ、つらい日々が一生続くわけじゃないんだな」とは思いましたが、そのことを最悪の状態にあるときに理解するのは難しい。きっと過去の私がこういう話を聞いたら「そんなの良くなったから言えることでしょ」「このまま良くならない可能性は否定できないでしょ」と思うでしょう。

人生に絶望している人に何か伝えるとしたら

もう少し私の話を続けます。

そもそも、症状がある程度落ち着いている今も別に希望はありません。以前のように悲観はしていないので、それはすごく良いことだし、ありがたいと思っています。耐えがたい心身の痛みも弱まりました。でも、何かが劇的に変わったとか、問題がスッキリ解決したという感覚はありません。根本的には変わっていないというのが率直な感想。

もちろん、何も変わっていないことはありません。たくさんの変化がありました。ただ、その変化は些細なものに感じられます。見方によっては「どうせ何をしたって一緒」という無力感と捉えられるかもしれません。でも、そんなに悲観的なものではないです。だから、こういう話を聞いて可哀相がる人やアドバイスを押しつけてくる人には「うるさい」と言いたくなります。私は今の自分に納得しているのです。それが最高の状態だと満足しているわけではないけれど。

そんな私が、絶望している人に伝えられることは一体何か? 考えても答えは見つかりません。何も言わないのが一番正解に近い気はしています。でも、それじゃキツいですよね。孤独で苦痛に耐えるのはツラいですよ。というわけで、こうしてグダグダ書いている。

強いて何か言うなら、やっぱり「世界は常に変化し続けている」ということですかね。

うつ病・うつ状態のつらさについて言うなら「波がある」ということ。寄せては返す波。良くなったり悪くなったりをくり返しながら回復に向かう。

なかなか回復に向かわなかったとしても、同じ状態がずーっと続くことはありません。

それを知っておくだけでも違うなーとは思います。「ガクンと落ちても心配することはないよ、それあるあるパターンだから」「調子がいいときに頑張りすぎるとガクンと落ちちゃうことがあるからほどほどにね」って。

そうは言っても、苦しい日々を過ごしているときには、重苦しい気持ちは簡単に晴れません。

うつ病回復に必要な期間を知りたかった

私が双極Ⅱ型障害と診断される前(うつ病の診断名がついていた頃)は、何でもいいから目安が欲しいと思っていました。

それで、先生に聞いたり本を読んだりして、みんなどれくらいで良くなるのか目安を探しました。

そうやっていろいろな事例を見ていくうちに、3年という数字が見えてきました。明確なデータをつかんだわけではありませんが、自分の状態や似た事例を総合して、それぐらいの年数があれば何らかの変化が起きるという傾向を読み取ったんですね。

かなり都合の良い解釈です。今考えてみれば、それは病状の変化ではなく、社会的な変化だったのかなと思います。

例えば、休職していた人が復職したり、これ以上休めないと退職したり。学生さんにとっての3年は大きなものです。また、周りの人の変化もあります。うつ病に対する理解のなかった家族が、いろいろな知識を得ることによって、対応が変わったとか。

だけど、変わる人ばかりではありません。変えられない状況もあります。いくらすべては変化し続けると言ったって、密閉された容器に閉じ込められてしまったら、その中にたまった澱は流れていきません。

そういうとき、一体どうしたらいいのか……。

新たな選択肢を手にすること

先ほど、私自身について、根本的には変わっていないと書きました。同時に、たくさんの変化があったとも書きました。

根本的に変わらないのは性格です。変化があったのは、物事の捉え方や考え方です。

私は、x軸とy軸に描かれる直線や曲線や平面図形がすべてだと思っていました。でも、病気をきっかけにz軸の存在を知りました。奥行きができたことで、息苦しさはずいぶん和らいだように思います。

そして、x,y,zの座標に示せない何かに思いを巡らせるようになりました。たぶん四次元という概念です。

空間を示すものとして、w軸、v軸、u軸、t軸というものがあるそうです。何のこっちゃさっぱりわかりません。相対性理論とか超ひも理論の本も見てみましたが、さっぱりピーマンわけわかめでした。

……と、そんなよくわからないことに思いを巡らしながら、日々をやり過ごしていました。ただの現実逃避です。

でも、日常を生きることとまったく無関係ではないと思います。

「自分がすべてだと思っているものがすべてではない」と知ることは、かなり重要なことです。

安心してください

「私は本当によくなるのかな」
「何をもって治ったというんだろう」
「以前のように生活できるようになるのかな」
「このままダメになってしまうのではないか」
「この先どうなるかわからない」
「ただただ不安……」

もしこういう言葉を友達から受け取ったら、ただひたすらに話を聞いてあげたいなと思います。

精神科医の立場なら「うつ病は治る病気です」などの言葉で支えてくれることもあるでしょう。その人が欲している安心感を与えてくれる先生。その人に合ったタイミングで、受け取りやすいメッセージを手渡してくれます。

でも、そういう人に出会えることは簡単じゃないように思います。

実際、私も納得できないからこそ、主治医の言葉や解説本からは見つけられない気持ちをネット上で探しまわっていたわけで。

そういう経験もあって、私はこのブログを書いています。苦しい気持ちを抱えている人が一瞬でも安心してくれたらいいなと思って。

できることなら一人ひとりの話を傍らで聞きたいけれど、残念ながらそれはできません。

だから、仕方なく一方的に話をしています。

完全に希望を失ってしまったとき、「もう生きていけない」と泣くことしかできないとき、よかったらまた遊びに来てください。

おいしいお茶とお菓子をご用意して、お待ちしています。

4 COMMENTS

くろ

初めてコメントをします。
ずっと読んでいて、その度に力を分けて頂いております。

何があったというわけではありませんが、
今日は眠れなくて、ふと立ち寄ったのですが、
ナミさんのブログに来てよかった、と思いました。
ほっとしました。
ありがとうございました。

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ミズキ

いつも読ませていただいています。

私は復職して絶好調なのですが、ちょっと心配事があります。
それは絶好調すぎること。
周りも今まで積極的に話すタイプじゃなかったのに、それまでの分も吐き出すようによく話すようになった。
随分前と変わった。
こんな風に言われます。
肯定的に捉えてくれてますが、私自身はおかしいと感じています。
気分がいいことや身体の疲れもあって夜は寝落ちしてしまうことが多くなり、ダメだと思いつつも最近は薬も減薬していないのに飲まなくなりました。

医者にも相談してみますが、躁転気味だとこういった感じになるのでしょうか?

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のり

つらい時耐えられない時に、なみさんのブログに出会いました。
毎日のように見ていた時もあり、今日も何だか心が落ち着かなくて来ました。
そして、なみさんの優しい言葉に癒されます。

初めてのコメントですが、温かい優しい言葉をありがとうございます。つらい時や慰めて欲しい時、人の温かさに触れたい時の居場所を作ってくれていると感じます。

私もほっとしました。ありがとうございます。

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小池圭子

こんばんは。冷えますね。お元気ですか?私は今日、夕方近くまで寝てしまい、気持ちが沈んでしまっています。何時になったらよくなるんだろうと。
昨日、良くなってきた気がしていたので、今からやる家事を決めていたのに。何も出来なかった。そんな日が度々。
ナミちゃんの声が聞こえてきそう。考え方、捉え方、変えようよ。って。
持って行き方が悪いのかな?ナミちゃんのブログのおかげで、自分の、特に真面目すぎるところ、考え方、捉え方が少しずつ変わって来ている気がします。ありがとう。❤ゆるゆるコーチ。

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