「長時間労働で、心も体も疲れ果てているならば、休みが必要です」
「戦略的休息を取り入れましょう」
でも、休みを確保するのが難しいこともありますよね。前回紹介した「頑張りたい人ほど休むべし!戦略的休息 3つのテクニック」で解決するなら苦労しないよって。
休日がない、定時に上がれない、休職規則がないなど、職場の風土によっても対応は違います。
会社勤めだけではありません。家事、育児、介護など、生きていくために必要な仕事だってたくさんあります。
「とてもじゃないけど休むことなんてできない」
そういう状況に追い込まれている人も少なくないでしょう。
そんなとき、どうしたらいいのでしょうか?
日々の業務で追い込まれたときにすべき5つのこと
ギリギリの状態で毎日過ごしているのなら、何らかの対処が必要です。
心身を壊してからでは遅いので、早めに手を打ちましょう。
日々の業務で追い込まれたとき必要なアクションとして、考えられる対処は次の5つ。
- 休みを確保できる環境を整える
- 家族や周囲の人にサポートをお願いする
- 公的制度を利用する
- 仲間を見つける
- 時間とお金の使い方を記録する
順番に見ていきましょう。
1. 休みを確保できる環境を整える
要するに、ブラックな職場は今すぐ辞めるべし、ということです。
ブラックか否かの線引きは難しい部分もありますが、労働基準法が定める基準を超えているならば、それはNGな職場と言って差し支えないでしょう。
とは言え、現実的には、その判断基準だとNGな職場ばかりとも言えそうです。
まずは、前回紹介した「戦略的休息」を実行して、心身を休める工夫をしたいところ。
もし「仕事へ行く」or「辞める」、どちらかの選択肢か与えられない環境なら、働き方を一度考え直した方がいいと思います。
体調が悪いときに休めないのはおかしいから。
あなたのことを大切にしない職場で、あなたの心身を犠牲にする必要はありません。
2. 家族や周囲の人にサポートをお願いする
やらなければならないことはたくさんある。
仕事、学業、家事、育児、介護 etc.
「やらなければ!」と自分を追い込むのではなく、どうやったら無理なくやっていけるか考えましょう。
まず最初に実行したいのは、家族や周囲の人に協力をお願いすること。
自分にできること・できないことを紙に書き出して、役割分担を話し合ってみるのも良いと思います。
金銭的なサポート、日常生活の困難をサポート、精神的なサポート。
いろいろな人の力を借りながら、やっていきましょう。
「もう無理だと思ったら?助けを求めるときに使えるフレーズ6種」も参考にしてみてください。
3. 公的制度を利用する
生活やお金の不安があって、仕事を休む or 辞めることがためらわれる場合、まずアクセスしたいのは国や自治体の支援制度。
仕事、医療費、生活費、住まいなど、困っている人が頼れる制度です。うつ病の人が使える主な制度は「お金がない!うつ病・無職・貧乏暮らしをサポートする制度」でまとめています。
<仕事に関する支援制度>
<医療費を助成する制度>
- 自立支援医療(医療費が3割→1割に)
- 高額療養費制度(一定額を超えた分の医療費を返還してもらえる)
- 労災補償(業務・通勤中のケガや病気が対象)
- 医療費控除(年間10万円を超える場合に所得税の控除を受けられる)
<生活費の保障>
- 生活保護(最低限度の生活を保障)
- 障害年金(病気で働けない人の生活を支援)
- 児童扶養手当(一人親家庭の生活を支援)
<心の病気や障害への支援>
- 精神障害者保健福祉手帳(各種割引・サービスを受けられる)
<税金が安くなる制度>
- 所得税・住民税の控除
- 自動車税の控除
<住まいを借りるための支援>
- 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)
- ハローワーク 住居・生活支援窓口
<低金利の融資>
- 生活福祉資金(銀行より低い金利でお金を借りられる)
- 母子父子寡婦福祉資金(一人親家庭への貸付)
これらの制度を利用すれば、経済的な不安はかなり和らぐはずです。
就職についても、さまざまなサポートがあります。
- 職業訓練(基本手当、通所手当、寄宿手当あり)
- 求職者支援制度(雇用保険をもらえない人向け、職業訓練受講給付金あり)
- 就労移行支援
などなど、困ったときにサポートしてくれる制度があると知っているだけでも、気持ちは違います。
<参考サイト>
・こころの病気への支援や助成など – 厚生労働省
・求職者支援制度のご案内 – 厚生労働省
・就労移行支援について – 厚生労働省 [PDF]
4. 仲間を見つける
話し相手がいると、気持ちもラクになるし、新たな答えも見つかりやすくなります。
- 自助グループ、NPO
- リワーク支援
- 病院やクリニックのデイケア
同じ悩みを抱える人たちの集まりなら、悩みを打ち明けやすく、共感も得られやすいと思います。
もっと気楽に、趣味のつながりを持つことも、精神的な苦痛を和らげてくれるでしょう(時間に余裕がないと難しいのですが)。
- 趣味のサークル活動
- インターネット仲間とのオフ会
「趣味」「サークル」「地域名」などで検索すると、メンバー募集や集まりの呼びかけを見つけることができます。(※ただし、中には怪しい誘いもありますので、ネット経由でアプローチする場合は、相手や団体が信頼できるか情報をしっかりチェックしましょう)
うつっぽい状態だと、人と会うことが苦痛に感じることも多いので、無理に人と接する必要はありません。
ただ、寂しい気持ちが強くてつらいのであれば、勇気を出して踏み出してみると、次に進む良いきっかけになると思います。
5. 時間とお金の使い方を記録する
時間の使い方をチェックする
休みがない状態で日々を過ごしていると、効率が悪くなります。そのために「ムダ」が生じてしまうことも多々あり。
例えば、毎日忙しくて自分の時間がないとき。
ようやく家のことも終わって、ベッドで横になる
↓
早く寝た方がいいのだけれど、せっかくの自分の時間、ちょっとくらいは好きなことをしたい。
(一日をこれで終えたくない!)
↓
何となくスマホでネット
↓
目が冴える
↓
夜更かし
↓
翌日にひびく
こういった悪循環が生じていないか、記録をつけてチェックします。
必ずしもスマホをやめる必要はありません。好きなことをして気分転換することは大事です。
ただ、睡眠時間が確保できず、疲れを翌日に持ち越したままになってしまうのはNG。
大事なのは、休息を最優先にスケジュールを組み立てること。
そのために、まずは一日の時間をどのように使っているか記録しましょう。
お金の動きをチェックする
お金の使い方も同様です。
収支と支出を記録することで、1か月に使うお金・固定費・自由に使えるお金のバランスを可視化できます。
コストパフォーマンスで考える
さらに、時間とお金のバランスを考えると、適切な答えが見つかるかもしれません。
全部頑張るのではなく、手を抜けるところは手を抜く。お金で何とかなる困り事はお金で解決。
例えば、疲れ果てて食事の支度をする気力がないなら、食事宅配を利用するとか(参考:うつ・無気力なとき助かる!食事宅配サービスまとめ)。
「お金がない!お金がない!」という考えに支配されていると、お金をいかに使わないかということに心血を注いでしまいます。でも、休息時間を確保するためにお金を使うことは、総合的に見ればプラスになります。
もちろん、現実的には難しいことも多いと思います。使えるお金があるならとっくに解決してるわって話ですよね。
ただ、今の状況を細かく洗い出すことで、改善できる点は見つかるはず。
何が苦しいのか知るためにも、記録することは役立ちます。
一人で抱え込まないことが大事
- 休みを確保できる環境を整える
- 家族や周囲の人にサポートをお願いする
- 公的制度を利用する
- 仲間を見つける
- 時間とお金の使い方を記録する
どのような場合であれ、悩みを一人で抱え込まないことが大事です。
周囲の人の協力を求めたり、行政の力を借りたりして、負担を軽減。
なかなか気軽にはできないかもしれませんが、苦しい今の現状を変えるために、できることからやっていきましょう。
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