仕事を休めない!うつ病と診断されたとき仕事とどう向き合うか

電車とホームと女性

毎日つらい。

心療内科に行ったら、うつ病と診断された。

医師には休職した方がいいと言われた。

でも、仕事を休むわけにはいかない。

けど、正直しんどい。もう限界かも。

でも、休めない。

どうしよう……。

・・・・・・

そんなギリギリの状態で過ごしている人。

今まさに悩んでいる人はもちろん、今後そういう状況に直面する可能性がある人も。

つらいけど、休むのが難しそうなとき、どうしたらいいのでしょうか?

うつ病の人がすべきこと

まず前提として、

病気のときは、無理せず休む。

家族や周りの人にサポートをお願いする。

回復するまでは、治療に専念する。

それが病気になった人の義務。

特に、うつ病になった人は休むことが必須。

なぜなら、うつ病治療の基本は「休養」だから。

とは言え、その人の置かれた状況によっては、簡単に休めない場合もあります。

特に仕事に関しては、どの選択肢がベストか、何とも言えません。

ただ、

死ぬくらいなら、仕事を休もう。

死ぬくらいなら、仕事を辞めよう。

これだけは間違いない。

もうギリギリ、生活に支障をきたしている状態なら、今すぐ対処すべきです。

「これくらいで休んでちゃダメだよね?」という微妙なラインでも、調子が落ちているのなら、メンテナンスが必要。

再起不能になる前に、手を打ちましょう。

心身に気になる症状が現れているのなら、今すぐ病院へ。

【こちらもあわせてどうぞ】
「うつ病かな?」と思ったときの病院の選び方ガイド
私はうつ病?苦しい毎日を抜け出すヒント・無料うつ病チェック診断まとめ

仕事を休めない理由9つとそれに対する答え

ここまでに書いたことを前提に、ここからは、もう少し詳しく整理していきます。

あなたが仕事を休めないと思う理由は何ですか?

  • 周りに迷惑がかかる
  • 人手不足で自分が抜けたら仕事が回らない
  • 高圧的な上司が怖くて言い出せない
  • ここで休んだら生活が立ちゆかなくなる、お金がない
  • キャリアを手放したくない
  • 周囲の期待を裏切りたくない
  • まだ何の経験も積んでいない
  • 穴をあけたらすべておしまい
  • すでに何度も休職をくり返していて、さすがにもう休めない

その人の症状や置かれている環境によって、答えは変わってくるわけですが、ここでは、もし私が友達に相談されたら何と返すか想像しながら答えてみます。

基本的な答えは「無理しない」「休みましょう」であることは最初に言っておきます。

「私が休んだら周りに迷惑がかかる」

確かに、自分に割り当てられた仕事を放って休むのは気が引けます。

真面目で責任感が強い人ほど、こういう抵抗感が強いのだと思います。

自分のつらさより、周囲の人たちの負担を優先して考える。それはとっても立派なことだし、素晴らしい態度です。

ただ、仕事を休まないことが必ずしも最善であるとは限りません。

例えば、インフルエンザにかかったとき。
周りに迷惑をかけるから出社する?
そんなバカな! これが間違いであることは言うまでもありません。

確かにあなたが抜けることで、他の人の負担は増えるかもしれません。

でも、パフォーマンスが低下した状態でミスを重ねる方が、もっと周囲への負担を大きくしてしまうのではないでしょうか。

誰でも病気になる可能性はあります。いざというときはお互い様です。

迷惑をかけたくないと思うのなら尚更、治療に専念して調子を立て直すことが先決です。

「人手不足で自分が抜けたら仕事が回らない」

ギリギリの人数で仕事を回しているような現場にいれば、安易に仕事を投げ出すわけにはいかないですよね。

人手不足に加えて、シフト勤務となれば、穴をあけることはできません。

ただ、今は緊急事態。

うつ病になった人が優先すべきは、症状を落ち着かせること。

あなたの心身が壊れても、会社は責任を取ってくれません。自分の身は自分で守らなくてはいけない。

仕事をどう回すかは会社側が考えることであって、あなたが心配することではありません。

あなたの代わりとなる雇用者はいます。

自分がいなくても仕事は回ります。

「高圧的な上司が怖くて言い出せない」

高圧的な人と話をする際は、できるだけ地位の高い人の力を借りるのが良いのではないかと思います。

例えば、診断書と主治医の意見を根拠に、「休職をすすめられたので、休みをもらいたい」と端的に伝えること。

面と向かって話すとビビってしまう場合は、電話で伝えるのが良いかもしれません。

・主治医(診断書や意見)
・産業医
・カウンセラー
・人事部
・上司の上司、他部署の偉い人 など

上司を差し置いてその上の偉い人に相談するのは難しいのですが、第三者に入ってもらうことで、感情的な言動を和らげることはできるはずです。

もし、事情をきちんと説明してもパワハラちっくな態度で否定するのであれば、その人はかなりヤバいので、さっさと逃げましょう。

図太くなるための3つの作戦が通用しない相手に【人間関係のストレス・嫌がらせ対策】」で、相手の攻撃から身を守り、心の強度を上げる手段を紹介しています。

「ここで休んだら生活が立ちゆかなくなる」

お金がない。働かないと生きていけない。ここで休んだら(辞めたら)生活できない。

これが一番切実な問題かもしれません。養っている家族がいれば、「休むわけにはいかない」という思いがより強まるでしょう。

そういうときは、一人で何とかしようとする前に、家族や近しい人に相談して、サポートをお願いしましょう。

プラス、社会制度も最大限利用して、お金の不安を軽減。うつ病の人が利用できる主な制度は「「お金がない!」うつ病・無職・貧乏暮らしをサポートする制度」にまとめています。

それでも生活が厳しいときは、地域の相談窓口も利用して、対策を考えましょう。

中には、心ないことを言ってくる人もいるかもしれません。

でも、必ず力になってくれる人はいます。辛抱強く味方を探しましょう。

「お金がない」

お金がないときは、生活に困っている人をサポートする制度を利用して、なんとかやっていきましょう。

<仕事に関する支援制度>

<医療費を助成する制度>

  • 自立支援医療(医療費が3割→1割に)
  • 高額療養費制度(一定額を超えた分の医療費を返還してもらえる)
  • 労災補償(業務・通勤中のケガや病気)
  • 医療費控除(年間10万円を超える場合に所得税の控除を受けられる)

<生活費の保障>

  • 生活保護(最低限度の生活を保障)
  • 障害年金(病気で働けない人の生活を支援)
  • 児童扶養手当(一人親家庭の生活を支援)

<心の病気や障害への支援>

  • 精神障害者保健福祉手帳(支援サービスを受けられる)

<税金が安くなる制度>

  • 所得税・住民税の控除
  • 自動車税の控除

<住まいを借りるための支援>

  • 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)
  • ハローワーク 住居・生活支援窓口

<低金利の融資>

  • 生活福祉資金(銀行より低い金利でお金を借りられる)
  • 母子父子寡婦福祉資金(一人親家庭への貸付)

など。

<参考サイト>
経済的な支援 ~医療費への助成、控除、生活支援など~ – 厚生労働省

「キャリアを手放したくない」

ここで休んでしまったら、せっかく積み重ねてきた信用や実績を放り出すことになる。

これまでの努力がすべてパーになってしまうなんて絶対に受け入れられない……!

でも、今の状態でキャリアを重ねていけるでしょうか。

体調不良により生じたミスによって、これまで積み重ねてきた信用を失ってしまう可能性はないでしょうか。

壊れてしまってからでは遅い。

バーストするまでやり続けるか、少し立ち戻って仕切り直すか。

一度立ち止まって考えてみましょう。

「周囲の期待を裏切りたくない」

大切な人をがっかりさせたくない。
これまで応援してきてくれた人の気持ちに応えたい。

そんな気持ちを大切にしているあなたは、まっすぐで優しい人です。

でも、死がチラつくほどに苦しい状況を我慢してまで、達成しなければならないこととは何でしょうか。

たとえ今の立場が変わっても、あなたの価値は失われません。

あなたの人生は、周りの人たちだけのためにあるのではありません。

自分の心と体を大切にする。話はそれからです。

「まだ何の経験も積んでいないのに……」

特に10代20代は、こういう気持ちが強いかもしれません。不安や焦りが大きいからこそ、頑張らなくちゃと自分を叱咤する。

でも、心も体もボロボロの状態で、成長につながる経験を積めるでしょうか。

会社に行くだけで精一杯、考える余裕もない。そんな状態でしっかりと対応していけるでしょうか。

きっとそれどころじゃないですよね。

経験を積むのは何歳からでもできます。あとから取り返すことだってできる。大丈夫。

人間は一人一人違うんだから、進むペースが同じじゃないのは当たり前。

誰かと比べるのではなく、自分のペースで進めばいい。

と、頭ではわかっていても、つい焦ってしまうんですけどね。

今の自分に必要なことを一つ一つやっていきましょう。

「経歴に穴をあけたらすべて終わり」

レールを外れたら、人生終わり?

それはまだ知らないだけ。

人生の選択肢は、自分が思う以上に多いってことを。

道はいくらでもあります。

チャンスだっていくらでも巡ってきます。

確かに履歴書に空白期間があると不利になっちゃうけど、ほら、経歴に穴があきまくりの私だって、何とか生きているよ?

「すでに何度も休職をくり返していて、さすがにもう休めない」

ただでさえ後ろめたさを感じているのに、また休みをもらうだなんて、かなり気が引けますよね。

でも、体が言うことをきいてくれないのなら、今の状態を続けることはできません。何らかの対処が必要です。

  • 休職ができると定められているのなら休職する
  • 仕事内容を軽いものにしてもらえないか上司に相談する
  • 周りの人に手伝ってもらえないか声をかけてみる

自分一人で解決しようとせず、周りの人に助けを求めることが大事です。

「なかなかそうはいかないよ」ということも多いと思いますが、そうやって何とか糸口を探していくしかありません。

もう無理だと思ったら?助けを求めるときに使えるフレーズ6種」も参考にしつつ、打開策を模索していきましょう。

うつ病治療をしながら仕事を続けるための方法については改めて考えたいと思います。
 

最後に

人生の中で、仕事が占める割合は大きいですよね。

大事なことだからこそ、休むわけにはいかない。

罪悪感を抱いてしまうのも当然だと思います。

でも、何をするにも身体が資本です。

ギリギリの状態で良い仕事はできません。無理をすることで、より悪い結果を招いてしまうのはよくある話。

だから、自分を雑に扱うのはやめましょう。

心身をうまく働かせるためには余裕が必要です。

自分自身を大切に。

 

3 COMMENTS

あたま

更新ありがとうございます。
お金の話は、切実です。
あとからどっときます。
私は、滞納していた住民税、分納にしてもらいました。

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東藤泰宏

うおおお。今の僕に刺さる記事でした…いつも素敵で有用な記事をありがとうございます。

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