私はうつ病?苦しい毎日を抜け出すヒント・無料うつ病チェック診断まとめ

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うつ病になると、心身に不調をきたし、日常生活を送ることが難しくなります。

精神的な症状は、一般的な憂鬱感や落ち込みと区別しにくく、見逃されがちです。場合によっては、「これじゃダメだ!」「気合が足りない!」とますます自分を追い込んで、病状を悪化させてしまうこともあります。

このページでは、うつ病チェックの他に、苦しみを軽くするためにできること・問題解決のヒントをご紹介します。

「うつ病かな?」と心当たりがある人はうつ病のセルフチェックを。具体的な症状を把握することで、次に何をすべきか見つかるはずです。

病院の形態や精神科の雰囲気もまとめましたので、気になる点がある方はのぞいてみてください。

【こちらもあわせてご覧ください】
「うつ病は甘えではない」が前提の『「うつ」は病気か甘えか。』

うつ病チェックができる診断サイトまとめ

1.UTU-NET こころの病気のセルフチェック

【診断時間:約2分】
うつ病やパニック障害の可能性があるかチェックできます。

UTU-NET(うつネット)を運営するのは一般社団法人うつ病の予防・治療日本委員会(JCPTD)。精神科医をはじめとする専門家がうつ病の啓発活動をしています。

こちらのセルフチェックは、厚生労働省のメンタルヘルスサイトでも紹介されています。

 

2.NHKうつサポート情報室 うつ病自己診断テスト

【診断時間:約1分】
NHK「ハートネットTV」の特設サイトです。

このテストを作ったのは、防衛医科大学校教授の野村総一郎先生。アメリカ精神医学会の診断マニュアル(DSM-IV?)をベースにしているそうです。

こちらのうつ病自己診断シートも参考になります。
混迷する社会で急増するうつ病 | 日経BPnet

 

3.うつ・不安ネット うつ度チェック

【診断時間:約3分】
精神科医ベンジャミン・ラッシュにより開発された簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)。うつ病の重症度を評価できます。

うつ・不安ネットは、精神科医・大野裕先生が監修する認知療法活用サイトです。

 

4.Dr 林のこころと脳の相談室 うつ病の自己診断法
(※診断チェックは削除されたようです)

【診断時間:約2分】
精神医学者ツングにより作成された自己評価うつ病尺度(SDS)。

サイト運営者の精神科医・林公一先生によると、信頼性はかなり高いと証明されているそうです。

Dr 林のこころと脳の相談室トップページ

 

<製薬会社による診断サイト>

5.うつ病の診断・セルフチェック うつ病~こころとからだ

【診断時間:約2分】
東邦大学方式うつ病自己評価尺度(SRQ-D)より作成。

監修は、長崎大学名誉教授・出島診療所長の中根允文先生。UTU-NETを運営するJCPTDの理事長も兼任されています。

提供:シオノギ製薬・日本イーライリリー株式会社

 

6.うつ病診断セルフチェック メンタルナビ

【診断時間:約1分】
15の問いに答える簡単なうつ病チェック。

うつ病解説ページの監修は、産業医科大学精神医学教室教授・中村純先生。こちらのうつ病の診断基準(DSM-IV-TR)も参考になります。チェックツールの免責事項もバッチリですね。

提供:ヤンセンファーマ株式会社

 

<製薬会社によるうつ病診断についての解説>
クリックするタイプの診断チェックではありませんが、参考になります。

7.うつ病の症状チェック utsu.jp ~うつ病と不安の情報サイト~

DSM-IVをもとに作成された精神疾患簡易構造化面接法(M.I.N.I.)によるチェックリスト。うつ病の診断基準についても詳しい解説があります。

監修:国際医療福祉大学医療福祉学部教授・上島国利先生
提供:グラクソ・スミスクライン株式会社

 

8.うつ病の自己チェックシート MSD

精神疾患簡易構造化面接法(M.I.N.I.)によるチェックシート。わかりやすいチャート式です。PDFダウンロードファイルもあります。

うつ病解説ページ監修: 医療法人渡辺クリニック院長・渡辺洋一郎先生
提供:MSD株式会社

 

9.産後うつ病チェック こころの健康情報局すまいるナビゲーター

エディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)によるチェックリスト。妊娠・出産・子育て中のうつ病について詳しい解説があります。

監修:国際医療福祉大学医療福祉学部教授・上島国利先生
提供:大塚製薬株式会社

 

<うつ病を克服された方が運営するサイト>

10.うつ病診断・チェック うつ病ドリル

【診断時間:全部で約7分】
4つのうつ病チェックが紹介されています。
(1) 重いうつ病のチェック(DSM-IV)
(2) 軽い~重いうつ病(ICD-10)
(3) 軽いうつ病(DSM-IV)
(4) 治ったかどうかのチェック(ハミルトンうつ病評価尺度)

医者に行くべきかどうか悩んでいる人の背中を押すコラムも参考になります。

うつ病ドリルは、うつ病を克服された方が運営するサイトです。患者視点からの本音、公式には語られない情報など、充実の内容です。

 

<その他企業による診断サイト>

11.うつ病 症状チェック -メディカルiタウン

【診断時間:約1分】
チェック項目は14個。「選択完了」ボタンを押すと簡素なコメントと医療機関検索画面が出ます。さすがタウンページ。

監修:赤坂山王クリニック院長・梅田悦生先生、日本小児科学会専門医医学博士・岡田郷先生
編集製作:株式会社時事通信出版局
提供:NTTタウンページ株式会社

 

12.あなたのうつ病度チェック ここカラダ

【診断時間:約1分】
5つの質問に答えるだけの簡易チェック。グリーンがメインの柔らかなカラーがあしらわれています。

監修:株式会社ウェルネス医療情報センター顧問、宇部内科小児科医院・團茂樹先生
提供:株式会社リクルートライフスタイル

 

13.うつ病危険度チェック Yahoo!ヘルスケア

【診断時間:約3分】
質問は10問。選択肢は2~3個。うつ病危険度(%)と簡単なコメントがもらえます。

監修:小石川ホームクリニック・門川誠先生
リンク:ウェルネス株式会社(ここカラダ)
提供:ヤフー株式会社

 

<楽しくうつ病診断>

14.次世代の精神状態確認アプリケーション MikuCha(ミクチャ)(※サービス終了)

【診断時間:約7分】
簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)をベースに作成された人口知能。奈良先端科学技術大学院の研究者により開発されています。

初音ミクさんとお話しながら楽しくうつ病診断ができます。私も試してみました。「初音ミクと会話しながら「うつ」診断 ― MikuCha(ミクチャ)」でレポートしています。

うつ病チェックの注意点

うつ病チェックは、自身の健康状態や生活を見直すきっかけになりますが、「こうしなさい!」という明確なアドバイスがもらえるわけではありません。

どのサイトにも「診断はあくまでも目安」と注意書きがありますように、うつ病チェックだけでは判断できません。身体の病気によってあらわれるうつ症状もありますし、うつ病以外の精神疾患も考えられます。あるいはそれは「憂うつ」の範囲内のものかもしれません。

さまざまな可能性を考慮すると、どうしても「気になる点があれば病院で相談してください」という当たり障りのない回答しかできません。

「これから何をすればいいのかわからない」「病院に行くのは抵抗がある」という人は、次項でもう少し具体的な選択肢をまとめていますので、参考にしてみてください。
 

私はどうすればいい?診断結果別の対応

「体調が悪いのであれば、病院へ行ってください」と言われても、さまざまな迷いや葛藤があります。

病院へ行くのは気が重いし、仕事だって簡単には休めない。そもそも私は病気じゃなくて、ただ甘えているだけなんじゃないか……。

そういった思いに対する私なりの答えを下図にまとめました。(クリックで拡大します)

<うつ病チェックのあとの行動チャート>
うつ病チェックのあとの行動チャート

病院に行くにしても行かないにしても、不調をそのまま放っておくのが一番よくありません。どうしたらいいかわからないときは、家族やあなたのことをよく知っている人に相談してみましょう。地域の保健所や精神保健福祉センターを利用することもできます。

苦しみを和らげるためにできること、今のあなたが優先すべきことを第一に考えていきましょう。

次に、病院のかかり方、仕事の休み方について見ていきます。「病院行くの怖いな……」「仕事休めないよ……」と不安なときのヒントになれば幸いです。

病院ってどこ行けばいいの?

精神科?心療内科?何科を受診する?

うつ病を専門とするのは精神科です。ただし、「精神科」に抵抗を感じる人が多いため「心療内科」「メンタルヘルス科」を掲げる病院もあります。わからないときは電話で問い合わせるか、病院のホームページを確認してください。

【診療科と主な対象】

精神科 (神経科・精神神経科) うつ病、躁うつ病、統合失調症、社交不安障害、パニック障害、摂食障害、パーソナリティ障害、発達障害、不眠症など
心療内科 自律神経失調症、ストレス性胃炎、胃潰瘍、高血圧、気管支ぜんそく、過敏性腸症候群などの心身症(心理的な影響による体の病気)
神経内科 頭痛、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、パーキンソン病など神経系の病気

病院を選ぶ基準は?

【病院形態】
クリニック(診療所)、総合病院、大学病院、精神科病院

総合病院や大学病院の精神科では、初診患者の受付をしていないところがあります。また、紹介状なしでの初診では、診療費とは別に選定療養費(自己負担)が必要な場合もあります。

地域のメンタルクリニックは、交通の便が良く、明るく落ち着いた雰囲気のところが多い印象です。

一概にどの形態がいいと言うことはできないので、困ったときは、保健所や精神保健福祉センターなどに紹介してもらうのがよいでしょう。

詳しくは病院に直接お問い合わせいただくか、厚生労働省の案内ページ「医療機関の探し方、選び方」をご覧ください。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
【関連ページ】
「うつ病かな?」と思ったときの病院の選び方ガイド

診察の流れ・精神科の雰囲気は?

「精神科ってちょっと怖い」と感じる人もいるかもしれませんが、決して特別なところではありません。内科、眼科、皮膚科などの身体科と同じように、不安な症状を相談できます。

1.受付
保険証を提示して、問診票を記入します。予約制のところが多いので事前に確認しておきましょう。

2.診察
問診票をもとに医師が質問をします。初診の診察時間は30分~1時間程度。あまり難しく考えず、素直な気持ちを話しましょう。

病院によっては診察の前に、予診や検査(血液検査、体温・血圧測定など)が行われます。予診は、主治医とは別の医師や医学生などによる簡単な問診です。

3.支払い
診療費を支払い、薬の処方があれば、薬局へ。

精神科クリニックの雰囲気を知りたい人には、UTU-NETの「バーチャル精神科」がおすすめです。

知らないことや初めてのことは何でも不安に感じるものです。まずは、知ることから始めましょう。

でも、仕事休めないよ……。

体調が悪いから仕事を休む。これは正当な理由です。

とは言え、休む休まないの判断基準は難しいところです。大事な会議が控えているときや、シフト勤務の場合、ちょっとくらいの不調で穴をあけるわけにはいきません。

1日休むだけでも迷惑がかかってしまう……。でも、休職を余儀なくされるようなうつ状態になると、3か月~半年、年単位で働けなくなってしまうこともあります。

だからこそ、症状が悪化する前に休養すべきです。職場の人に負担をかけてしまうことは心苦しいかもしれませんが、フラフラの状態でミスを重ねる方がもっと迷惑になってしまうのではないでしょうか。

休むときのポイント:電話で早めに連絡する

勇気を出して、直属の上司・会社に連絡を入れましょう。

「大変申し訳ないのですが、体調が悪いのでお休みをいただいてもよろしいでしょうか?」
「ここ数日体調がすぐれず、病院で検査してもらいます」
「午後から○○を予定していたのですが、先方へお詫びとキャンセルの連絡をお願いできますでしょうか?」など

緊急かつ複雑な業務がある場合は、メールを送るなどの配慮を。

体調がよくなったら、助けてもらった分を感謝と共にお返しする。そのためにもしっかり休養しましょう。

病院で休職をすすめられたときは、「休職手続きガイド」をご覧ください。

生活・考え方を見直す……?

まず、肩の力を抜きましょう。緊張して心身がこわばっていると疲れます。

<健康を保つためのポイント>

  • 規則正しい生活
  • 適度な運動
  • 質の良い睡眠
  • バランスの取れた食事
  • リラックス

ありきたりな答えですが、大事なことです。無理のない範囲で実践していきましょう。

そして、考え方について。気持ちをラクにするポイントは、柔軟な態度。「~しなければならぬ!」という考え方は自分を縛りつけます。今までとは違うやり方を試しながら、新たな答えを探していきましょう。

【関連エントリー】
たった3日で効果を実感!体調を整える基本ルール
「生活のリズムを整えるためには早寝をしよう!」というご提案です。
頑固な自分を変えたい!認知や考え方を柔軟にするための道標
うつ病治療でも取り入れられている認知療法、自分を知るためのヒントをまとめています。
 

最後に

くり返しになりますが、うつ病チェックはあくまでも目安。心身の不調により仕事や生活に支障が出ているのであれば、病院へ行ってください。

「病気じゃないかもしれない」と思うときでも、専門家に相談することで何か良いヒントがもらえるかもしれません。

今回ご紹介したサイトのうつ病解説ページも参考にしながら、つらい毎日から抜け出す方法・少しでも心をラクにする方法を考えていきたいですね。

このブログでは、そのための対処策をこれからも模索していく所存です。
 

付録:うつ病チェック一覧

ベースとなっている診断基準ごとの「うつ病チェック」一覧です。数字は上記まとめに対応しています。それ以外の診断テストも載せておきます。興味のある方はどうぞ。

【精神疾患の分類と診断の手引 改訂第4版(DSM-IV)】
アメリカの精神医学会が作成した診断基準。患者が訴える症状に注目し、医学的なケアが必要かどうかチェックします。2013年5月に、DSMの第5版が発表されました。
NHKうつサポート情報室
メンタルナビ
MSD
うつ病ドリル

【疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版(ICD-10)】
世界保健機関(WHO)が作成した診断基準。抑うつ症状の程度や内容によって、軽症・中等症・重症・その他に分類します。DSM-IVとともに、国際的な判断基準のひとつとして使われています。
うつ病ドリル
新宿メンタルクリニック
解説ページ
うつ病を知る・うつ病の種類 | うつ病~こころとからだ
ICD10 国際疾病分類第10版 | 標準病名マスター作業班
「疾病、傷害及び死因の統計分類」 | 厚生労働省

【簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)】
精神科医ベンジャミン・ラッシュが開発した評価尺度。DSM-IVの診断基準に沿って作られています。
うつ・不安ネット
⑰MikuCha(ミクチャ)
厚生労働省[PDFファイル]

【東邦大学方式うつ病自己評価尺度(SRQ-D)】
東邦大学心療内科が作成した評価尺度。身体の症状があらわれるタイプのうつ病をチェックできる簡易テストです。
うつ病~こころとからだ
広島市
埼玉精神神経科診療所協会

【ツング自己評価うつ病尺度(SDS)】
アメリカの精神医学者ツングが作成した自己評価尺度。20の質問項目から簡単にうつ状態をチェックできます。
Dr 林のこころと脳の相談室
チェックシート
・沖縄県保健医療部総合精神保健福祉センター[PDFファイル]
・精神科医療情報総合サイトe-らぽ~る[PDFファイル]

【ベックうつ病尺度(BDI)】
アメリカの精神科医アーロン・ベックが作成した評価尺度。抑うつ状態の程度をチェックするテストです。
岩田将英のウェブサイト
自律神経失調症・うつ病ナビ「ココカラ」
チェックシート
・電気通信大学保健管理センター[PDFファイル]

【ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)】
イギリスのマックス・ハミルトンが作成した評価尺度。オリジナルが発表されたのは1960年。うつ病の重症度、回復具合をチェックします。
うつ病ドリル
解説ページ
うつ病に使われる心理検査。ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)とは? | せせらぎメンタルクリニック

【エディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)】
イギリスでCox J.L.らが作成した調査票。10項目の質問から産後のうつ状態をチェックするテストです。
こころの健康情報局すまいるナビゲーター
平成5年厚生省心身障害研究「産後うつ病の自己評価スケール〈EPDS〉について」[PDFファイル]

【うつ病自己評価尺度(CES-D)】
アメリカ国立精神保健研究所が作成した評価尺度。20項目の質問からうつ状態をチェックします。SDS、BDI、MMPIなどを参考に作成されました。
せせらぎメンタルクリニック
自己診断@千正.com
解説
「90%の正確さで、『うつ』が診断できるテスト CES-D」 | ゆうメンタルクリニック
CES-D抑うつ尺度の心理測定法的特性 | 日本テスト学会[PDFファイル]

 

<うつ病関連書籍>

2 COMMENTS

ひろこ

すごいですね!日本のうつ病チェックサイトがこのページに集結したようですね。体調がひどく初診の前にもしこのサイトを見てたらとっても心強かったと思います。こころがつらい人たちが少しでも楽になれたらいいですね。

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ナミ

ひろこさん、コメントありがとうございます。

私も初めて病院に行くときにはとにかく不安で、情報を漁りまくっていたことを思い出します。改めて調べてみたら、たくさんのうつ病チェックサイトがあって驚きです。それくらい苦しい思いをしている人がたくさんいるということでしょうか。

悲しみに暮れている人の心に平和が訪れることを祈るばかりです。

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