「うつ病になって働けなくなってしまった」
「お金もないし、今後の生活が不安で仕方ない」
「家族に金銭的援助を受けていることが心苦しい」
今日は、そんな経済的負担を軽くする支援制度をご紹介します。
よく利用される制度を6つピックアップして簡単にまとめました。
うつ病の人が使える6つの経済支援制度
1.自立支援医療
【現在、通院中のあなたに】
医療費の負担が3割から1割になります。長期にわたる通院治療が必要な方が対象です(うつ病も含まれます)。
▼詳しくはこちらで説明しています。
うつ病治療費を軽くする自立支援医療制度(精神通院医療)を利用しよう
2.雇用保険(失業保険)
【お仕事を退職したばかりのあなたに】
退職後、次のお仕事に就くまでの準備金がもらえます(条件によって受給期間や金額は異なります)。
病気などで働けない場合は、受給開始時期を延長することもできます(※受給日数が増えるわけではありません)。
▼こちらでも雇用保険について紹介しています。
うつ病患者のための退職手続きガイド ~心の負担を軽くするために~
3.障害年金
【それでも足りない!というあなたに】
このあたりから受給条件がかなり厳しくなってきます。
受給資格
- 国民年金か厚生年金を払っている方
- 初めて医師の診療を受けたときから1年6ヵ月経過している方
- 日常生活や仕事に支障がある方
受給金額
国民年金に加入している場合(自営業の方、学生さん、主婦の方など)。
障害基礎年金額(平成29年度) | |
1級 | 974,100円/年 |
2級 | 779,300円/年 |
1か月あたりの金額をざっくり計算すると、1級で8万円ちょっと、2級で6万5000円ほど。お子さんがいらっしゃる方、厚生年金に加入している方は、さらに金額が加算されます。
▼詳しくはこちらで説明しています。
病気で働けない後ろめたさ・お金がない不安を和らげる障害年金
4.精神障害者保健福祉手帳
【社会生活でお困りのあなたに】
精神障害により、長期にわたり日常生活・社会生活への制約がある方が対象です(うつ病、躁うつ病などの気分障害も含まれます)。
受けられる主なサービス
- NHK受信料が免除、あるいは安くなる。
- 市町村運営の施設・交通機関の料金が割引・無料になる。
- 所得税・住民税・相続税などの控除。
- 公営住宅に入居しやすくなる。
- テーマパークや映画館などの障害者割引を利用できる。
この他にも、障害者向け求人に応募できるなど、さまざまなメリットがあります。
<参考サイト>
経済的な支援 ~医療費への助成、控除、生活支援など~ | 厚生労働省
5.医療費控除
【医療費が高い……とお嘆きのあなたに】
対象は、家族(世帯)の医療費が、1年間で10万円を超える場合です。
確定申告を行うと、所得税の控除を受けられます。
※注意点
- 病院や薬局でもらう領収書はまとめて保管しておきましょう。確定申告の際に必要です。
- 交通費は日付と金額をメモしておきましょう(ガソリン代・駐車料金はNG)。
<参考サイト>
経済的な支援 ~医療費への助成、控除、生活支援など~ | 厚生労働省
6.生活保護
【手は尽くした!もうダメだ!というあなたに】
生活保護は、最低限度の生活の維持を目的に世帯単位で行われます。
貯金ゼロ。
資産ゼロ。
働けない。
親族の援助が受けられない。
このような状況に置かれている方が生活保護対象者となるのですが、現実的に受給までの道のりはかなり厳しいようです。地域によっては、水際作戦によって拒否されてしまうこともあるとか。
例えば、こんな言葉。
「まだ働けるからダメー」
「頑張りが足りないんじゃないの?」
「世の中そんなに甘くない!」
鬼……?!
専門家や信頼できる人に相談の上、申請に行くのが良さそうです。
<参考サイト>
・生活保護制度 | 厚生労働省
・生活保護の水際作戦事例を検証する 大西連 / 自立生活サポートセンター・もやい | SYNODOS
最後に
うつ病療養中の経済的な問題ほど切実なものはありません。
診察代・薬代もバカにならないし、お金がないと精神的にも追い込まれます。「働かなければ!」という焦りが焦りを呼び、的確な判断・行動が難しくなってしまうこともあります。
うつ病を薬で抑えながら働くという選択肢もありますが、症状が深刻で、生きる意味を失ってしまっているような場合は、まず心と身体をゆっくり休めてほしいというのが私の願いです。
そのためには、安心して療養できる環境を整えなければなりません。となると、お金が必要。……もう、ため息が出てしまいますね。
今回ご紹介した支援制度の他にも、さまざまなサポートがあります。まだまだ伝えきれていないこと、私の勉強不足なところもあります。
経済的支援については、今後も定期的にお伝えしていきたいと考えています。
相談窓口
・みんなねっと相談室
精神障がい者家族の会のサイトです。経済的な悩みや生活上の問題を電話で相談できます。障害年金など福祉制度に関する相談にものってもらえます。
・困ったときの相談窓口リンク一覧
無料の相談窓口をまとめたページです。
その他の公的支援制度
ここまでに挙げた6つの制度を含めた公的サポートをまとめておきます。
<仕事に関する支援制度>
<医療費を助成する制度>
- 自立支援医療(医療費が3割→1割に)
- 高額療養費制度(一定額を超えた分の医療費を返還してもらえる)
- 労災補償(業務・通勤中のケガや病気が対象)
- 医療費控除(年間10万円を超える場合に所得税の控除を受けられる)
<生活費の保障>
- 生活保護(最低限度の生活を保障)
- 障害年金(病気で働けない人の生活を支援)
- 児童扶養手当(一人親家庭の生活を支援)
<心の病気や障害への支援>
- 精神障害者保健福祉手帳(各種割引・サービスを受けられる)
<税金が安くなる制度>
- 所得税・住民税の控除
- 自動車税の控除
<住まいを借りるための支援>
- 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)
- ハローワーク 住居・生活支援窓口
<低金利の融資>
- 生活福祉資金(銀行より低い金利でお金を借りられる)
- 母子父子寡婦福祉資金(一人親家庭への貸付)
<参考サイト>
こころの病気への支援や助成など – 厚生労働省
「ニュー福祉定期貯金」について
障害者手帳で国債を買ったのに続いて、
障害基礎年金証書を示して「ニュー福祉定期貯金」に挑戦してきました。
「一般の1年ものの定期貯金の金利に年0.25%(税引後 0.1992125%)を上乗せした金利を適用します」とあり、銀行よりも有利。しかも銀行にマル優枠を設定していないのなら、350万円まで非課税。課税覚悟なら、全部で1000万円(って、そこまであれば苦労はしませんが…)まで貯金できます。
でもデメリットはやはりあって、一年ごとにまた手続きしなければならないのですって。来年の今頃は仕事で忙しい方がいいと期待しながら、もくもくと書類に記入しました。やはり手続きに一時間半はかかりました。
万が一、中途解約(それでも通常貯金の利息はつきます)になったばあい、被害が少なくなるようにと、少額に分けた私は何をしているんだろうとも思いました。
ですが、
しぶとく生きてやるつもりです!
なんと言われようが、ゴキブリのように雑草のように。どうせ人生に赤い絨毯は敷かれてはいないのですから。
紙一重さん、コメントありがとうございます。
「ニュー福祉定期貯金」というものがあるんですね! 知りませんでした~。勉強になります。えーっと、ゆうちょ銀行の定期貯金なんですね。金額は多くなくても金利ってバカにできませんよね。
手続きが1時間半かかって1年ごとに更新っていうのはなかなか大変ですね。手続きも複雑そうですし、私のような理解力の乏しい者にはレベルが高そうです。これを機会にちょっと調べてみようと思います。
いやしかし、ゴキブリや雑草はかなりしぶといですね。私も紙一重さんに追随して頑張ります! せめて気持ちだけでも。
有益な情報をありがとうございました。またいろいろと教えてください、紙一重先生。
福祉の専門職である私が関心するほど、社会保障制度について、コンパクトにまとまっており、読みやすく理解しやすいです。
まだ、私は休職中・・先の見えないトンネルの中を、悶々としながら進んでいる状態です。ナミさんのブログに助けられてます。
うつ病が今後も酷くなっていきそうで、一人で生活していくのもとてもつらい状況です。経済面の事も考えると、しごとをし続ける自信もなく、なんてこんなに情ない人生なんだろうと自分を責めてばかりしまいます。
コメント拝見させていただきました。
はじめて、自分の想いを書きます。
私も鬱病でして、もう8年になります。
傷病手当、失業手当で3年は治療に専念し、もう、仕事しないと生活出来ないと言うこと思いで焦りました。結局、復業しても鬱病の再発……。その繰り返しです。
何をしても駄目な私。人生終わったとか思い詰めています。「障害年金はあなたはとれないよ」と主治医に言われ、更に深い闇にはまってます。誰か助けてください。
聞き慣れない「線維筋痛症」を患い10年。県内に看て下さる病院がないので、新幹線で東京まで行ってます。この病気はうつ病も関連しているので、たくさん薬を飲んでます。しかし、先日医師に自立支援の診断書をお願いしたら、「書けません」と言われてしまいました。何故?
最近はうつの症状が激しく、隣町まで電車で通院してます(1ヵ月)
難しいと言われている障害年金について次回東京の病院でソーシャルワーカーに相談したいと思うところです。
鬱病です、傷病手当後2月ケ日のコリで会社を辞めました。傷病年金を受け取る積もりです。仕事をしても前向きに慣れませ。