「自分に合った目標ってどうやって立てたらいいの?」
「いざ計画を立てようと思っても、どうすればいいのかわからない」
そんな悩みを抱えている人は少なくないようです。
かく言う私も計画を立てるのは大の苦手で、自分なりに目標を掲げても、すぐ三日坊主。
目標や計画やあやふやだから、頑張って行動してみても、ちゃんとできているのかピンとこないんですよね。
でも、そんな人でも上手に目標を立てるコツがある!
それが次の3つです。
(2) 数字で表現する
(3) 目標は三段階に分ける
大ゴール:「こうなりたい」理想
中ゴール:「いつまでに何をする」目安
小ゴール:今すぐ取り組めるタスク
でも、複雑な問題になると、なかなかうまくできないことも多いんですよね。失敗したらそのままで次につなげられなかったり……。
そんなとき役に立つのが、今から紹介する問題解決手法です。
今回は、実践的な方法が詳しく解説されている『鬼速PDCA』という本を参考に、すぐに試したくなるプランの立て方を紹介します。
この方法に沿ってやれば、鬼のように速い成長を感じられること請け合い(ほんとに)。
ただ、手順がかなり面倒なのと、きっちりかっちりすぎて堅苦しく感じる人もいると思います。合う合わないもあるので、仕事術や時間管理術系のライフハックが好きな人向け、という前提で話を進めていきます。あと、無気力状態ではないことも条件。
取っつきにくいビジネス用語は使わず、できるだけ簡単に紹介します(簡単にとは言っても、面倒なことに違いないのですが)。
それでは、さっそく見ていきましょう。
プランニング全体の流れ
「PDCA」は、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の頭文字を取ったもの。
仕事をうまく回し、より良い成果を上げるためのフレームワークです。
このPDCAの流れを参考に、前回は問題解決の流れを学びました。「悩みを解決するためのアクションプラン【実践編】」です。
今回は、【Plan】~【Do】の部分に焦点を当てて、目標・計画を上手に立てるコツを詳しく解説していきます。
以下、こんな感じで計画を立てていきます。
2.課題を考える
3.課題を絞り込む
4.解決案を考える
5.解決案を絞り込む
6.タスク化
7.見える化
まずは全体の流れを理解するために、身近な具体例を挙げてみましょう。
以上のやり方は簡易的なものですが、これだけでも十分に効果的なプランが立てられます。
上手に計画を立てるコツ
ここからは、計画の立て方をさらに詳しく説明していきます。
・どんな目標を立てればいいの?
・どうやって数字に置き換えたらいいの?
・何を基準に選んだらいいの?
など、プラン作成で迷ったとき、参考にしてみてください。
「計画(Plan)」「実行(Do)」ステップに分けて説明していきます。
<計画の立て方>
■STEP1 目標を設定する(大ゴール)
■STEP2 現状とのギャップを洗い出す
■STEP3 ギャップを埋める課題を考える
■STEP4 課題を優先度づけして3つに絞る
■STEP5 課題を数値化する(中ゴール)
■STEP6 中ゴールを達成する解決案を考える
■STEP7 解決案を優先度づけする
■STEP8 計画を見える化する
<実行の仕方>
■STEP1 解決案をさらに具体的にする
■STEP2 優先順位をつけ、やることを絞る
■STEP3 課題を数値化する(小ゴール)
■STEP4 「やること」を「TODO」に変換する
■STEP5 TODOの進み具合を確認しながら実行に移す
【Plan】計画の立て方
ステップ1 目標を設定する(大ゴール)
ゴールのないマラソンは地獄です。ゴールがなければ、どこまで走ればいいのかわからないし、どれだけ頑張っても達成感はなく、残るのは徒労感ばかり。
そうならないためにも、まずは、目標(ゴール)を決めることから始めましょう。
冒頭で挙げたように、ここではゴールを三段階に分けて考えていきます。
・大ゴール:「こうなりたい/こうしたい」という理想
・中ゴール:「いつまでに/何をできるようする」という目安
・小ゴール:今すぐ取り組めるTODO
まずは、大ゴール、「こうなりたい/こうしたい」という理想を書き出してみてください。
仕事、勉強、運動、ダイエット、家事、趣味など、何でもOKです。
1.いつ/いつまでにやるか決める(期日)
2.どれだけやるか決める(量)
3.ゴールは適度に具体的なものにする(おすすめは1~3か月で達成できそうな目標)
いきなりゴールを決めろと言われても、どう設定したらいいか迷ってしまうこともあるかと思います。
が、とりあえずは、思いつく目標でOK。「ちょっと無理かもしれない」と感じるものでも大丈夫です。「うまくいかないな」と思ったら後で修正すればいいだけなので。
さすがに「プロ野球選手になる」のような(限られた人を除き)実現不可能な目標はNGですが、それをもとに「地元の草野球チームに入って休日にプレーする」という目標を導き出すこともできます。
そんな感じで、「こうなれたらいいな」「これができたらいいな」という理想を書き出してみましょう。
上に挙げた3つのポイントを押さえて考えれば、まあまあいい感じの目標が立てられるはずです。
何となくのイメージをつかむため、英語の勉強以外の目標もいくつか挙げてみます。
ステップ2 現状とのギャップを洗い出す
ゴールを設定できたら、目標を達成するために何をすればいいか考えます。
まずは、今、自分が置かれている状況を把握しましょう。
ゴール設定と同じく、数値化してまとめます。
仕事や勉強は、こなした成果物や時間がはっきりしているので、それらのデータをまとめます。
人間関係や自分の気分的な問題など、数値化が難しいものもありますが、できる範囲でデータに変換して捉えるようにすると、改善具合がわかりやすくなります。
<現状を知るためのツール>
・生活記録シート(参考:セルフモニタリング)
・睡眠記録(参考:睡眠日誌のつけ方)
・うつ生活のライフログ(参考:記録の仕方)
・業務日報
・その他(時間、量、回数などを記録)
以上のデータをもとに、現状と理想のギャップを書き出します。
ステップ3 ギャップを埋める課題を考える
現状と理想のギャップを洗い出したら、問題を解決するための策を考えます。
次の質問を参考にしながら、思いつく課題を書き出してみましょう。
- ゴールから逆算すると、自分は何をすべきなのか?
- この道を進むとしたら、何が不足しているのか?
- 前進を加速するために、伸ばせる長所はないか?
- あらかじめ手を打っておくべきリスクはないか?
- 周りでうまくいっている人は、どんな工夫をしているか?
(『鬼速PDCA』「ギャップを埋める課題を考える」より)
ステップ4 課題を優先度づけして3つに絞る
思いつく課題をすべて書き出したら、優先順位をつけていきます。
そのときに使う基準は3つ。
2.時間
3.気軽さ
それぞれ3段階評価でチェックしていきます。
『鬼速PDCA』では「3つに絞る」としていますが、同時進行が難しい場合は、一つずつ取り組んでいきましょう。
① インパクトが高いものを選ぶ
② 短い時間でできそうなものがあれば選ぶ
③ 似たような評価の課題は「気軽さ」で選ぶ
「悩みを解決するためのアクションプラン」で紹介した「ポイント加算シート」を使ってもOKです。
ステップ5 課題を数値化する(中ゴール)
課題を絞り込んだら、中ゴールを決めます。
中ゴールは、課題の進み具合を確認するための目安です。
マラソンで言ったら、「A地点を○分○○秒のタイムで通過する」という感じ。
この中で一番重要なゴールを一つ選びます。
これをチェックしておくことで、余裕がなくなったとき「優先度の高いことだけはやっておこう」と割り切れるようになります。
あれこれ欲張ると大変なことになってしまうので、書き出した課題すべてを完璧にやろうとしないこともポイントです。
ステップ6 中ゴールを達成する解決案を考える
次に、中ゴールを達成するためにどうすればいいか、アイデアを出します。
ステップ3と同様に、思いつく課題を書き出していきましょう。
ステップ7 解決案を優先度づけする
ステップ4と同じく、3段階で優先順位をつけます。
1.インパクト(効果)
2.時間
3.気軽さ
ステップ8 計画を見える化する
大ゴールと中ゴールができあがりました。
この目標を忘れてしまっては意味がないので、紙に書いて目につく場所に貼っておきましょう。
例えば、
- 大きな紙に書いて部屋に貼る
- ポストイットに書いて貼る(本棚、パソコン、トイレ、冷蔵庫などすぐ目につくところ)
- 小さなメモにして持ち歩く
- スマホの待ち受け画面に表示する
やる気を失ったときや、弱気になったときに見返すことで、モチベーションを保つことができます。
【Do】実行の仕方
せっかく計画を立てたのに、なかなか実行できず、中途半端に終わってしまったことはないでしょうか。
「なんで私はできないんだろう……」
それは、意志が弱いからではありません。多くの場合、「やること」が具体的になっていないから、うまくいかないだけ。
自分が次に何をすべきかわかっていれば、きちんと実行できるようになります。
ここからは、そのための方法を紹介していきます。
今すぐ「やるぞ!」と行動に移せるようなプランの立て方です。
ステップ1 解決案をさらに具体的にする
中ゴールの解決案をさらに詳しく詰めていきます。
やり方は先ほどの流れとほぼ同じ。
解決案を実行するために、何をすればいいか書き出していきます。
ステップ2 優先順位をつけ、やることを絞る
書き出した「やることリスト(案)」を絞り込みます。
【Plan(計画)】のステップ4と同じように、
1.インパクト(効果)
2.時間
3.気軽さ
をチェック。
出したアイデアが少なければ、直感的に「もっとも効果がありそうなもの」を選んでもOKです。
ステップ3 課題を数値化する(小ゴール)
計画が順調に進んでいるか確認するための目安(小ゴール)を決めます。
これを設定することで、自分がどれだけ行動できているか確認することができます。この「OK、ちゃんとできてるぞ」という確認は、モチベーションや安心感につながります。ちょっと面倒ですが、しっかり設定しておくといい感じです。
継続的にやっていくものは、どれくらいできたか達成度(%)でチェックしていきます。
ステップ4 「やること」を「今すぐできる作業(TODO)」に変換する
「やること」をさらに細かく分解します。
・手段(どうやるか)
・期日(いつまでにやるか)
目安は、スケジュール帳に書き込めるレベルになっていること。
継続的にやっていくものは、チェックシートを作って、その日のうちに評価します。「毎日チェックシートで確認すること」がTODOです。
簡単な基準を決めて点数化すると、小ゴールの達成度を数値で追うことができます。
といっても、ここまできっちりやるのはなかなか大変なので、個人的におすすめなのは、1日1マス、目標を達成できたらマス目を塗る記録方法。
塗るだけなので簡単。特に長期的なものに最適です。1年分を記録すると、がんばりの波がよくわかります。
習慣化に効果絶大です(ほんとに)。
ステップ5 TODOの進み具合を確認しながら実行に移す
あとは実行あるのみ。
小ゴールとTODOの進み具合を確認しながら、それぞれ実行に移していきます。
中ゴール、大ゴールもこまめにチェックするようにすると、モチベーションが保たれます。
まとめ
ごちゃごちゃと書きましたが、ポイントは3つ。
(2) 数字で表現する
(3) 目標は三段階に分ける
大ゴール:「こうなりたい」理想
中ゴール:「いつまでに何をする」目安
小ゴール:今すぐ取り組めるタスク
これがうまく目標・計画を立てるコツです。
大まかな流れをもう一度まとめましょう。
2.課題を考える
3.課題を絞り込む
4.解決策を考える
5.解決策を絞り込む
6.タスク化
7.見える化
実際にやってみると、かなり面倒です。
でも、しっかり計画を立てて実行すると、充実感がめちゃすごい。ふわっとやっているときと比べて、何倍も何十倍も自分の成長を感じられます。
それは、成果につながる行動量が増えるから。自分が次に何をすればいいか具体的にわかっているから、無理なく行動を重ねられるわけです。
「努力」と言われると身構えてしまいますが、気合とか意志の強さとか関係ないんですよね。
もちろん、体調が悪かったり気分が塞いでいるときには実行できないことも多いのですが、ある程度の気力があって「やってみよう」と思えるときなら、きっと効果を感じられるはずです。
いいなと思うところがあったら、ぜひ参考にしてみてください。
<参考書籍>
冨田和成 (2016)『鬼速PDCA』クロスメディア・パブリッシング (インプレス)
岡村拓朗 (2017)『自分を劇的に成長させる!PDCAノート』フォレスト出版
・・・・・
『鬼速PDCA』では、プランの立て方だけでなく、計画を実行したあとの評価・調整のやり方もかなり詳しく丁寧に解説されています。
具体例も挙げられているので、ゴールを考えるときにも参考になります。
優秀なビジネスマン向けっぽい内容なので、庶民の私からすると「レベルが違う~」感はありますが、日常生活の課題にも応用できます。
興味がある方はぜひ。面倒くさいけど効果大・キッチリかっちり系ライフハックが好きな人には、かなりおすすめです。
初心者の方には↓こちら『自分を劇的に成長させる!PDCAノート』が入りやすいです。ノートの作り方が詳しく紹介されているので、すぐに実践できます。わかりやすく、やさしいPDCA解説本です。
※直接書き込む式のノートではありません。
【不安・緊張・恐怖シリーズ】