出口のない暗闇の中で「希望の光」を探すコツ ― 記録しよう!

地球儀と古書

「うつ病治療を続けているのに、症状がなかなか良くならない」
「気分が落ち込みっぱなしで、何年もつらい毎日が続いてる」

そんな日々を過ごしていると、絶望的な気分になります。希望が見えず、生きる気力も失ってしまいます。

「それでも何とか突破口を見つけたい!」

苦しみを一瞬で消し去ることはできませんが、解決の糸口を探すためにできることはあります。

今日は、私が療養生活中に実践した記録のつけ方をご紹介します。とても簡単な方法なので、どうしたらいいかわからず行き詰まっている人は、ぜひ試してみてください。

出口が見えない……この苦痛はいつまで続くの?

体がダルい。気分が落ち込む。何もする気になれない。

「このままじゃいけない!」

思い通りに動かない心と体に鞭打って、以前の生活を取り戻そうと頑張ります。

「でも、やっぱりできない」
「なんで、こんなこともできないの?」

焦れば焦るほど泥沼にハマります。どんなに頑張っても、考え方を変えようとしても、苦しみはなくなりません。

思えば、療養を始めてからずっとこんな調子。一時は「よくなったかな?」と思ったけど、結局ダメ。何年も治療を続けているのに、笑えた日なんか一度もない。

……あぁ、つらい。「なんとかしなきゃ!」という気持ちはあるし、もっと頑張りたい。

自分としては力を振り絞ってやっているんだけど、傍から見たらただ怠けているようにしか見えないだろうし。そう思ったら、情けなくて、悔しくて、やりきれなくて……。

なんでこんな病気になってしまったんだろう。うつが憎い! 自分が大嫌い!

……ほんと、苦しい。

努力よりも精神論よりも大切なライフログ

うつ病でよく見られる症状に「日内変動」というものがあります。

これは、朝は調子が悪いんだけど、夕方にかけてちょっとずつましになってくる、というもの。

このように、人間にはバイオリズムがあります。寄せては返す波のように。

例えば、お腹が痛くなったときもそう。波がありますよね。「あぁーーーヤバいヤバいヤバい!」という状態で、「もう絶体絶命、大ピンチ!」と思ったら、ちょっと治まってきて、「あ、今セーフ。絶頂越えた。何とか漏れずにすみそう」みたいな。

このように、絶望的な状態・痛みがずっと続くわけではないと知っておくだけでも、気持ちは違います。

というわけで、気分の波、バイオリズムを把握するために、記録をつけましょう。

日記を書く気力がないとき、私はA4書類の裏側に線を引いて、気分・喜びを1~10で記録していました。

10段階評価のイメージ

数値にすることで、変化を見つけやすくなります。無気力なときでも、数字を書くだけならできそうですよね。

「いい感じ」「楽しい・嬉しい」が果てしなく遠く思えるときは、段階の刻みをもっと細かくします。

100点満点、さらに細かく1000点満点で評価すると、より切実な気持ちを表現できるのでいいですね。「1000点満点中3点の私はこんなにつらいのよ」みたいな感じで。

ここで大切なのは客観的に振り返ることなので、数字はだいたいでOKです。なんとな~く、ふわふわ~っといきましょう。

でも、頭がボーっとしているときは、それさえもわからなくなるんですよね。そういうときは、カウントできるデータを集めます。

例えば、

  • その日泣いた回数
  • 涙を流した時間
  • 使ったティッシュの枚数
  • 起きていた時間
  • 食事の回数
  • トイレに行った回数
  • 外の空気を吸った時間

何でもいいです。個数や回数をカウントできるものを探しましょう。

記録の例

現在地がわかれば、何らかの対策が打てます。「今はまだ休んだ方がいいな」とか「外に出たら気分が少し変わりそうだな」とか。

ほんの些細な変化に気づけば苦しみも軽減される

こうやって日々の記録をつけていくと、必ず変化があることに気づきます。苦しみでいっぱいの毎日でも、まったく同じ日はありません。

うつ症状がひどいときには、悪いところばかりに目がいってしまいますが、一つくらいはましになっていることがあるはず。

「私はこんなにダメだ」「あれもこれもできてない」と思ったら、その気持ちも書き加えておきましょう。それはつまり、「もっと良くなりたい」「これができるようになりたい」という希望ですものね。素晴らしいことです。

できれば、家族や周りの人と一緒に振り返ってみることをおすすめします。自分だけだとどうしても悪い方向に行ってしまいがちなので、客観的に見てくれる人と一緒に。そうすると、問題解決の糸口を見つけやすいと思います。

病院によっては、日々の記録を医師と一緒に見ていく、というやり方で治療を進めているところもあるようです。

これはぜひぜひ取り入れるべし! ですね。

「もうどうしようもない!」とパニックに陥っているときには、解決のヒントが見えなくなってしまいます。これは私だけじゃないはず。つらくて苦しくて痛くて涙が止まらないときに、冷静になれるわけがありません。

決してあなたが悪いわけではないので、自分を責める代わりに、その事実を記録しておきましょう。それを積み重ねていけば、必ず何かしらの答えが出ます。

荒れ狂う大海原。幻の秘宝を手に入れるため、冒険の旅が今始まる……。

「海賊王におれはなる!」

的な感じで航海日誌をつけてみてください。

それでは、いざ出航~!

一寸法師

さぶ~ん。

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2 COMMENTS

するめ

はじめまして。

最近たどり着き、ちょくちょく覗かせてもらっています。
不安障害からうつ状態になり、最近仕事も退職した身です。ちなみに母子家庭です。

ナミさんの文章、なんか好きです。
引き込まれます。
更新、楽しみにしています。

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ナミ

するめさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
そう言っていただけるととても嬉しいです。

病気のこと、仕事のこと、生活のこと。日々いろいろなことがありますよね。このブログでは、不安や緊張で怖くなったときに少しでも肩の力が抜けるようなことを書いていけたらいいなぁと思っています。

するめさんのまたのお越しを心よりお待ちしております。

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