心の病気を治すためには、「休養」が必須と言われます。
「うつ病治療の基本は休むことです」
「心身をゆっくり休めてくださいね」
そんな主治医の指導に従って、自宅療養を続けているけれど、なかなか思うようにいかない。心は沈むばかりで、休養の意味がないように感じる。
そんなとき、どうしたらいいのでしょうか?
今日は、ずっと休んでいるのに気が休まらない理由と、適切な休み方について考えます。
このページに挙げた方法を試してみることで、少しは心を軽くすることができるのではないかなと思います。
休んでいるのにつらい理由
休んでいるにもかかわらず、不快な状態が続くのはなぜでしょうか? 私が思いつくのは、次の2つの理由です。
1. 病気の症状
健康を損なった状態で日々を過ごすのは、とてもつらいものです。
痛み、倦怠感、動悸、息苦しさ、喉の渇き、便秘などによって生じる不快感。
これらの症状は、薬で和らげることができるかもしれません。あるいは、薬の副作用であれば、処方を変更する必要があるかもしれません。困っている症状について主治医に相談してみましょう。
2. 心が休まっていない
休んでいるのにつらいと感じるのは、気がかりな悩みやストレスがあるからではないでしょうか?
心と体は一体なので、体を休めることで、心の疲れも癒すことができます。 しかし、いくら体を横たえて休んでも、ベッドの上で「私はダメな奴だ」と自分を責めていては、心はちっとも休まりません。
精神科医が言う「休む」は、心をラクにすることを意味します。心をラクにするためには、緊張をといて、のんびりした気分で過ごすことが大切です。
リラックスを妨げるのは、例えば次のようなもの。
- 不安
- 焦り
- 恐怖
- 緊張
- 罪悪感
- 周囲の無理解
- 環境
つらい症状を抱えながら、問題を改善していくのは大変なことです。まずは、現状を把握して、無理ない範囲で少しずつ進んでいきましょう。
関連ページをこちらにまとめました。
心をゆっくり休めるために
ガチガチ思考を和らげる3つの対処法
「このままじゃいけない」という意識が強い人は、しっかりとした行動規範を持っている人なのかもしれません。道徳心や向上心が強いとも言えます。それは、とても素晴らしいことです。
ただし、その考えが自分を縛っているのだとしたら、力加減を調整しなければいけません。その際、役立つのが次の3つの方法です。
1) 感情と事実を区別する
悲観的な感情に支配されると、世界から色が失われます。そんなときは、感情と事実を切り分けて、灰色世界を俯瞰しましょう。
例えば、こんな言葉をつけ加えます。
「自分は役立たずのダメ人間」
+ と私は思っている
「私は何をやっても失敗する」
+ としか思えないほど落ち込んでいる
「死にたい」
+ と病気が言わせている
2) すべき思考を変換
「早く病気を治さなければ」
「ちゃんとしなくちゃ」
こんなふうに自分を急かしてはいないでしょうか。「~しなければ」「~すべき」という思考は、あまり優しくありません。緊張の糸を緩めるためには、次の言葉に言い換えましょう。
「~できたらいいな」
「~にこしたことはない」
「~なら素晴らしい」
【参考】警告!ネバネバ・ベキベキ思考を止めなければ苦しみからは解放されません
3) ネガティブ思考をマイルドに
嫌な気分は、注目すればするほど大きくなっていきます。悪い考えのループにはまる前に、高ぶった感情を落ち着かせましょう。その際、役立つのがダブルカラム法です。
- 紙の真ん中に一本線を引く
- 左側に好ましくない考えを書く
- 右側に合理的な考えを書く
「心地よい」を探そう
緊張をといて、のんびりした気分で過ごすためには、自分が「心地よい」と感じることが大切です。
これまで趣味にしていたこと、好きなこと、喜びを感じられること。
何でもいいので、自分にとっての「心地よい」を探しましょう。
抑うつ状態にあると、一切の興味を失って、何をやっても楽しめないことがあります。それでも、少しでも心身がラクになるモノ・コトを探すことは回復に役立ちます。
「心地よい」は人それぞれなので、すぐには納得のいく答えが見つからないかもしれません。あるいは、痛みや苦しみの中で「心地よい時間を過ごそう」と言われても、腹立たしいだけかもしれません。
それでも、少しでも心身のつらさがましになる方法を模索することは、決してマイナスにはならないはずです。
「のんびり」「ゆるゆる」「気楽に」を合言葉にすれば、少しは緊張もほぐれるのではないでしょうか。
「心地よい」の見つけ方 & おすすめリラックス法
自分にとっての「心地よい」がピンとこないときには、思いつくものを試してみましょう。
- 今まで好きだったこと・趣味
- 子供の頃に熱中していたこと
- 今パッと頭に浮かんだこと
私のおすすめも挙げておきます。気になるものがあれば、試してみてください。関連ページも載せておきます。
散歩 | 散歩に幸せを見い出した人が語る心地好い散歩の仕方 |
---|---|
早寝早起き | たった3日で効果を実感!体調を整える基本ルール(※個人差があります) |
日向ぼっこ | 抗うつ効果を高めるお手軽習慣 ― 冬季うつ病に効く光療法 |
お風呂にゆっくりつかる | 入浴するとスーッと眠れる!寒い冬に寝つきを良くする方法 |
動物とふれあう | アニマルセラピーの効果 ― 動物が私たちに与えてくれるもの |
草木や花を愛でる | 乾いた心に潤いを。枯れにくい観葉植物ランキング |
空を眺める | 私のトゲトゲした心を柔らかく穏やかにしてくれるもの |
好きな音楽を聴く | 「音楽」カテゴリ |
瞑想 | 心と体に休息を与えよう!ネガティブ思考を和らげる瞑想のすすめ |
心の休め方、リラックスできる瞬間は人それぞれ。正解はありません。
例えば、穏やかなクラシック音楽を聴くことで癒される人は多いようですが、へヴィメタルを聴くことで気分がスカッとして最高! という人もいるようです。ですので、ここに挙げたものはあくまでも参考として。とは言え、神経を興奮させるものに長時間触れていると疲れてしまうので、ほどほどに。
【関連】「 療養中の過ごし方 」一覧
まとめ
ずっと休んでいるのにつらいのは、心が休まっていないからかもしれません。
- 気がかりな悩みを整理する
- ストレスフルな環境を調整する
そうすることで、リラックスする時間を取り入れる余裕ができるのではないかと思います。
すべての悩みをキレイさっぱり解決することは難しいので、ある程度の妥協も必要です。
モヤモヤしたままの状態で過ごすのは気持ちよくありませんが、その他の余白に「心地よい」や「好き」を注いで、少しでも心身を良い状態に持っていきましょう。
「人事を尽くして天命を待つ」
「果報は寝て待て」
(今の自分にできることをやって、のんびり待つ)
そんな休み方はいかがでしょうか?
いつも勇気もらってます。
6年ぶりに看護師にもどろうとしてまたうつになりました。
働かなきゃなのに、働きたいのに、頭がいうことを聞かないです。
怠けてるだけです。
娘達を楽にさせたいのに、働けない。はやくバリバリ働きたい。
そうだなぁと思って読ませていただいています。今、かつての友達と縁を切って、心優しい友達と、昔好きだった自然や動物達との触れ合いを大切にしています。とはいえ、鬱で金魚のえさやりもままなりませんが、、。1日1日、自分の居心地のよい状態を探しています。
たまたまここに行き着きました。すごく、すごく気持ちをわかってもらえる人がいたと涙してます。
夫と別居していて、実母からのうつ病への理解は得られず、毎日孤独でした。他にも私のような同じ思いの方がいるのだと知りました。寂しい、辛いなんて通りこしてます。まだ底があるのかと毎日絶望感でいっぱいです。早く元に戻りたいです。
はじめまして。
今日は楽しいことがあったのに、家に帰ってきたらわけもなく涙が出そうになり、グッとこらえました。
何気なくスマホで「わけもなく涙が出そうになる時」と検索してみたらこちらにたどり着きました。
私は13年前から鬱とパニック障害を患っています。
大学卒業してから新卒で働けなかったことを悔いています。
早く社会に出ていかなくちゃと焦って仕方がありません。
そんな時、こちらの記事を読んで、今までの私の休養は全く休養になっていなかったことがわかりました。
気づかせて頂き、本当にありがとうございます。
他にも記事を読ませていただきましたが、なんだかホッとしました。
また遊びに来ます!
はじめまして私は母、独りっ子でした、13年前母を亡くし、今、また、主人が、老人ホームへ、今は、愛建都、二人、寂しくて、また、うつ病が、再発して、毎日が、苦しいです、早く、元気なりたい。
鬱歴6年、入退院3回、今、現在
酷い鬱に悩まされてます。毎日、朝が来るのと夜が来るのが怖くてたまりません