気分の落ち込みがひどい。
漠然とした不安と焦りに支配されている。
体が鉛のように重く、何もする気になれない。
今まで好きだったことに一切興味を持てないし、楽しめない。
わけもなく泣けてくる。
死ぬことばかり考える。
・・・・・・
そんな状況で、毎日生きていかなければならないのは、すごく苦しいですよね。
そこで今日は、精神的につらくなったときに役立つ気分回復法をご紹介します。
うつ病回復期の人を想定して書いていますが、病的な症状だけでなく、ちょっとした不調でも使えます。
イメージ的には、
「痛みにすぐ効く!」とは言えないけど、お腹が痛くて「ヤバいヤバいもう漏れる!! あ゙ぢょっど出だ(泣)」的な状態を「う、うん……トイレまで何とか我慢できそう、ゔぅ」ぐらいに抑えることはできるかな?
といったところです。
よかったら、試してみてください。
「不調かな?と思ったら」
突然ですが、質問です。
家の洗濯機が動かなくなったら、あなたはどうしますか?
- ガコンガコンと変な音がした
- 「ピーピーピー」とブザー音が鳴っている
- ボタンを押しても反応しない
さぁ、どうしよう。
私なら、ここで取扱説明書を引っぱり出してきます。
家電製品の取扱説明書には、ページの後ろの方に「故障かな?と思ったら」というページがありますよね。
それを見ながら、状況を理解し、対策を打ちます。
自分で解決できない故障だとわかれば、修理を依頼することになるでしょう。
はい。これがイヤな気分から早く抜け出すためのヒントです。
すなわち、「私」のヘルプページをあらかじめ作成し、不調に見舞われたとき、参考にしようという算段です。
「私の取扱説明書」の作り方
というわけで、さっそく「私の取扱説明書」を作ってみましょう。
一般的な説明書にはさまざまな項目がありますが、ここでは、トラブルシューティングをメインに考えていきます。
最悪な状態からいち早く脱するための対策です。
- 不調のサイン
- 調子が落ちたときの基本的な対処法
- もうダメだ!と思ったら
- 周りの人に協力してほしいこと(接し方、対応)
不調のサイン
まずは、状態を把握することが必要です。
調子が悪くなるとどうなるのか、今自覚している症状を書き出してみてください。
あなたは調子が悪くなるとどうなりますか?
・訴えないとわかりにくい症状
・周囲の人が見てわかる症状
・気分の変化
・突発的な症状
・持続する痛み・不快感
などなど、気になる症状を書き出しておきましょう。
上記の症状以外にも、食欲不振・過食、多弁、パニック発作、自傷行為など、人それぞれのサインがあると思います。
現時点で思いつかないときは、これからの生活で気になる症状が出たとき、それを書き留めておきましょう。
記録することさえ難しいときは、家族や周囲の人にお願いするのも一つです。とりあえずのメモなら、スマホの音声入力も便利ですね。
調子が落ちたときの基本的な対処法
自分の状態がどれくらいの危険度か把握できたら、次にどう対処するかが問題です。
これまでの生活をふり返って、何か効果的な方法はなかったか思い出してみましょう。
気分が落ち込んだとき、あなたはどうやってその時間をやりすごしてきたでしょうか?
どんなことをすれば、気持ちをうまく切り替えることができそうですか?
思うようにいかないと「どうしたらいいの!?」と焦ってしまいますが、追い込まれているときは一旦停止することが何より重要だったりします。
「これくらいで休んじゃダメ」なんてことはありません。
故障した機械を使い続けて発火した、なんてことになっては、パフォーマンスも何もないですもんね。
定期的なメンテナンスはとっても大切。
人間の場合は「休養」が多くの不調に有効な対処法です。
もうダメだ!と思ったら
基本的な対処法を試しても落ち着かない場合は、症状に合わせた対応が必要かもしれません。
あらかじめ、自分が陥りがちな「イヤな気分」をピックアップして、対処法を考えておきましょう。
ここでは例として、うつ病の人が悩まされることの多い6つの不快な感情を選びました。
- ゆううつ(気分の落ち込み、体が重い、心が沈む、元気がない、虚無感)
- 不安・焦燥(イライラ、落ち着かない)
- 無気力・おっくう感(何もやりたくない、根気が続かない、無気力、疲労感、倦怠感)
- 意欲・興味・関心がない(楽しめない、好きなことでもやりたくない、何も興味が持てない)
- 無性に泣けてくる(自信喪失、劣等感、自責感、無価値感)
- 死について考える(希死念慮、自殺企図)
これらの不快な気分に支配されたらどうするか?
思いつく対処法を書き出していきます。
どんなささいなことでもいいので、思いついた方法はすべて書き出しておきましょう。
そして、イヤな気分に支配されたら、書き出したメモを引っぱり出してきて、できそうなことを試していきます。
ちょっとでも効果があれば、成功! よかったね!
効果のあった対処法は目立つようにマーカーでも引いておきましょう。
もし効果がなかったとしても、別の機会に役に立つことがあるかもしれないので、リストに残しておいても損はないと思います。
周りの人に協力してほしいこと(接し方、対応)
場合によっては、周囲に助けを求めることも必要です。
あらかじめ、調子が悪くなったら何をどうしてほしいか、まとめておきましょう。
助けを求めるときには、
・してもらいこと(希望)
・なぜそれが必要なのか(理由)
を伝えると、相手も対応しやすくなります。
「ちょっと今、混乱しているので、少し時間をもらってもいいですか?」
「うつ症状が強くなると、何をどうしたらいいかわからなくなるので、○○してもらえると助かります」
可能であれば、上記のリストを周囲の人に渡しておくと、「どう接したらいいのかな?」と迷ったとき参考にしてもらえると思います。
【関連】もう無理だと思ったら?助けを求めるときに使えるフレーズ6種
最後に:イヤな気分から早く抜け出すコツ
感情のコントロールは難しく、精神的に追い込まれると参ってしまいますよね。
もうすべてが嫌になって、考えることさえも、生きることさえも放棄したくなる……。
そんなときこそ、「私の取扱説明書」が役立つはずです。あらかじめ書き出しておいた対処法を実行する、そのワンアクションが気持ちを切り替えるきっかけになります。
もちろん、うつ状態の不安定な心は、家電と違い、説明書通りに取り扱えないことばかりです。
今こうして「トリセツを作ろう」と提案している私自身も、うつ状態だったときには、諦め or うんざりモードが常でした。不快な気分やネガティブな考えがキレイさっぱり消えたことはなし。ダメなときは何をやってもダメなんですよね。
でも、だからといって、気分に流されるままでは何も変わらず、苦しみは続きます。
最初はなかなか効果のある答えが思いつかないかもしれません。それでも、いろいろなアイデアを出し、試行錯誤をくり返せば、きっと自分に合った解決法が見つかるはずです。
たとえ効果は少なかったとしても、何もしないよりはまし。イヤ~な気分が少しでも和らいだら御の字、くらいに思って。
「私の取扱説明書」を、自分自身を大切にするための手引き書にできたら最高ですね。
おさらい:「私の取扱説明書」の項目と例
いろいろ説明を加えたらゴチャゴチャしてしまったので、最後にトリセツ的な部分をまとめておきます。
不調のときは、考えたり紙に書き出したりするのも大変だと思うので、できる範囲でOKです。
というより、完璧にやろうとしちゃダメですね。
「コレよさそうかな?」と思うものを一つ試してみる。そんな感じののんびりペースでいきましょう。
調子が悪くなるとどんな症状があらわれるのか?
パフォーマンスが落ちたときの基本的な対処法
もうダメだ!と思ったら ― 気分別の対処法
助けを求めるときのカンペ
このページで挙げた対処法の多くは、これまでにもブログに何度か書いています。
サイトを見やすく整理する予定と言いながら全然できていないので、スムーズにご案内することができないのですが(ごめんなさい)、とりあえず、関連カテゴリをご紹介しておきます。
けっこうな投稿数になっているので、きっと一つや二つはお役立ていただける方法があるのではないかな~と思います(だからそれを探すのが大変って話だよすみません)。
アドレスバーに調べたいキーワードと「site:サイトURL」を入力して検索すると、サイト内のそれっぽいエントリが出てくるので、よかったら試してみてください。
例)
「不安 site:sukkiri-blog.com」
「つらい site:sukkiri-blog.com」
あと、このブログを一番下までスクロールすると、気分や悩み別のタグがあります。
(↓こんなん)
気になるワードをタップすると、それっぽいページにたどり着ける可能性が高まりますので、よろしければご利用ください(パソコンでご覧いただいている方は、サイドバーの下の方です)。
<参考サイト>
・ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト – 厚生労働省
・うつ病ミニガイド – 千葉県
調子悪いときにはいつもナミさんのブログを見に来てしまいます。わたしは16才の頃から心の不調を感じています。自分の取説かぁ〜。凄い不安になるとき…その時の状態とどうすれば気持ちが楽になるか書き出してみようと思います。いつも優しく、ほっこりするナミさんのブログ大好きです。そして勉強になります。ありがとうございます。また来ますね。
ナミさん、このブログを支えにしている皆さんへ
以前、どうしようもなく辛いことがあったときに、ナミさんのブログにたどり着きました。そして、今また同じように辛いことがおきています。大事な人、大事なことが手からポロポロと溢れ落ちていきます。でも、私にはどうしようもないんです。
またナミさんのブログに戻ってきました。明日から、少しづつ少しづつまた生きることを続けていきます。