「精神科ってちょっと怖い」
「何をするのかわからないし不安」
そんなイメージを持っていませんか?
精神科や心療内科は、決して特別なところではありません。内科、眼科、皮膚科などの身体科と同じように、不安な症状を相談できます。
このページでは、初めて病院にかかるときの流れをまとめています。予約方法や診察料金の目安なども紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
もくじ
受診の流れ(初めての診察)
■予約(電話・ウェブ予約)
病院のサイトで診療時間や治療内容などをチェックしておきましょう。
■病院へ
余裕をもって予約時間の5分前までには到着できるようにしましょう。病院によっては「○分前に来てください」と指定される場合もあります。
■受付
受付で健康保険証を出します。呼ばれるまで待合室で待ちましょう。
■問診票を記入
受付で渡された問診票に記入します。問診票をあらかじめ自宅で記入して提出する病院もあります。詳しくは病院のサイトを確認してみてください(ダウンロードページが用意されています)。
よく聞かれる質問は「初診ではどんなことを聞かれるの?」にまとめています。
■予診
病院によっては、診察の前に予診をします。予診とは、主治医とは別の医師や医療スタッフなどによる簡単な問診です。
■検査
症状によっては、問診の前後に検査を行う場合もあります(心理検査・血液検査など)。詳しくは「どんな検査をするの?」にまとめています。
■診察
問診票をもとに医師が質問をします。初診の診察時間は30分~1時間程度。あまり難しく考えず、素直な気持ちを話しましょう。
■お会計・次回予約
診療費を支払い、次回診察の予約をします。
■薬の受け取り
薬の処方がある場合は、薬を受け取ります。院外処方の場合は、受付でもらった処方箋を持って、近くの調剤薬局へ。
薬をもらうときに確認しておきたいこと
- 自分の症状に合った薬か
- 薬の飲み方
- 薬の形態、名称、個数のチェック
- 副作用(車の運転への影響など)
- 他の薬との飲み合わせ
- 食事との食べ合わせ
- 飲み忘れてしまった場合の対処法
その他、気になったことがあれば、聞いておきましょう。
精神科クリニックの雰囲気は、UTU-NETの「バーチャル精神科」がわかりやすいです。初診の流れがアニメーションで説明されています(スマホ未対応&FLASH Playerが必要ですが)。
精神科・心療内科の予約方法
精神科は、予約制の病院がほとんどです。あらかじめ電話で予約しておきましょう。最近は、ウェブ予約できるところも増えています。
予約時に伝えること
- 希望日と時間帯
- 今困っている症状(不眠が続いている、うつっぽいなど)
1週間~2週間待たされることはざらにあるので、早めの予約を。
中には1か月待ちのクリニックもあるそうですが、「人気の病院=治療がうまい」とは限りません。
待っている間に症状が悪化してしまうといけないので、よほどの理由がなければ、他のクリニックを当たってみるのがよいと思います。
気になることは、電話で予約するときに確認しておきましょう。
予約時に確認しておくと安心
- 主治医制ですか?
- 初診担当ドクターは誰ですか?
- 時間通りに診てもらえるのですか?結構待つ可能性がありますか?
- 初診時に必要な費用は?
- 紹介状は必要ですか?
(『失敗しない“心のお医者さん”の選び方・かかり方』pp.68-71)
初診を充実させるポイント3つ
1. 治療方針をしっかり聞いておく
今後の治療方針や薬の使用目的について、できるだけ詳しく聞いておきましょう。
初診では、診断名がつかないこともあります。「とりあえず様子を見ましょう」と言われたときは、何に気をつけたらいいか具体的な注意点を要確認。
精神科の診察は、医師との信頼関係、双方向のコミュニケーションが大切です。
診断、薬の副作用、症状が悪化したときの対応など、わからないことは遠慮せず質問しましょう。
2. 誰かにつきそってもらうと安心
体調が悪いときに、説明を聞いたり質問したりするのは大変です。不安や焦りでうまく話せないこともあります。
できれば、家族や親しい人(友人、職場の人など)に付き添ってもらいましょう。
客観的な状況説明があると、適切な診断の助けになります。
3. 困っている症状をまとめたメモを用意しておく
あらかじめメモを作成しておくとスムーズに話を進められます。
- 今困っていること
- 症状の頻度や程度
- 治療について聞きたいこと
など、箇条書きにするとわかりやすいです。
時間は限られているので、できるだけ簡単にまとめましょう。
書き方の例は「初診ではどんなことを聞かれるの?」で紹介しています。
【Q&A】気になる疑問や不安
Q. 初診にかかる時間は?
診察時間は、だいたい30~60分程度。
大学病院では長くなる傾向があるようです(研修医や学生、臨床心理士などへの教育の意味もあり)。
初診は、今後の治療方針を決める一番重要な診察。診察時間があまりにも短い場合は、注意した方がいいかもしれません(再診は5~10分になることも多いです)。
Q. 費用はいくらくらい?
金額は、処方される薬や検査によります。電話予約時におおよそ金額を確認してみましょう。
医療費の目安(3割負担の場合) うつ病で診察を受けた場合 |
|
---|---|
初診 | 3,000円前後(診察代+薬代) 検査を受けるともう少し高くなります(~8,000円くらい?) |
再診 (2回目以降) |
1,400~3,000円程度 |
ちなみに、私が今の病院に初めてかかった日の料金は6,000円弱+薬代でした。領収書を見るに、いろいろな検査をした模様(調子が最悪のときだったので記憶がちょっと曖昧です……)。
Q. 初診時の持ち物は?
- 健康保険証 ★必須
- お薬手帳
- 紹介状
- 症状、病歴に関するメモ
必ず必要なのは健康保険証。
お薬手帳、紹介状がある場合は、一緒に持っていきましょう。
メモの内容は「初診ではどんなことを聞かれるの?」を参考にしてみてください。
Q. 紹介状は必要?
はじめて精神科クリニックにかかる場合、紹介状はなくても大丈夫です。
ただし、大学病院にかかるときは紹介状が必要です。保健医療機関の紹介状であれば、どの診療科でも大丈夫です(内科、皮膚科、耳鼻科、眼科、歯科、どこでもOK)。
「うつで○○大学病院で診てもらいたいので紹介状をお願いできませんか」とお願いしましょう。
Q. 診察時の服装は?
リラックスしやすい服装で行きましょう。
血液検査などに備えて、脱ぎ着しやすい服がラクです(ワンピースよりは上下別、前ボタンの服など)。
大きい病院だと、脳波などの検査をすることもあるので、ヘアスプレーなどはつけないでおくのがよさそうです。
Q. 会社の人にバレたら嫌だな……
病院や保険組合には守秘義務があります。保険証を使っても、精神科を受診したことを職場に知られることはないので安心してください。
病院によっては、プライバシーに配慮して、名前ではなく番号で呼ぶところもあります。
精神科通院に抵抗がある人は、こういった病院のポリシーもチェックしておきましょう。
- 受診の目安・タイミング
- 診察の流れ、精神科の雰囲気は?
- 診察でうまく話せるか不安…
- 初診ではどんな検査をするの?
- うつ病の治療法は?
- うつ病の治療期間はどれくらい?
- 精神科の薬を飲んでも大丈夫?
<参考書籍>
井原裕 (2015)『うつの8割に薬は無意味』朝日新聞出版社
尾崎紀夫総監修 (2016)『よくわかるうつ病 診断と治療、周囲の接し方・支え方』NHK出版
桑崎彰嗣監修 (2008)『家族が「うつ」かもしれない、と思ったら』オレンジページ
野村総一郎 (2016)『うつ病のことが正しくわかる本』西東社
Tomy (2015)『失敗しない“心のお医者さん”の選び方 かかり方―現役医師が教えます!』主婦の友社
<参考サイト>
UTU-NET(うつネット)うつ病、パニック障害、強迫性障害(OCD)情報サイト
「うつ」生活お役立ち情報|シリーズ1-医療費は?保険証は?医療控除の方法は?(http://www.utu-net.com/utuinfo/01/01.html)
その他、各病院サイト