メンタル系の病気を診てもらえるのは、主に精神科と心療内科。
でも、いざ受診するとなると、どちらを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
このページでは、心の病気を扱う診療科の違いをまとめます。
「精神科と心療内科の違いは何?」
「心療内科はうつ病の専門ではないの?」
「こういう症状のときは何科に行けばいいの?」
そんな疑問をお持ちの方は、参考にしてみてください。
もくじ
うつ病で受診するなら、精神科でも心療内科でもOK
うつ病を専門とするのは精神科です。ただ、「精神科」に抵抗を感じる人が多いため「心療内科」「メンタルヘルス科」を掲げる病院もあります。
精神科、心療内科、どちらも心の不調が原因の病気を扱っています。
基本的には、気分の変調が気になるときは精神科、体の症状が気になるときは心療内科で診てもらいましょう。
まずは、内科のかかりつけ医に、体の異常がないか診てもらうのもOKです。
精神科、神経科、心療内科、神経内科、違いは何?
心療内科と精神科の他にも似たような名前の科があります。
ちょっと紛らわしいですが、簡単に整理しておきましょう。
<診療科と主な対象>
■精神科(神経科・精神神経科)
・心(脳)の病気を扱う科
・現状は「神経科=精神科」の場合がほとんど
扱う病気:うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、パーソナリティ障害、社交不安障害、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、不眠症、認知症、発達障害など
■心療内科
・主に心身症(心理的な影響による体の病気)を扱う
・精神科医が「心療内科」と名乗ることも多い
扱う病気:気管支ぜんそく、狭心症、高血圧、胃潰瘍、過敏性腸症候群、糖尿病など
■神経内科
・脳、脊髄、末梢神経などの障害を内科的に扱う
・心の病気は扱わない
扱う病気:頭痛、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、パーキンソン病など神経系の病気
この他に、「メンタルヘルス科」「こころの診療科」などの名前を使っているところもあります。
よくわからないときは電話で問い合わせるか、病院のサイトを確認してみましょう。
※「外科、整形外科、心療内科」など、“おまけ的に”心療内科や精神科を名乗っているクリニックは、専門医でない可能性があるので要注意
自分に合った診療科はどこ?
こんなときは精神科へ
- 落ち込みが強いが、気分が高ぶることもある(過去に気分がハイになったことがある)
- 「死にたい」と口にしたり、自殺しようとしたりする
- 突然態度が豹変し、他人を攻撃したり、自分を傷つけたりする
- 幻聴や幻覚など、実際にはないものが見えたり聞こえたりする
こんなときは心療内科へ
- ストレスによる体調不良(便秘、下痢、不眠、食欲不振、動悸、めまい、胃潰瘍など)がつらい
- 明らかに身体症状があるのに、他の身体科では異常がないと言われた
こんなときはかかりつけの内科へ
- 体がだるく、頭が重い
- いつまでも疲れがとれない
- 食欲も湧かず、不眠が続いている
→ ここで体の不調が見つからなければ、うつ病の疑いあり。
まとめ
- うつ病は精神科でも心療内科でもOK
- 精神科は心の症状、心療内科は体の症状を扱う科
心療内科と精神科の区別はあいまいなところもあるので、病院のサイトで診療内容や医師のプロフィールなどを確認してみてください。
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<参考書籍>
貝谷久宣 (2006)『社会不安障害のすべてがわかる本』 講談社
野村総一郎 (2016)『うつ病のことが正しくわかる本』西東社
吉野聡 松崎一葉 (2009)『現役 精神科産業医が教える 「うつ」からの職場復帰のポイント』秀和システム
<参考サイト>
医療機関の探し方、選び方|みんなのメンタルヘルス – 厚生労働省
こころの病気を知る|みんなのメンタルヘルス – 厚生労働省
ストレス軽減ノウハウ|こころの耳 – 厚生労働省