書き出しの一文に共感/『のっけから失礼します』感想

「書くことが、ない!」

そんな書き出しから始まるエッセイを読みました。

作家・三浦しをんさんのエッセイです。

生きていれば何かしらは行っているわけだから、絶対にないわけはないんだけれど、「書くほどのことはない」という意味では、本当に「書くことが、ない!」。

「書くことがない。」ではなく、「書くことが、ない!」。

ほんと「ない!」としか言いようがない。

断言できる。

手を机に叩きつけてバッと立ち上がるような勢い。

完全に行き詰まった瞬間からの開放。

だから、清々しくて気持ちいいな!と感心したのです。

しかもこのエッセイのタイトルは「ありがとう地球!」ですしね、規模デカなタイトルからの「書くことが、ない!」。実に愉快です。ほんとにこれめちゃくちゃいい。

 

と書きたいことを一通り書き終えた今。

書くことが、ない!

今日書きたいことはもうなくなった!

でも、もうちょっと何か書きたい。

あ、エッセイ集の感想を書けばいいのか。

読んだのは『のっけから失礼します』です。

雑誌『BAILA』で連載されたエッセイ5年分と書き下ろしが収録されています。

面白かったです。しをんさんのエッセイ読むと元気をもらえますね。

が、ちょこちょこと時間をかけて読んでいたからか、内容を忘れてしまった部分が多々……やっぱり感想文はホットなうちに書かなくちゃいけないってことですね。

ってそう! しをんさんのエッセイってホットなんですよね。

いろんなものを観て聴いて、その素晴らしさを語る。熱量がすごい。こちらまでその対象にふれたくなってくる。

全然興味なかったはずなのに、今やものすごく気になってしまっている。

人をその気にさせる文章。そんな物書き。すごくない?!

そんなふうに文章を書けるのってすごいことだ。本当に。

 

と、書くことがなかったはずなのに、気づいたら何かしらを書いている。

書けば何かを書けるものなのだなぁ。

書くほどのことはなくても、言葉を並べることはできる。

実に不思議。

書くことがなくなってからが本番です。

 

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