「将来の不安、お金の不安、私はこのままでいいのだろうか」
「八方塞がりの日々、この先の人生の展望がない……」
「だからといって、どうすればいいのかもわからない」
こんな漠然とした不安に押し潰されそうになることはありませんか?
こういうのって考えれば考えるほど追い込まれて苦しくなるし、焦りも強まって、うわぁぁーーーーーとなりますよね。
人それぞれ直面している問題も違うので、具体的な解決策を提示することは難しいのですが、気持ちを落ち着かせるとりあえずの対処として、今日はちょっと楽しいアドバイスを紹介します。
みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答するWeb連載。この中から、特に私がいいなと思った回答をピックアップしました。
自分になじみのある方向でまとめているので、内容に偏りがありますが、どのような立場にあっても応用できる内容だと思います。
みうらじゅんさんの回答は(MJ)、辛酸なめ子さんの回答は(なめちゃん)と表記しています。
お悩み回答8連発
Q.将来が見えず、不安です
A.「不安タスティック」と明るく言ってみましょう(MJ)
「ファンタスティック」に「不安」を当てたみうら用語。置き換えたとたんに楽しくなりますね。
みうらじゅんさんは「そこがいいんじゃない!」という言葉もよく紹介しています。これは自分にとっての念仏なのだそう。
例えば「お金がなくなってきた。今月ピンチだな」と思ったら、すかさず「そこがいいんじゃない!」と言う。そうすることで、脳を勘違いさせるのだそうです。「あれ、それもまたいいのかな。そうだね、それもおもしろいかもね」と(『マイ仏教』より)。
(「将来に不安を感じるシングルマザーです」2016年7月1日)
Q.引きこもりの毎日、何をすればいいのかわからず、悩んでいます
A.Yahoo!知恵袋で、生乾きの匂い対策やチーズケーキの作り方を教えてあげましょう(なめちゃん)
A.何か少しでも興味のあることを見つけて、それにお金を投じ、半年以上続けてみましょう(MJ)
何もする気になれない、せいぜいネットサーフィンするぐらいしかできない……というときに質問回答サイトを利用するはいいですね。どんなに小さなことでも、誰かのお役に立てたという事実は、ささやかな喜びを与えてくれます。
そして、ある程度気力があるときには、興味のあることを実行してみる。やろうと思ってもなかなかモチベーションがついてこないので、ノルマを決め、先にお金を支払ってしまう。ジムに入会する、週に1本必ず映画館で映画を観るなど。
お金を払っていれば、人間元を取ろうとして動くものというアドバイスには、私も思い当たるところがあります。
(「引きこもりの毎日で、心も体もくずれていく…」2016年9月21日)
Q.お金の不安。収入を増やす方法は?
A.お金に困ったら、叶姉妹やテイラー・スウィフトといったセレブに頼れば何とかなる。……そう思いましょう(なめちゃん)
A.お金のことを考えなくする修行をしましょう(MJ)
お金を手に入れることは簡単ではないですね。これは本当にもう仕方ないです。もちろん全く方法がないわけではありませんが、気軽な方法はそうそうない。
だから、病気で動けないときは生活支援制度を利用したり、周りの人に助けてもらったりして何とかやっていくしかありません。世知辛い世の中ではありますが、一応最低限の生活は保障してもらえることになっているので、何とかなる、辛酸なめ子さんが言うように、セレブの博愛精神に期待して、まずは気持ちを落ち着かせましょう。
悩みについて考えないことが一番の解決法というみうらじゅんさんの回答には、心から同意します。考えれば考えるほど不安は増幅します。誰かのためにお金を使ってみるというアドバイスも、心に喜びを与えるという意味で効果があると思います。
(「アラフォー、独身で給料が上がらず不安。収入を増やしたい」2017年6月21日)
Q.過去のつらい出来事を忘れたいです
A.それは前世だと思いましょう(なめちゃん)
国家や地球規模の大きな問題に目を向けることで、ネガティブな記憶を上書きする方法もあわせて提案されています。「自責の念を吹き飛ばす「言い訳力」を育てるために」にも共通するところがあります。
(「根に持たない、サバサバした性格になりたい」2017年7月21日)
Q.姑からの誘いや親戚の集まりが多すぎてツラいです
A.方位にこだわるなど、面倒臭いキャラになりましょう(なめちゃん)
断ることが苦手な人にとって、キャラ作りは一つの選択肢として使えそうです。
私の知り合いに、親戚の引っ越しの手伝いを理由に社員旅行を断った強者がいます。いまや彼は「断りの匠」として認知されているそうです。明らかな嘘、しかし微妙に否定しづらい理由を堂々と言い放つ。その力加減はぜひ参考にしたいところです。
辛酸なめ子さんの本気で言っているのか馬鹿にしているのかわからない絶妙なポジション取りも非常に勉強になります。
(「姑からのお誘いを上手に断る方法は…?」2017年10月23日)
Q.八方塞がりの日々から抜け出したいです
A.お墓参りがおすすめです(なめちゃん)
A.八方塞がり=究極のリラックス状態です(MJ)
お墓参りは具体的で良い方法だと思います。不思議と気分が切り替わるんですよね。なんとなく心が安らぐような気がしないでもない。亡くなった人に思いを致すのは、とっても大事なことに向き合ってる気がして、気持ちも少し落ち着きます。
そして、八方塞がりが究極のリラックス状態だというのは、驚きですね。煩わしく面倒臭い事柄とは無縁の状況であると。「バツイチで、恋愛の仕方を忘れて、友達関係がうまくいかず、仕事も見つからない、という状況」からこのような見解を導き出せるとは。
確かに、「このままじゃダメだ!」と思わなければ、苦しくはなりません。「何も持っていない」「何もしていない」と悲しくなるのは、「こうあるべき」「こうでありたい」という理想があるからで、「私って向上心溢れる頑張り屋さんなのね」と声かけしてあげれば、少しは辛さも和らぐかもしれません。
(「八方塞がりの日々から抜け出したい」2017年11月24日)
Q.イラッとするときどうすれば?
A.「イラッ」を制するには“痛み”です。二の腕をつねってみてください(MJ)
就職面接で緊張してしまうときにも、体のどこかをつねって痛みを散らすことをみうらじゅんさんは提案していました。
ストレスを薄める話にも共通するところがありますね。
(「大人げないけど、子供が苦手なんです」2018年1月21日)
Q.この先の人生の展望がありません
A.「確実」「人生」「展望」の3語を使うのをやめて、「ブーム」「プレイ」という言葉をつけましょう(MJ)
みうらじゅんさんの言う通り、言葉の力は侮れません。だから、ポップに言い換えを。
例)
・不安ブーム
・悩みプレイ
・肩痛いブーム
・40代独身プレイ
・仕事がおもしろくないブーム
深刻な言葉を使わないようにするだけでも、深刻なムードを少しは変えていけそうです。
(「40代独身、人生の展望がありません」2018年8月29日)
まとめ
心が弱っているときには、簡単に変えられないことを変えようとするのではなく、他のことに意識を向けて、悩みをドロドロにしないことが大切なのかなと思います。
「それができたら苦労しない」「そんなのんきなことは言ってられない」というケースもあるので、ここで挙げたアドバイスが必ずしも役に立つとは限りませんが、漠然とした不安を和らげる効果はあります。
「ブーム」「プレイ」「不安タスティック」などの言葉で自分をうまく洗脳しながら、何とかやっていきたいですね。
不安タスティック。
たぶん、思い出し笑いする。
ありがと。