心の病気の一症状として挙げられる睡眠障害。うつ病では、早朝覚醒・中途覚醒・入眠障害などの不眠症状が生じます。
昼も夜も眠れない、いつも身体がだるくて重い。そんな状態で毎日を過ごすのは、どうしようもなくつらいものです。
今日は、睡眠障害に関する本を参考に、不眠を改善するためのポイントをまとめました。一般の人向けの対処法なので、抑うつ症状が重いときには実践するのが難しいものもありますが、知っておいて損はないと思います。「ふーん」ぐらいに読んでいただければ十分です。
そして、いつもより調子が良いときや、気が向いたときに、無理のない範囲で試してみてください。
健康な眠りのために心がけたい7つのこと
- 朝日を浴びる
- 夜は強い光を避ける
- 毎朝同じ時間に起きる
- 睡眠日誌をつける
- 入浴は寝る1~2時間前に
- 就寝前はリラックスして過ごす
- 眠れないときは寝ない
1. 朝日を浴びる
光は目覚めのきっかけとなり、生体リズムをリセットしてくれます。
- カーテンを開けて、太陽の光を浴びる
- 自然光の入る明るい窓際で30分ほど過ごす
- 家の周りの散歩する
- 寝室を朝日の入る部屋に替える
快眠の基本は、リズムを乱さないこと。睡眠リズムと大きく関わる光は、睡眠障害を治療する上で欠かせないポイントです。
目を覚ますための覚醒スイッチもあわせて使うと効果的です。
- 洗顔をする
- 歯磨きをする
- カフェインをとる
- アップテンポの音楽を聴く
2. 夜は強い光を避ける
光は眠りに大きな影響を与えます。
- 夜、コンビニなどに行くのは避ける
- 寝る15分くらい前になったら室内を暗くする
- 安定して眠れる明るさに
寝室が明るすぎると、体が目覚めてしまいます。スムーズな入眠のために、夜は照明の明るさを工夫しましょう。
寝室を暗くすることが望ましいとされますが、完全な暗闇は心理的に不安をもたらすこともあるそうです。スタンドやフットライトなどを使って、自分に合った明るさを調整しましょう。
3. 毎朝同じ時間に起きる
- 睡眠時間に関係なく、朝は同じ時間に起きる
睡眠のリズムを確立することが重要です。夜、眠れなかったときも、普段通りの時間に起きて、朝日を浴びましょう。リズムが崩れると、不調の原因となります。
寝不足のときは、休みの前日に早寝をして、不足した眠りを補うことも必要です。ただし、この場合も、朝はいつもと同じように起きましょう。寝坊は2時間以内にとどめるべし、とのこと。
4. 睡眠日誌をつける
睡眠の記録は、治療を進める上でも役立ちます。
- 起床時間・就寝時間を記録する
- 記録は毎日つける
- できるだけ正確な時刻を記す(でも、神経質になりすぎないように)
これらの記録を見ることで、睡眠時間のズレを比較しやすくなります。これをヒントに適正な睡眠時間を見つけましょう。
<睡眠日誌の例>
5. 入浴は寝る1~2時間前に
- 入浴は寝る1~2時間前にすませる
- 38~39℃のぬるめのお湯で
- 熱いお風呂に入りたいときは、寝る2~3時間前に入る
人の体は、体温が下がってくると眠くなるようになっています。寝つく時間に、深部温度が下がるようにしましょう。
6. 就寝前はリラックスして過ごす
日中と夜間の切り替えをすることで、体が眠りの準備に入ります。緊張をほぐすために、リラックスする時間を持つことが大切です。
- 眠りを誘う映画、音楽を流す
- 軽い体操、ストレッチ
- ぬるめのお湯で入浴
- ハーブのポプリや入浴剤でリラックス
- 酷使した目をホットタオルで温める
7. 眠れないときは寝ない
- 眠くなるまでは床につかない
- 夜中、目が覚めたら起きる
- 眠れないときは、寝床からいったん出る
- 寝室は眠るとき以外に使わない
無理に寝ようとすると、心配事が浮かんだり、緊張が高まってしまいます。「眠らなければ死ぬ!」というわけではないので、焦らず、気持ちをラクに過ごしましょう。
【関連】【昼夜逆転の直し方】睡眠障害を治すために私が実践したこと5つ
最後に
睡眠リズムは個人差が大きいため、自分に合った生活リズムを把握することが必要です。
まずは、簡単な記録をつけることから始めましょう。
と、なかなか実践できなかった人が言っても説得力がありませんが、記録をつけ始めるようになった頃から、症状がましになったように感じます(症状がよくなったから記録できるようになったとも言えますが)。視覚化することで、何をどう改善すればいいか把握できたからだと思います。
ここで挙げた7つの対処法以外にも、不眠改善のためにできることはたくさんあります。うつ病の睡眠障害では、薬を使った治療が一般的ですが、行動療法や精神療法も効果があるとされています。
それらの方法や睡眠の基礎知識についても、改めてブログにまとめる予定です。
第1回 『睡眠障害解消法』健康な眠りのために心がけたい7つのこと
第2回 睡眠日誌のつけ方・適正な睡眠時間の見つけ方
第3回 睡眠の専門医による不眠解消のための3つの生活指導
第4回 【睡眠の基礎知識】睡眠のメカニズムと生体リズム
第5回 うまく眠れないのはなぜ?不眠の原因「5つのP」
第6回 眠れない?眠りすぎ?睡眠障害の種類と特徴
第7回 うつ病をはじめとする精神・神経の病と睡眠障害
第8回 睡眠障害の治療法(行動療法・光療法・断眠療法など)
第9回 【早起きのコツ】朝起きられないとき実践して効果を感じた方法
<参考書籍>
井上雄一 (2007)『ササッとわかる「睡眠障害」解消法』講談社
太田龍朗 (2006)『睡眠障害ガイドブック 治療とケア』弘文堂
太田龍朗 (2006)『どうしてワタシは眠れない?快適睡眠88の即効レシピ』技術評論社
元気がない時は本が読めませんが、ナミさんの文章は読めるので助かってます。
興味深い本がいつも紹介されてるので、少し元気になったら読みたいですね。
その時を楽しみにしてます。
いつもありがとうございます( ´∀`)