うつ病治療を経て、仕事探しを始める際、不安なことがたくさんあります。特に気になるのが、履歴書の職歴欄。
「療養期間が長引いてしまって職歴に書くことがない……!」
「面接で空白期間について突っ込まれたら絶対テンパる……!」
退職後、数年間お休みしていた人や職歴がない人にとっては切実な悩みです。
ちょっとした経験を誇張&ごまかしで乗り切ることもできますが、演出が過剰だと後々ボロが出ます。
長く続けることを考えるなら、背伸びせず、自然体で臨むのがベスト。
そのためには事前準備が欠かせません。面接前の不安を少しでも減らせるよう、無職期間について質問されたときの対応と私の体験談をまとめました。
※このページは、仕事ができる状態まで体調が回復した方向けの内容です。調子が悪いときには無理をせず、ゆっくり休んでください。復帰のタイミングは医師と相談しながら決めましょう。
まずは実績をつくる
「このままでは履歴書の空白期間がどんどん増えていく……!」
そんな不安を解消するためにできるのは、何かしらの仕事をすること。どんなに簡単な内容でも仕事は仕事。ゼロより1、1より2、何でもいいからやってみよー!
- パート・アルバイトをする
- 派遣会社に登録する
- 短期、単発バイト・日払いの仕事をいろいろやってみる
リハビリも兼ねて、まずはアルバイト(週2くらいのペースから)、徐々に時間を延ばして1~2年続ける。そんな目安でじっくりやっていくのが理想かなと思います。
職歴がなくて自信がない場合は、登録制の日払いバイトから始めるのはいかがでしょうか。面接がないので、空白期間の質問攻めに遭う心配はありません。
簡単な仕事でもいくつか経験すれば自信になりますし、空白期間はこれこれを頑張っていました! と具体的にアピールできます。
就職するための訓練
公共職業訓練
体調が安定して、長時間作業できそうな場合は、職業訓練を受けるのも一つです。
職業訓練は職歴欄に書くことができます。ハローワークとも連携しているので、就職サポートを受けながら、実践的な技能を学ぶことができます。
就労移行支援
就労移行支援サービスを利用して、仕事に就くための訓練を受けることもできます。いきなり働くのが難しそうな場合は、こういった事業所で身体を慣らすのもよさそうです。
▼こちらで事業所を探せます。
障害福祉サービス事業所検索
<参考サイト>
・就労移行支援 | WAM NET 独立行政法人福祉医療機構
・就労移行支援事業(PDFファイル)| 厚生労働省
今日からできるお仕事
ウォーミングアップとして、家事を一通り頑張ってみるのもおすすめ。お金はもらえませんが、立派なお仕事です。
掃除、洗濯、食事の用意、後片づけ、買い物、ゴミ出し、修理修繕 etc.
リハビリにもなりますし、自分の得意・不得意を知ることができます。
面接怖い(泣)空白期間どう説明する?
「仕事をしていない時期があるようですが、何をされていたのですか?」
恐怖の質問です。さぁ、どう答えましょう。
「就職活動をしながら短期の仕事をしていました」
「資格試験の勉強をしていました」
「ボランティア活動をしていました」
「家業の手伝いをしていました」
「親(家族・親戚)の介護、介助をしていました」
「留学していました」
「旅をしていました」
思いつくのはこんなところでしょうか。
「ちょっとしか頑張れなかったけど資格の勉強はした」「一度だけ地域の活動に参加した」などの事実があれば、それを脚色して説明に使えそうです。資格が必要な職を志望するならば、今から勉強して取得するのも一つ。
ただ、何もしていない場合。アルバイトは仕事内容や就業状況を詳しく聞かれたら困りますし、留学や旅のような完全な嘘はよろしくありません。介護も同じ。偽るために家族をダシにするのは心苦しいものです。
そういうときは、
「体調を崩して療養していました」
「何もしていませんでした」
と素直に答えるのが良いのかもしれません。
もし、「うつ病ですか?」と聞かれたら、「今は回復して、医師からも就労可能と言われています」と説明しつつ、前向きな姿勢をアピールできれば大丈夫なのかなと。
空白期間について何も聞かれない場合もあります。職歴が合否を分ける唯一のポイントというわけではないので、そこまで気に病む必要はないようです。むしろそこを気にしすぎると挙動不審になって「この人大丈夫かな?」と面接官にマイナスの印象を与えてしまうので、開き直りも必要です。
大切なのは、頑張りたい気持ちを示すこと。自分にできること・得意なことを志望動機につなげて必死にアピールすれば、熱意は伝わるはずです。
【関連】友達に・職場の人に・面接で うつ病って言う?言わない?
私の面接体験談(正社員・アルバイト)
ここまでいろいろ書いてきましたが、「そう言うお前はどうなんだよ」という声が聞こえてきそうなので、私の体験した面接風景を少しご紹介します。
パターン1「この期間は何をされていたんですか?」
正社員の面接では必ず聞かれました。「前の会社を退職した理由は?」とセットで聞かれます。
「体調を崩して療養していましたが、今は回復しましたので、また一から頑張りたいと思っています」
「これを機に自分は何を頑張りたいかじっくり考えようと思いまして、興味のある業界について調べたり勉強をしたりしていました」
「連日遅くまで残業が続いていたことや責任者としてのプレッシャー、プライベートでも問題が重なって、体調を崩してしまいました。今はよくなりましたので、失敗からの学びを活かして、休んでいた分もしっかり働きたいと思っています」
……というような感じです(当時の就活メモによると)。
正社員を目指していた頃は、体調が悪いのに焦りまくって無理やり就職活動していたので、ちょっと記憶があやふやです。受け答えがどうという以前に、フラフラ・ガリガリ・ゲッソリで見るからに不健康な様子だったことが第一の敗因と思われます。
面接の結果はすべてご縁なしだったので(0勝3敗)、全然参考にならないと思いますが、まぁ、こんな感じでしたということで。
ちなみに、事前に書類審査があったところは、そこで落とされました。職務経歴書も頑張って(ない内容を膨らませて)書いたんですけどね。
パターン2 面接で職歴などの書類を作成
面接会場で書類を作成する会社もありました。それと併せて持参した履歴書を提出。
その後、仕事内容の簡単な説明と面接(志望動機、これまでに経験した仕事、退職理由、勤務地・職種の希望など)。
空白期間についての質問はなく、書類を回収しておしまい。
結果:ご縁なし
パターン3 軽く質問されただけ
アルバイト面接では、さらっと聞かれて終わりでした。
面接官「仕事辞めたあとは何していたんですか?」
私「体調を崩してしまって……」
と話を続けようとしたら、「ふーん、なるほど」で次の質問に移りました。他に答えに困るような質問もなし。
この頃は体力もある程度戻っていましたし、短期バイトの求人で経歴は重視していなかったようです。「形式的にやってまーす」という印象でした。
結果:採用
パターン4 何も聞かれない
こちらもアルバイト面接。
履歴書をざざっと見ながら、年齢・住所の確認、志望動機を聞かれました。
職歴はチラッと見て「前はこちらの会社に勤めてらしたんですねぇ~」とつぶやく感じでおしまい。
結果:採用
パターン5 説教される
仕事をしていないことについて説教をくらったという話も聞きますが、私はそのような不幸に遭遇することはありませんでした。
普通はそんな暇じゃないよね、そういう人がいる会社は嫌よね、と思います。
パターン6 面接なし(コネ)
結局のところ、コネクション最強という結論です。
療養後、最初にやったアルバイトも知り合いのコンビニでしたし、短期バイトをしながらやっていた賃仕事も前職のつながり。今の仕事も知人の紹介です。
家族や知り合いに、何かよさそうな仕事がないか聞いてみるのは良策です。療養していたことを知っていれば尚良し。意外な好案件が見つかるかも!?
【焦っちゃダメよの体験談】
警告!「仕事をしなければ」という思考は、焦り地獄の始まりです
最後に
うつ病からの社会復帰といっても、基本的には普通の仕事探しと同じです。空白期間もそれほど気にすることはないような気がします。
大切なのは「今からどう動くか」。
「早く働かなければ!」と焦って仕事を始めようとすると、うまくいかないことが多々あります。選択肢は一つではありません。長い目で見て、無理なく続けられるやり方を探すことから始めたいところです。
失敗も経験値になりますので、あまり力まず、ぼちぼちやっていけばいいのかなぁと思います。
「もしダメだったら辞めればいい」と考えると意外とうまくいく、というのが私の経験則です(「全然うまくいってねーじゃん」とか言わないでくだしゃい)。
何をするにも身体が資本ですので、とにかく無理のない範囲で。
就活、面接、うまくいきますように。
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それぞれの悩みや不安に寄り添いながら、専任の担当スタッフさんがアドバイスをしてくれます。
ニート・無職・未経験であることを前提にした支援は、経歴がネックで一歩踏み出せなくなっているときでも利用しやすいですよね。加えて、東京都の委託による運営という点も安心です。
一人じゃないから頑張れることってけっこうあります。
迷っているなら、まずは行動してみましょう。
具体的な行動を起こせば、具体的な答えが見えてきます。
その道筋で得られる経験は、あなたを必ず成長させてくれます。
体験者インタビューや就活中に役立つコラムも充実しているので、仕事を見つけたい方は、ぜひ一度サイトをチェックしてみてください。
……とはいえ、くれぐれも体調には気をつけて。
自分の身体と相談しながら、無理のないペースで進んでいきましょう。
「失敗が怖くて動けない」
そんなときは「不安・緊張・恐怖を和らげる7ステップ」で行動を起こせないときの対処法を紹介していますので、参考にしてみてください。
お互い、焦らず、ぼちぼち進んでいきたいですね。
幸いにも、私の場合は、知り合いから仕事をもらうことができ、いまのところは、なんとか、なっている状態です。先のことは、はっきり言ってわかりませんが、、、
とりあえずそんな感じです。
ナミさんの底辺の広さに、驚きます。
仕事のこと、お金のこと、退屈な時間の過ごし方、いろいろな本や音楽のこと、こころの病の人への配慮。ただただ、感心させられるばかりです。
今回は、そんな感じです。
あたまさん、コメントありがとうございます。
そうですね、先のことはわかりませんね。そして、わからないことは不安です。どんなに入念に作戦を練っても。不安に支配されないよう、心を保つ術を身につけたいところです。
そんなふうに言っていただけて、めちゃくちゃ嬉しいです。と同時に恐縮です。まだまだ至らないことばかりで……。
もっと頑張らなきゃと思ったときほど、焦らず、ぼちぼちやっていこうと思います。
いつも拝見しています。昨日から不調の波が来て白目にしたり、安定剤の頓服のんだり、ぼけーとしたりで何とか夜を迎えたので、睡眠薬飲んで寝ます。自営業の為、月に何度か仕事してしまいます。全部辞めたいんですが、社員さんも居るし借金もあるし、もう少し良くなって正しい判断が出来るまでナミうつブログさんに助けて貰いながら頑張ります。
コウイチさん、いつも見てくださってありがとうございます。
社員さんやお金のことは気がかりですね。現実的な問題は精神論で解決できるものではありませんし、難しいところです。とにかくお身体を第一に、としか言えないのがまたもどかしいところです。
私も白目剥いてますよー。過去の嫌な出来事が想起されるとダメですね。
不安は尽きませんが、肩の力を抜いて今の自分にできることをやるのみですね。ぼけーっとすることも重要! と思います。
季節の変わり目ですので、どうぞお大事になさってください。
ナミさん御返事ありがとうございます。家族に助けて貰って何とか生きてますが、僕の話は仕事と病気の話しかないって言われて、謝る事しか出来ません。うつ病なつてから家族や周りの人が暗くなってしまいました。周りの人達も可哀想です。本当に辛い病気ですね!!
コウイチさん、お返事ありがとうございます。
そうですね、どうしても周りには負担をかけてしまうのが心苦しいところです。私も自分がつらかったときのことを思い出すと申し訳ない気持ちでいっぱいになります。そういうときこそ、感謝の気持ちを伝えて、元気になったら恩返しできるようにしっかり療養して回復を目指したいですね。
親切丁寧に、ありがとうございました。
どうしようもない状態で、少し救われた気持ちで涙が出てきました。
頑張ります!