友達に・職場の人に・面接で うつ病って言う？言わない？

「うつ病であることを伝えるか？ 伝えないか？」

療養を始めたばかりの私にとって、これは重要な問題でした。

当時は「私の人生は終わった」と考えてしまうほど絶望していたので、それを周りに受け入れてもらえるのか不安で仕方なかったんです。

今は「言っても言わなくてもどっちでもいいや～」とこだわりもなくなり、気楽に過ごしています。

今日は、そんな私の心境の変化とともに、病気をカミングアウトするか否か、ポイントをまとめてみました。

友達に言う？言わない？

「大切な友達には自分の現状をちゃんと伝えなきゃ」

そんな思いがあって、親しい友人にはうつ病になったことを話しました。そのことで救われたこともありました。寂しい思いをすることもありました。

【体験談】私がうつ病をカミングアウトした友人の反応

この経験をもとに良かったこと・良くなかったことを挙げてみます。

＜良かったこと＞
・気持ちを聞いてもらうことでラクになれた。
・話を聞いてくれる相手の優しさに安心した。
・嘘をついている後ろめたさがなくなった。
・「話してくれてありがとう」と言ってもらえた。

＜良くなかったこと＞
・離れていく友人もいた。
・腫れ物に触るような対応をされた。
・自分が望む反応が得られず、落ち込んだ。
・気を遣わせてしまったことが申し訳なく感じた。

遠くから私を支えてくれた友人には感謝しても感謝しきれません。

そして、距離のできた友人たち。私にも問題はありました。「友達ならわかってくれるはず」という気持ちが大きかったんです。相手に期待をかけすぎてその反応にガッカリする、その繰り返し。「何でも話してほしいって言ってくれたよね？」「あれ？ 友達って思ってたの私だけ？」みたいな。

そんなわけで、大好きな友達だったからこそ距離を置かれたときのショックは大きかったわけです。さらに普段、本音を言わない私が勇気を出して話したのに、という思いもありました。

今は、話を聞いてくれたことに感謝しています。そして、私の「期待し過ぎな自分」に気付くきっかけをくれたこともありがたいと思うようになりました。

時間と共に、人の気持ちって変わるものですね（しみじみ）。

職場の人に言う？言わない？

休職や傷病手当金などの手続きをする際には診断書が必要ですし、直属の上司にはうつ病であることをきちんと伝えておく必要はあるでしょう。

また、リハビリ出勤をする場合に、周囲のスタッフに病状を伝えて協力をお願いすることもあるかもしれません。

ただ、職場でうつ病であることを伝えるのは最低限に抑えておくのが良さそうです。

職場の人に迷惑をかけてしまうことが申し訳なくて事情を話したとしても、中には「うつ病だから」という言葉を嫌う人もいます。「うつ病だからって何でも許されると思ってるの？」「なんで私が尻拭いしなきゃいけないの？」というように。

そういった方には、自分が休んだ分をカバーしてもらっていることにはしっかり感謝しつつ、うまく距離を保ちながら必要以上に傷付かないよう自分の心を守りましょう。

もちろん、メンタルの病気への理解がある相手であれば必ずしも隠す必要はありませんし、お互いが助け合って仕事を回していこうという職場では、正直に伝えた方が仕事も人間関係もうまくいくかもしれません。

症状が重いときにはなかなか難しいかもしれませんが、相手・状況を見極めることも必要ですね。

面接で言う？言わない？

就職活動の面接のときも、率先してうつ病であることを伝える必要はないのかなと思います。

一番の理由は、不利になるから。うつ病は症状が不安定で、再発の心配もあるため、「採用したくない」というのが人事担当者の本音のようです。

もし会社に迷惑をかけてしまいそうなほど不調なら、もう少し休んだ方が良いでしょうね。

私も体調が悪い中で面接に行ったことがあるんですが、うつ病と言わなくても不調なのはバレバレだったと思います。職歴の空白期間を聞かれたときもテンパってましたからね。自分でも「こんな状態の人雇いたくないよねー」って感じで。もし採用されていたとしても、きっと迷惑をかけただろうと予想できます。

それでも、次のような場合はうつ病であることを伝えてもいいかもしれません。

・通院日や休みを調整してもらいたい。
・勤務時間や仕事量を少なくしてもらいたい。
・嘘をついているのが後ろめたい。

面接では、あまり悲観的にならず、前向きに「頑張りたい」という気持ちをアピールしていきたいですね。

最後に

うつ病をカミングアウトするか？ しないか？

一概にこうすべき！ と断言することはできませんが、私個人の考えとしては「わざわざ言わなくていいんじゃない？」。

もちろん、うつ病だということを友人に告白したことで気持ちがラクになったのも事実なので、信頼できる人がいれば相談するのも良いことだと思います。一人で抱え込んでいるのはつらいですからね。

ただ、私の場合、「うつ病だと言うべきだろうか？ 言わざるべきだろうか？」と思い悩んでいたときの心理的な負担がかなり大きくて、しんどかったです。今思うと、もう少し落ち着いてから考えてもよかったのかなーと。

あとは私の性格的な問題ですね。できない自分が認められないし、それを突っつかれるのが耐えられない。どんなふうに思われてるか考えるのも怖い。だからもう余計なことは言わないぞ、と。

何にしても、一番大切なのは「こうしたい！」という自分の気持ち。ここに書いたことはあくまでも一つの考え方なので、ご自身が納得できる選択をしてください。

どんな結果であっても、自分が悩んで迷って決めたことは必ずプラスの経験になります。

もしショックなことが起きたら、一緒にその痛みを分かち合って、悲しみを半分コしましょう。

Good luck!