「仕事をしないのは悪いことじゃない」という結論に至るまでに考えたこと

清潔感のあるオフィス

ここ数日、うつ病からの休職・復職について調べたり、働きたくても働けない人の考えを聞いたりするたびに、心にモヤモヤが膨らんでいました。

仕事をしないのは悪いこと?

そんな中、こちらの記事を読みまして、さらにモヤモヤが増大。

都市部で乱発傾向! うつ病の怪しい診断書 | PRESIDENT 2014年3月3日号

以下、私なりの解釈を簡単に。

  • “ズル休み”するために診断書をもらいに来る人がいる。
  • 売上のため、制度を不適切に利用するクリニックがある。
  • 休職されると会社にめっちゃ負担がかかる。

ここで挙げているのは、明らかに病気とは診断できないレベルの方なのかなと推察しますが……。

好きなことはできるけど、仕事になると落ち込んでしまうタイプの「うつ」が増えていて、休職に抵抗がなく、罪の意識を持たない、とのこと。

そのような方の「うつ」と、私が経験した「うつ」は、確かにタイプが違うように感じます。

でも、その人にはその人のつらさがあるんじゃないかしら? という思いもあります。重篤ではなくても「もう無理だ」と限界を迎えて診察に訪れた人もたくさんいらっしゃるでしょうし。

そこで、記事にあるような「休職で会社にかかる負担」を数字でダーンと示されてしまうと「あぁぁ、ごめんなさい……」と胸が苦しくなってしまいます。いわゆる「新型」の方はこういう受け止め方はしないのでしょうか。

経営者にとってコスト計算は必要なことですが、人件費を「コスト」として考えるのは違うような気がします。人は長い目で見て育てていくものだから。

……なんて、経営に関して素人の私が語れることではないんですけども。

さらに、したたかな経営をしているクリニックがあるとの指摘もありますが、この記事にある通り、多くの先生方は、真剣に患者さんと向き合っていると思います。

何にしても、泣く泣く休職することになった人、働きたくても働けなくて悔しい思いをしている人はつらいよね、というのが私の率直な感想です。

働けないときにつらくなる考え方

で、再び冒頭の問い。

仕事をしないのは悪いこと?

うつ病で療養しているとき、休むことに対して必要以上に罪悪感を感じてしまうために、どうしようもなくつらくなってしまうこともあるんだと思います。

例えば。

毎日しんどい。

毎日しんどい。

でも、仕事に穴をあけるわけにはいかない。

仕事に穴をあけるわけにはいかない。

仕事を辞めるのは逃げること。逃げるのは弱い人間だ。

逃げるのは弱い人間だ。

成長するには試練を乗り越えなければならない!

成長するには試練を乗り越えなければならない!

できない俺はダメ人間!

こういう考え方だと、仕事を辞めること・休むことが悪いことになってしまいます。心身が悲鳴を上げているのに、「できないのは甘えているからだ」「自分はダメな人間だ」と責めてしまったり。必ずしもそうじゃないのに。

仕事を辞めるタイミング

少し前のものですが、とても共感する記事がありました。

「自殺や過労死するくらいなら仕事辞めろ」 | 琥珀色の戯言

個人的には「死にたい」という気持ちが自然にわいてくるようになったら、仕事は投げ出して、休むべきだと考えています。

ほんと、私もそう思います。

ただ、このブログにもあるように、「限界」を見極めるのが難しい。

「もう少しがんばれ」と「がんばりすぎるな」の境界はどこにあるのか?

うーん……、とても難しい問いでございます。

でも、やっぱりうつ病治療中は「がんばりすぎるな」ですね。というか、「がんばり禁止」。いや、「がんばる」の捉え方にもよりけりでしょうか。

コメント欄にも共感できる言葉、納得できる言葉がたくさんあって、首を縦にブンブン振りまくりです。

答えをズバリ!言い切ることはできませんが、こういう考え方をバランス良く頭に浮かべられるようになるといいんでしょうね。少しでもたくさんの捉え方を知っておくことで柔軟に対応できるような気がします。

結論

ここ出ますよ!と黒板を指す先生

仕事をしないことが悪いとは限らない。

ときには、逃げること、諦めることも大切。

 

……と言いながら、また悩み続けるんですけどね。

6 COMMENTS

ふぇるむ

凄くわかります。
私も今、一日の家事もへとへとで全部できないのに、
(まあそれは心臓のこともあるからですが)
「勇気を出して就職活動しないから、
 いつまでも燻ってるのではないだろうか?」
と思ってますもの。毎日。四六時中。
その考えをやめて、自分の好きなことを、
ありのまま受け入れられるようになったら、
真の回復に向かうとは思いますが・・・・・・。
家族の横やり程、ダメージが大きいもので。

いつも大変参考にさせていただいてます。
去年の焦燥感に駆られて寝込んだとき、
このサイトさんと出会って、大変救われました。
私も、回復したらこのようなアドバイスできるサイトを作りたいです。
なんせ、
チック症、ストレス性膀胱炎、神経性胃炎、パニック障害、
広場恐怖症、うつ病と、そこそこ幅広く経験してるので、
何か「経験者からのアドバイスできればな」と思ってます。

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ナミ

>ふぇるむさん

コメントありがとうございます。

確かに、家族の言葉は胸にグサリと刺さるものがありますよね。特にお母様のお言葉には……。心中お察しいたします。ふぇるむさんが心身に大きな負担を抱えながら努力されていることにも目を向けてもらえると、少しは気持ちが違いますよね。

嬉しいお言葉をありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。とは言え、まだまだ未熟者ですので、勉強が必要です。

ふぇるむさんの経験を語ることで救われる方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。私もいつも学ばせていただいています。今、運営されているブログも素敵なサイトですしね。

頻脈が少しでも落ち着くといいですね。すごく苦しそうなので……。

お大事になさってください。

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ImaIku

いつも興味深い記事をありがとうございます。

最初はどうしても「仕事しなくて申し訳ない病」から抜けられませんでした。

矢吹浩輔さんの「自殺」を選ぶ人は「仕事が上手くこなせない自分」「同僚に比べふがいない自分」を殺してやりたいほどに憎み、殺そうとするのです。

というのを読んで、以前のわたしがソレだったと思い胸が痛みました。「仕事が上手くこなせない自分」や「同僚に比べふがいない自分」なんて、多分手っ取り早く殺しちゃった方が楽なんでしょうね。

「そんな自分でもオッケー!」って思い始めた時、自殺はあまりリアルに考えないようになった気がします。

何かができないことが不幸せではなく、今の自分の状況を受け入れられないのが不幸せなんだと思うのです。

今の自分を愛することができたら、最高の人生です。

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ナミ

>ImaIkuさん

コメントありがとうございます。私もImaIkuさんのブログからたくさんの気付きをいただいています。

ImaIkuさんのおっしゃることすごくわかります。私も「仕事しなくて申し訳ない病」気質が強いんでしょうね。できない自分がとにかくもう許せない。当時は「今の自分の状況を受け入れられない不幸せ」をバリバリ体現していました。

私も自殺を考えないようになったのは、「ダメでもいいじゃん」って考えられるようになってからでしたねぇ。

最近は「そんな能力あると思ってんの?」と自分で自分に笑って突っ込めるようになったので、かなり「最高の人生」に近づいています。……と言いながら「まだまだダメだ」とか思っちゃってるんですが。

それもまたよし、ですかね。

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きいろ

初めてのコメント失礼致します。
昨年軽いうつと診断されたときから、辛いときにいつも拝見していました。いつも心がほっと一息つける素敵な記事をありがとうございます。

ここ1年ほど休職しておりまして、憂鬱な日々を過ごす中、先月からようやく趣味が高じてネットオークションを始めることができました。出品を30件以上こなし、それなりの収入も得て満足していたのですが、つい最近同居する家族から『ネットはいいけど、やっぱりきちんと早く外に出て働くように』と苦言が。

もちろん最終的にはアルバイトなり
外の仕事をするつもりでしたが、オークションはその準備ステップとして始めました。
自分なりに仕組みや方法を勉強し、落札者様から良い評価をいただき満足もしていた矢先のことでした。
年齢のギャップからネットでの収入や仕組みは理解し難いかもしれませんが、やっと頑張れたものが否定されたような、軽んじられたような気持ちで少し落ち込んでしまいました。他の人の言葉に左右されないようになるには、中々難しいです。

長々と失礼致しました。これからも記事を楽しみにしています。

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ナミ

>きいろさん

コメントありがとうございます。そんなふうに言っていただけて嬉しいです。とても励みになります。

ネットオークションってすごく大変な作業ですよね。出品するまでの準備から、落札者とのやり取り、発送。それを30件以上も。レベル高いですよ。私、普通に尊敬します。それを体調が優れない中で……本当にすごいことです。

なのに、それを理解してもらえないのは悲しいですね。私も人の言葉に左右されやすいので、きいろさんの立場だったらすごく落ち込むと思います。いくらネットに対する感覚が違うとわかっていても、やはり家族の言葉は堪えますしね。

きいろさんは前向きに努力を重ねていらして、それは本当に素晴らしいことです。コメントを読みながら、私もきいろさんをを見習ってできることから頑張っていこうとやる気が出てきました。ありがとうございます。

お互い、焦らず自分のペースを大切に進んでいけたらいいですね。

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