低反発のスリッパを買いました。ふかふかでめちゃめちゃ履き心地がいい。これまでに使っていたスリッパがへたっていたこともあり、初めて履いたときの感動がすごかったです。本当に素晴らしい。
こういう小さな幸せの積み重ねで人生は素晴らしいものになっていくのだなとしみじみと思いました。私が清少納言だったら絶対「枕草子」に書きます。
雰囲気ね、雰囲気。とにかく感動すると人に伝えたくなるものです。本当に私は感動したのです。めっちゃ気持ちよかったから!!!
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ふかふかの素晴らしさを味わいながら、足裏への意識について考えました。普段あまり気にしない部分です。
光や音やニオイや味や肌触りを感じ取る五感。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚です。器官の名前で言うと、目・耳・鼻・舌・皮膚。
一般的に、多くの人が酷使しているのは目ですよね。パソコンやスマホが普及してから、強い光を見る頻度はかなり高くなりました。眼精疲労という言葉にもなじみがあります。
だから、たまには眼を休ませてあげないと。
こういう、視覚以外の感覚、あるいは普段あまり使っていない感覚に意識を向けるようにすると、何かよい発見がありそうです。
例えば、寝ている時間が長い療養中は、寝具の肌触りを重視するとよさそうです。重いうつ症状にあれば、そんなことどうでもよくなっちゃうのですが、体はきっと感じているはず。良質でふかふかなお布団、肌に優しいパジャマを揃えて、休息に最適な環境を整えたいものです。
足の指の感覚を育てる遊びも楽しいです。
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冬場は布団に湯たんぽを入れています。手先足先の冷えがすごいので、最近は抱っこしてぬくぬくすることもあります(※湯たんぽの低温やけどにはご注意を)。
その湯たんぽカバーは可愛いキャラクターなんですが(クマみたいな変なフワフワ宇宙人?)、それをなでなですると、不思議なことに、なんか穏やかな心持ちになるんですよね。
「髪をとかしながら「自分を大切にする」とはどういうことか考えた」でも書きましたが、撫でるという行為はけっこうすごい魔法なのかもしれません。
「手当て」という言葉にもそれはあらわれています。患部に手を当てる。処置する。この他に、仕事の報酬として支払われる金銭も「手当」と言います。何か大事なものを与えてくれるっぽいもの。そうやって考えてみると、なんか無性になでなでしたくなってきませんか。
ブラッシングについて書いたとき、優しくなでることが自分を大切にするってことなんだという結論を得たわけですが、これはかなり重要なことのように思えてきました。
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低反発のスリッパの素晴らしさに感動すればするほど、それが失われたときの悲しみは大きなものになることでしょう。
おそらくこの感動は早いうちになくなってしまいます。毎日履いていると、すぐにへたってしまうから。しかも気づかないうちにジワジワと。そんなの寂しいじゃないですか。
だから、古いスリッパと併用しています。ボロボロで穴が空いて汚ったないスリッパ。すぐ処分しようと思っていたのですが、やめました。フレッシュな気持ちを忘れないためです。くたびれたスリッパを履くことによって、新しいスリッパのふかふか感を味わえる、何度も感動を得られる。それは素晴らしいじゃないかと。どれくらいもつかわかりませんが。
いずれにしても、人間の五感と感情はわりとしっかりめに結びついているようなので、幸せになりたいときは、きれいな音、いい香り、美味しい食べ物・飲み物、肌触り抜群の気持ちいいものを集めるとよさそうです。
具体例が思いつかない方には、低反発のスリッパをおすすめします(ホント気持ちいいのよ……)。
お久しぶりです、今年もよろしくお願いいたします。