読み応えのあるおもしろい記事がありました。『ひきこもりの社会学』の著者で社会学者の井出草平さんが書かれたものです。
「新型うつ」は若者のわがままか? 井出草平 / 社会学 | SYNODOS
若者に多いとされる「新型うつ」。医学的な診断名ではないこの言葉がなぜ広まったのか?
それは「最近の若者はなってない」となじる道具として便利だからダヨ!
……こういう発想はなかったので、なるほどなるほどと納得しました。私の中にも「今どきの子はねぇ~」などと言って大人ぶりたい気持ちはあるので、頭固め(?)のみなさんが嬉々として「これだから新型うつは~」と口にするのもわかります。言われる方はたまったもんじゃありませんけどね。
これまで「新型うつ」は科学的根拠がないからムシ! と決め込んできましたが、「新型うつ」につきまとう負のイメージは拭えず、あまり良くない印象を持っていました。実際、自分がうつ病だと思って治療をしていたときには、そのあたりの理解が浅くて「全部一緒にしないでくれよ~」と強く思っていました。だってさ、私(たち)さ、どっか遊びに行くとか不可能だし、こうなったのはすべて自分の責任だと思ってるし、嬉しいことがあったって気分はちっとも高まらないんだよ? って。
私は完全に、作られたイメージで認識していたわけです。うつ症状で苦しい思いをしていることに変わりはないし、当人だって好きでつらくなっているわけじゃないのに。
私はその後、双極Ⅱ型障害と診断されて、「今まで完全にうつ病患者の立場で考えてたけど、ん? ん!?」という中途半端な感じで今に至っているのですが、抑うつ症状はしんどいっすね、という割とたくさんの人に当てはまりそうな感覚についてウダウダ言っているだけなので、まぁいいかという適当精神でごまかしています。
要するに、医学的に詳しいことはよくわからないんでパス! という少々困った姿勢で日々を過ごしているのであります。もっとちゃんと勉強しようという気持ちはあるんです。そう、気持ちだけはね。
まぁ、そうは言いながら、「生きるのってしんどいよね」ということが私にとっては一番のテーマなのかなぁと思うので、そうなると、うつ病だろうが新型うつだろうが病気持ちだろうが健康優良児だろうが、つらいもんはつらいんだから少しでもラクになる方法を考えよう! といういつもの結論に至るわけです。そう、「つらさ」は比べられるものじゃないんですよね。
さて、この記事で再確認したうつ病知識のポイントをまとめます。
- DSMの診断では原因を考慮しない。
- 現代の精神医学では、うつ病になりやすい性格(パーソナリティ)はないとしている。
- 「従来型うつは抗うつ薬が効いて治る。新型うつは治りにくい」は明らかな間違い。
- うつ病は「治療で治る病気」
投薬アルゴリズム(STAR*D)についてのデータによると、寛解に達したのは全体の67%、残りの約3割の人にも薬がある程度効いてそれなりに苦痛が緩和された。 - 「うつ病とは再発の病である」
25年間の追跡調査データから、うつ病に罹患した人のうち74%は投薬などの治療を継続する必要があることが示された。
参考文献リストがないので、詳しい研究内容についてはわかりません。
以前、メランコリー親和型などの分類をまとめたり、病前性格は関係ない、「うつ病は誰でもなる病気」という言葉は不適切、といった話題にふれたりしているのですが、「ケースバイケースですね」という万能の言葉で片付けてしまったので、改めて学びが必要だと思いました。
【こちらの話題です】
・メランコリー親和型だけじゃない!適切な治療のために知っておくべき「うつ病」の種類と特徴
・「生きるのも悪くないかな」と思えるようになりそうな材料を調達してきました
と言いつつも、今回の話題も「人によるよね」というのが正直な感想で、特に会社や産業医の対応はいろいろなんじゃないかなーという気がしました。えぇ、それを言ったら何も言えません。ごめんなさい。
何だか、ものすごくひどい感想文になってしまいましたが、興味深い内容ですので、未読の方はぜひ~。
「新型うつ」は若者のわがままか? 井出草平 / 社会学 | SYNODOS
【関連書籍】
▼こちらの本の当事者インタビューも興味深く読みました。
世の中、ハイスぺック、ハイスピード、過ぎるからではないでしょうか。100%の人がついていけるわけではないと思います。
でもそのおかげで、ナミさんのブログ見れるのですがね。
ちょっと、ナミさんのブログとニュアンス違うかもしれませんが、
そんな風におもいました。
あたまさん、コメントありがとうございます。
えーと、あたまさんのコメントがどの部分に対応しているのかわからないのですが、世の中がハイスペック、ハイスピード過ぎるという点は同感です。