「休む」がテーマのエッセイ集『休むヒント。』を読みました。
働き方改革時代、ワークライフ「アン」バランスなあなたに贈る、休み方の処方箋(エッセイ・アンソロジー)!
うすうすわかっていたことではあったんですが、「自分と違いすぎて参考にならん」というのが正直な感想です。
いや、もちろん、「なるほど」と思うところはたくさんあるし、共感できる内容だってあります。有用なヒントも見つかります。
なんですけど、私個人のねたみが発動してしまってですね、「参考にならんわ」と言いたくなってしまいました、というお話です。
私もこのブログを書いている中で「全然役に立ちませんでした」とのコメントをいただいたこともありますし、そういう内容とは違う部分での感情の動きというか、反発心というかね、「おめぇはいいよな、○○で」というやつですかね。
私の場合は、ワーカホリックになれる人に対する嫉妬でしょうね。それはつまり自分が憧れているってことなんだな~と改めて確認できました。本来仕事中毒の状態は憧れるべきものではないのだけれど、そうやって多少無理して仕事をしてもぶっ壊れないことがうらやましい。いや、鬱の話もあったし、体調不良や虚弱の話もあったから、これを本全体の感想として書くのは適切ではないんですけど。まあ、あくまでも「ざっくり感想」としてはこんな感じですという。はい。
と言いつつ、先にも書きましたとおり、「わかるな~」と思うところもありました。思わず涙がこみ上げるエッセイがあったり、知らなかったことを知れたり、シンプルながらも有用なヒントに「!」となったり。
社会の構造や制度がおかしくない?という話には深く頷きました。休みに対する罪悪感もこのあたりと関係していそう。
それにしても小説家の人が書く比喩っていうのは本当に面白いですね。跳躍力がすごいなぁとしみじみ思いました。
この本を読んで、「休み方」は人それぞれだということがよくわかりました。
そもそも「休む」という定義は何だという点に言及している方もいました。思わず「これ答えじゃん」と大きめの声で言いました(心の中で)。
「休み」という言葉はあまりにもざっくりすぎる。
休み方に正解はないというか、ケース・バイ・ケースすぎる。
誰かにとっての「休み」は、別の誰かにとっては「活動」であったりもする。
大切なのは、自分なりの「休む形」を見つけること。そして、それを誰かと比べずに受け入れること。
結局その答えに行き着くんだなぁ……。
それにしても、「休むヒント」というテーマ、穏やかで優しいもののはずなのに、感情をこんなにも動かされるなんてびっくり。その点も、とても面白いと思いました。
「休み」の話を通して見えてくる人間らしさ、そこから見出していこう「休むヒント」を!! ってことかしらね~とわかったふりをしながら本を閉じました。