「この人が幸せでありますように」と心の中で思う。ちょっとした思いやりが、心を穏やかにする。自分が他人の幸せを願う人であろうとすれば、自分以外にもそういう存在がいるかもしれないと思えてよさそう。そんな話を前回書きました。
思いやりの心はいいものです。心がクサクサしたときは、誰かの親切心を思い出そう。そんなふうに考えます。でも、うまくいかないことが多い。
感情に流されそうならば事実を。人の行動を思い出す。がんばってがんばって思い出す。言葉にする。……やっぱり思い出せない。嫌なことはいくらでも思い出せるのに。どうして。
どうしてなのでしょう。まあでも心と身体の状態には波がありますから、そんなこともありますよね。
というわけで、心に悲しみが広がったときにはビートルズの「ヘイ・ジュード」を聞きます。自然に柔らかな気持ちを思い出せます。とっても優しいんですよねこの歌は。思わず口ずさみたくなる。語りかけたくなる。
「ヘイ・ジュード」は、ポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子ジュリアンに宛てた曲。ジュリアンはジョン・レノンの前妻シンシアとの子。ジョンはヨーコと不倫して、シンシアと別居することになった。そのときジュリアンは5歳。彼の気持ちはどんなものだったか。ジュリアンを心配するポールの思いやりが沁みます。そう、この曲を聴くたび、人間は思いやりの心を持つことができるのだなぁと思うのです。同時に、悲しくなったときは誰かの親切心を思い出そうと自分に言い聞かせるのです。
ビートルズのような世界的ロックバンドともなると、さまざまな逸話が語られるので「えぇ~なんかやだ~」と思ってしまうエピソードを見聞きすることもありますが、でも、泣いている誰かに手を差し伸べる、その行為に嘘はないですよね。ね? ね?!
「あなたが幸せでありますように」
勝手にあれこれ想像して、願っています。