日本うつ病学会の資料のページで公開されている双極性障害当事者による手記を読みました。
「仕事をしている双極性障害患者さんの手記」
[PDF] https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/gakkai/shiryo/data/shuki_20201005.pdf
合計19名の方による体験談。まず伝えたいのは「書いてくれてありがとう」「公開してくれてありがとう」という感謝の気持ち。こうやって当事者の声を聞くことができるのはありがたいことです。つらかった時期を思い出し、それを文章にしたためるのは大変なことだからこそ尚更。多くの声が集まることで見えてくる答えもきっとあることでしょう。
日本うつ病学会双極性障害委員会編集の「仕事をしている双極性障害患者さんの手記」が公開されました。以前、「先生は治る治るって言うけど,入院患者さんは再発を繰り返している人ばかりじゃありませんか!治った人に会わせてくださいよ!」と言われたことを思い出しつつ…。https://t.co/APckCEHe3a
— 加藤忠史 (@KatoTadafumi) October 6, 2020
さて、手記を読んで改めて思ったのは、治療も人生のプロセスも一人ひとり違うということ。自分と同じ人はいないという当たり前の事実を再確認しました。同時に、自分の人生における答えは、誰かが教えてくれるものじゃないということを思い知る……はぁ。
それはそれとして、当事者の方たちが示す「大切なこと」は忘れないでおきたいところです。
- 生活リズムの確立
- 運動
- 栄養バランスの取れた食事
- 認知行動療法:考え方を変える
- モニタリング:自身の状態を数値化して客観的に把握する
あとは前提として、自分にあった薬を見つけることも共通点として挙げられそうです。
手記にあった当事者の言葉を借りれば、治療内容は「オーダーメイド」。自分に合ったやり方を模索し続ける必要があるのでしょう。改善のプロセスも答えは千差万別です。
「仕事をしている双極性障害患者さんの手記」ということで、休職中にリワークや作業所に通ったという体験談もあります。小さな一歩を積み重ねていくことが大事という話には深く頷くばかりです。焦らず、じわじわと変えていくことが大切。地道にやっていきましょう、ですね。
具体的なエピソードや対処法が挙げられている部分もあるので、「これだ!」と思える方法に出会えるかもしれません。
日本うつ病学会のサイトには、妊娠・出産を体験した双極性障害患者さんの事例を紹介したPDFファイルもあります。病気の解説や公演記録、記録用のワークシートも用意されているので要チェックです。
資料 | 日本うつ病学会 Japanese Society of Mood Disorders