思い通りにならない体、もどかしさを和らげる武器はメタファー

あなたは最近「これはすごい!」とうなったこと、ありますか?

私は、どもる体をゼリーにたとえる秀逸な比喩にうなりました。

これは、美学者・伊藤亜紗さんの本『きみの体は何者か』で紹介されているメタファー。吃音を抱える人が実感をもとに表現したものです。

その人にとって、しゃべろうとするときの感覚は、

「果汁たっぷりのゼリーのふたを汁がこぼれないようにそうっとあける」ような感覚

なんだそう。なるほど。すごい伝わる。なんと素晴らしい比喩なんだと感動しました。

「ぷるぷるふるえる体をなんとかコントロールしようと力加減を調節する感覚が伝わってくるよね。」と的確に言語化してくれる伊藤さんの文章にも「そうそう、それそれ!」とズバリ言い当ててくれる気持ちよさがあり、強く印象に残りました。

伊藤さんはいいます。

体に起こっていることはとらえどころがない。そのままだと振り回されるばかりで不安になってしまう。でも、メタファーがあれば、それをたよりにして、体について観察できるようになる。

だからあなたもぜひ自分の実感に合ったメタファーを探してみてね、と。

なんとすてきな提案でしょう。私も自分にぴったりのメタファー見つけるぞ~。
 

たとえるのって難しい

さて、「メタファー見つけるぞ~」とやる気になったはいいものの、メタファーって難しいですよね。
 
そもそもメタファーとは何か。

メタファーは、比喩の一種。隠喩・暗喩ともいわれます。

比喩とは、言及したい対象と似ている別のものを引き合いに出して説明すること。

例えば、自分の体の不調をパソコンの不具合で説明したり、よく聞くところでは、「人生はドラマだ」「人生は旅だ」という表現もメタファーです。

私はたとえるのが苦手です。このブログでも、機械や乗り物をメタファーとして使ったことが何度かありますが、自分で書いてて「雑だなぁ~」とはいつも思っていたのです。

どうすれば自分の実感に合ったメタファーが見つけられるのでしょうか。

メタファー探しの肝は「観察」

漠然と「うまいこと喩えたいな~」と思っていてもメタファーは見つかりません。

まずは、言及したい対象を決めましょう。

冒頭で挙げた「しゃべろうとするときの感覚」のような具体的なもの。

そして、それと似た別のものを探す。

と言っても、いきなり答えを引き当てることはできないので、まずは対象をよく観察することから。

細かいところまで目を凝らして見る。よくよく耳をすませる。

外部情報に惑わされず、五感を大切に。

きっとこういうのって、借り物の言葉で理解しようとしないことが大事ですよね。

とにかく観察。じっくり観察。

仕組み、法則、関係性、なぜそうなっているか、その機能にどんな目的があるか etc.

そのものの性質をつかまえる。

そうやって得られた結果を分類して積み重ねていけば、イメージの保管庫ができあがります。

そこから、同じ性質を備えているものを探す。そんな流れになるでしょうか。

データベースを充実させれば、イメージの比較検討もしやすくなりそうです。

自分研究の第一人者になろう

メタファーを見つけるために必要なことは、対象をよく理解すること。

詳しく観察して、本質を捉える。

言葉や外部情報にとらわれず、まずは自分が「体験」する。

大切なのはイメージです。

だから、慣れないうちは、下手に言葉にしようとしないほうがいいんでしょうね。

「じっくり観察しよう」
「そのものを感じよう」

それがメタファー探しの第一歩なのかなと思います。

伊藤さんは、自分の体が研究対象という言い方をしていました。

あなたは自分研究の第一人者です。

在野研究、いってみよう! やってみよう!

 

 

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