どうして我々は殺し屋を主人公にすえた物語に惹かれてしまうのか――
ってそりゃ圧倒的な強さへの憧れだよ!!!
というわけで、漫画『ザ・ファブル』がめちゃくちゃ面白いという話をします。
ほんとに面白すぎて、ページをめくる手がとまらず、読み始めると大抵夜更かしコースです。
だから、続きが気になりつつも安易に手を出せずにいたのですが、ついに先日第一部を読み終えました。
めっっっちゃ面白い。
間髪おかず、第二部も読み始めました。
あぁ早く続きが読みたい――!
と「ファブルめっちゃ面白い」だけ言っていても仕方ないので、作品の魅力をがんばって言葉にしてみたいと思います。
『ザ・ファブル』の面白いところは――
- アクションシーンがカッコいい
- 主要登場人物がみな魅力的で、愛着がわく
- 独特の間・温度差・意外性に思わず噴き出してしまうコメディ的演出
- 相手を出し抜く心理戦、駆け引きにハラハラドキドキ
- イヤな奴をやっつけるスカッと感
- 私たちが知らない裏の世界でうごめくものを覗き見るゾクゾク感
あと何だろう――。いずれにしてもシリアス一辺倒じゃないから、気軽に誰でも楽しめる漫画だと思います(「誰でも」はさすがに言い過ぎか)。
やっぱり相反するものが同居してるから面白いのかなぁ。伝説の殺し屋の描くイラストが素朴なほのぼのテイストだったり、変なお笑い芸人が大好きだったり。非日常・非現実なものが日常に入り込んでくる奇異さ。
つかみどころのない主人公の性格も、想像の余地があって面白いのかもしれません。
まー何より、お話の設定が最高ですよねって話です。
伝説の殺し屋が一年休業。「一般人として大阪で暮らしてみよう! もちろん殺しはダメ!」というミッションを課されるところから物語はスタート。
一般人として溶け込まなきゃいけないってことで、凄味を悟られないよう弱いフリをします。輩にからまれたら「すいましぇんすいましぇん」と泣くなど。
しかしながら、時にやむを得ず力を発揮せねばならぬ場面が訪れます。
すると、弱者を侮ってイキッってる奴らが「ひぃ~許してください許してください」と泣いて懇願するみたいな展開になったりするのですね。こういうのは何回見てもスカッとします。
あるいは主人公のバディ(女性)もまた弱いフリをして、調子に乗った奴をおちょくって内心で大笑いします。嘲笑というよりは、言動の滑稽さをただただ面白がっている感じなのですが、まあ趣味の悪い行為です。
そこに痛快さと心地よさを感じてしまう――。認めたくないけれど、認めざるを得ない事実。だって面白いんだもの――。己の醜さを思い知らされるところでもあります。
まあ、あとから正体を明かしてびっくりさせるのは水戸黄門も同じですよね。勧善懲悪、スカッとジャパン。今昔みんな大好き物語。
圧倒的な強さ、カッコいいなぁ。「できる」っていいなぁ。
弱いと見せかけて実は死ぬほど強いとか、もし自分がそうなれたら怖いものなしなのになぁ。
そんな夢想とともに筋トレに励もうとして「グェ~~」と無様なうめき声をあげています。