人をハッピーにするお仕事『完全教祖マニュアル』感想

宗教について書かれた本書。ウケ狙いの内容かと思いきや、普通に勉強になりました。メジャーな宗教はもちろん、マイナーな宗教もちょこちょこ出てくるし、信仰のシステムもわかる。入門書として最適だと思います。

とにかく最初から最後まで感心しました。何事も物は言いようだなんだなと。

終始一貫して「なりきり」で書かれているのも愉快です。本書自体が宗教になっていて、信じさせる側と信じる側の気持ちを同時に味わえます。体験型読書です。

 
日本人は「自分は無宗教」と自認している人が多いといいますが、歴史についても社会についても、宗教なしには語れません。言語にしてもそうです。宗教にまつわる言葉って本当に多いですよね。何気なく使っている言葉が仏教由来と知って「へぇ~」と感心することはたびたびです。キリスト教のあれこれをモチーフとして取り入れた物語作品も多々ありますよね(馴染みがないので、いつもよくわからない)。

また、新興宗教を信仰する人たちの心理も興味深いところです。特に、私には理解が難しい教義を持つ宗教団体は一体どういうことになってるのか「?」がいっぱいです。

そんなふわっとした(俗っぽい)興味・好奇心を満たしてくれる『完全教祖マニュアル』。この本に書かれている本質を抽出すれば、さまざまに応用可能。生きる上で役に立つことでしょう。信者を集めたいと思っている人は必読の書です。

 

さて、本書を読みすすめるごとに、歴史的な流れや文化的な違いなど、気になるキーワードが頻出するので、思わず昔買ったまま放置していた本を引っ張り出してきました。

『もう一度学びたい世界の宗教』。ちょっと、これ、めちゃくちゃ面白いじゃない! とビックリ。関連本や映画まで紹介されています。なんでほったらかしていたんだ自分。

この本の存在を思い出させてくれた『完全教祖マニュアル』に感謝したいと思います。知りたい気持ちを呼び起こしてくれてありがとう。

 

信じる者は救われます。

信じる気持ちそのものに力があるのです……!

 

 

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