『双極性障害【第2版】双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療』感想とメモ

双極性障害について書かれた本を読みました。

2009年に出版されたものを改訂して、10年後の2019年に第2版として出版された本書。双極性障害と聞いたとき私が最初に思い浮かべるドクター、加藤忠史先生の著書です。

基本的な事柄に加え、ここ10年で新たにわかったことも書かれていて、ふむふむと興味深く読みました。と言ってももう2年前の本なんですよね。「うつに関わる本は全部読むぞ!」という気概はどこに行ってしまったのでしょう。はぁ。

それはともかく、感想を書きます。双極Ⅱ型障害と診断されている人が、特に印象に残った部分をピックアップしてメモする感じの内容です。

特に印象に残ったポイント

個人的に興味深かったのは次の3つ。

  • 「双極症」への病名変更について
  • 双極性障害は炎症と関係があるかも?
  • 双極性障害はカルシウムの調節に問題があるかも?

2つ目と3つ目は、可能性が考えられるけど、まだよくわからんという話なのですが、興味深い。どんな仕組みになっているのか、めちゃめちゃ気になります。

では、それぞれについて、もう少し詳しく書きます。

病名変更の話:なぜ「双極症」に変わるのか?

かつて「躁うつ病」と呼ばれていた「双極性障害」。WHOの診断分類「ICD」の第11版では「双極症」と翻訳されました。本書ではこの前後の病名変更の流れがわかりやすく説明されています。

詳細は本書を読んでもらうのが一番なのですが、自分なりに整理してみます。

まず、双極性障害は英語で「bipolar disorder(バイポーラー・ディスオーダー)」。

なぜ病気を表す「disease(ディジーズ)」ではないかというと、細胞の病理学的変化がわかっていないものは「disease」と呼べないからなんだそう。だから、秩序(オーダー)が乱れた(ディス)状態の「disorder(ディスオーダー)」が使われている。

なんだけど、ハンディキャップを意味する「disability(ディスアビリティー)」も「障害」と訳されているから、精神障害も治癒することがないみたいな誤解が生じちゃうかもしれなくて、よくない。

さらにさらに、障害の「害」はイメージが悪い、「障碍」あるいは「障がい」と書こうという人たちもいて、話がややこしくなっちゃってるよねと。

そういった混乱を解決するためにも日本語訳を変えましょう、「症」だったら悪いイメージもないし良いんじゃない? という流れ。

不安障害は不安症、パニック障害はパニック症、強迫性障害は強迫症。うん、これは良さそうだ。

まあでも「双極性障害」はすでに定着しちゃってるからそのままでいこう、ということでDSM-5はそのままだったんだけど、これからいよいよ「双極症」に変わる流れだよ、ということです。

とはいえやっぱり「双極性障害」の表記はまだまだ普通に使われてるっぽいので、一般人の私としては、時流を眺めつつ「双極症Ⅱ型です」とたまに言ってみたりしようかなと思っている感じです。

disease(ディジーズ):
原因・症状・経過など、どの細胞がどう変化するか解明されている病気

disorder(ディスオーダー):
秩序(オーダー)が乱れた(ディス)状態。原因などがわかっていない病気

disability(ディスアビリティー):
何らかの能力(アビリティー)が失われた状態

慢性炎症の話:双極性障害は炎症と関係があるかも?

双極性障害の人は平均寿命が短い。死亡率増加の原因は主に自然死で、心血管系の疾患が主。要因としてはタバコやアルコールなど生活習慣が関係しているのでは? という話から。

双極性障害では、原因はよくわかっていないのですが、慢性的に炎症があるのではないか、という研究報告があり、この慢性炎症も関係がある可能性があります。(Kindle 位置No.2457)

たったの一文なんですけど、ここめっちゃ気になる。

研究報告があるとのことなので、それを読めばいいんでしょうけどね。まあおいおいね、関連情報を追ってみたりね、はい。(やらなさそう……)

カルシウムの話:双極性障害はカルシウムの調節に問題があるのかも?

「双極性障害の原因にカルシウムが関係あると聞きましたが、どういうことでしょうか?」という質問に対する回答。

細胞の中には、いろいろなイオン(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)が含まれていて、細胞の中と外でイオンの濃度に差があるという話から、双極性障害では特にカルシウムが着目されているとのこと。

細胞の中と外での、カルシウムの調節に、何か問題があるのではないかと考えられているのです。(Kindle 位置No.2597)

一体どんな問題が……?!

カルシウム濃度が変わると細胞にいろいろ影響があって云々という解説を読み、何となくわかった気になって「なるほど~」と思いましたが、多分私はちゃんとわかっていないと思います。

双極性障害にカルシウムが関係するからと言って、小魚を食べれば良いとかそういう話ではないそうです(フフ)。

双極性障害に有効なリチウムは、カルシウムの関わるシグナル伝達系に働く作用を持っているそうです。

最後に

というわけで、気になったポイント3つ、病名変更と慢性炎症とカルシウムの話でした。

他にも、

  • 双極性障害は脳や遺伝子といった身体的な側面が強い疾病
  • 双極性障害の診断を受けて維持療法に入るまでに平均8年かかるといわれている
  • 双極性障害では、徹夜が躁転のきっかけになることがある
    → 夜一定の時間になったら、とにかく朝まで電気を消す、というだけで双極性障害の病症が落ち着いたという報告もある
  • うつ状態も軽躁状態もない、真ん中の状態にすることを目指そう
  • 抗うつ薬で焦燥感が強まる人がいる
  • ブレインバンク全国展開プロジェクト推進中

などなど、いろいろと参考になりました。すでに見聞きしたことのある内容でも、最新の研究でどこまでわかったのか、細かなところでも知っておくといいですよね。情報を探すときのとっかかりになります。慢性炎症の話とか(すごく気になっている……)。

各種おくすり(気分安定薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬など)についても、一つずつ詳細な解説があり、薬物療法がどんなものか理解する助けになります。このあたり、個人的な感想としては、なんだかとっても懐かしかったです。今の処方(ラモトリギン)に辿り着くまでにたくさんの薬を試してきたなぁとしみじみ。思い出のアルバムをめくるような気持ちでした。

双極性障害の本を読むと必ず書いてあるのですが、「軽躁状態に戻りたい」「何か物足りない」と感じるのはあるあるなんですかね。元気だった頃の自分に戻りたいですよね……。

読んでいるうちにちょっと落ち込んだりもしたけれど、私はげんきです。いや、元気じゃないですけど、最悪のときに比べればグッドです。落ち込んだのは、事例として紹介されている患者さんの経過と比べてしまったからなんだろうと思います。人と比べるのはやめましょう。

とりあえず我が脳をブレインバンクに預ける準備でもします。

 

1 COMMENT

シンジ君

ナミさん、、こんばんは^^

ナミさんのブログに出会った時は、今から、7年前ですよね。
自分は社会復帰目指して、、、職業訓練受けていた頃で、、、

自分も当時ナミさんブログの大ファンで、、、当時はずっと自分の鬱対策を勉強していました、、、ナミさんのブログ、、後U2pulus
さんの認知療法受けたり、、、「U2pulusさんの、うつ病当事者会に参加したり」

自分もそれで、、、ここ数年、「双極性障害」と言われて、、、
お薬から変わってしまって、、

自分「えっ、、あれだけ鬱対策勉強したのに、、躁って言われて、かなり戸惑っていますね。

双極性と言われたなら、、「うつ病のコミュニティーに自分が参加は控えておいた方がいいって思ったり、、、参加しても浮く可能性がって思う事もありますね、、、

でもあれだけ鬱(今でも苦しんでいるのに)その反対の躁も持っている、、、自分かなり悩んでいます。

お医者さんからは「躁の方が怖い)って言われています。

自分はそんな感じですね^^

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