うつ病と血液の関係 ~エタノールアミンリン酸が悲しみのマリーを救う?~

シャレオツなベッドの上でリラックスするマリー

こんなうつ病関連ニュースを読みました。

うつ病が血液検査で分かる時代に | QLifePro 医療ニュース

血液の数値でうつ病かどうかわかるのはスゴイ! でも、まだまだ実用段階には至らないようで、検証が必要な模様。

以前にも、血液検査によるうつ病診断について書きました。

うつ病診断のための血液検査・光トポグラフィー検査の必要性は……?

こちらでも紹介しましたが、「1000人受けて2人は見逃される」「うつ病なのに『うつ病じゃない』と言われてしまうかもしれない」といった指摘もあります。(参考

先のニュースの研究対象は64人。詳しいデータが書かれていないので何とも言えませんが、手放しに喜ぶのはまだ早いようです。というか、外部リンクの英文記事を読まなきゃいけないですよね。うん、あいきゃんのっとりーでぃんぐいんぐりっしゅ。ごめんなさい。

とりあえず、

「RNAマーカー」
「エタノールアミンリン酸(EAP)」

という単語は覚えておこうと思います(中身はよくわかってない)。

 

悲しみの原因は「血液細胞の増減」

血液検査と聞いてもう一つ思い出すのは、アランの「悲しみのマリー」。こちらも前ちらっとブログに書きました。

アランの幸福論に学ぶ、悲しまずにはいられないときの対処法

ちょうど今『幸福論』を必死こいて読んでいるところだったので、「血液」と「悲しみのマリー」が即座に結びつきました。

ここで登場する心理学の先生によると、

よろこびの季節が終わる頃になると、血球数が減少する。悲しみの季節の終わる頃になると、血球数が増大する。血球の減少・増大がその想像力の織り成す夢幻ドラマの真相だった。

そこには「血液一立方センチメートル中の血球数の変化を調べた」とあるんですが、これってエタノールアミンリン酸のことなんですかね? このアランの文章は1913年のもの。その当時はまだそこまで詳しくはわかってなかったっぽいですよね。どうなのでしょうか?

何にしても、うつ病や双極性障害などの気分障害に悩まされている方、「私は怠けているだけなんじゃないか」「甘えているだけだ」と自分を責めている方にとって、科学的データは救いになるんじゃないかなぁと思います。

ただし、血液検査としての信頼性は完全ではないので、あくまでも知識的な「鎮静剤」として。

落ち込みが激しかったり、死にたくなるほど苦しくなってしまうのは、血液細胞の増減が影響してるだけだよ。きっとよくなるから、気にしなくて大丈夫だよ。

こんな解釈、お一ついかがですか?

 

アラン先生のお言葉「気にすんな!大丈夫!」

『幸福論』まだ読んでいる途中なのですが、いくつか印象的な言葉がありました。

腎臓結石を患っている友人にアランがかけた言葉。

「この病気が人を悲しみに陥れるのを知っているのだから、君は自分が悲しんでいることに驚いてはならない。そのことで機嫌を悪くすることは何もないのだ」

さらに、「憂鬱症」から解放されるためには、自分にこう声をかければいいと言います。

「悲しみなんて、病気にすぎない。だから、病気を我慢するように我慢したらいいのだ。そんなに、なぜ病気になったのかとか、あれこれ考えないで」

あなたが悪いわけでもないし、心の弱さが原因でもない。病気なんだからしょうがないじゃん。とりあえず、傷口をほじるのやめよっか?

といったところでしょうか。

まぁそうは言っても、「そんなことわかってるんだけど、やめられないんだよー!」と絶賛うつうつ期の私が叫んでいる姿が目に浮かびます。

でも、ずーっと同じ状態が続くわけじゃないし、必ず何らかの変化は訪れるから、そのときが来るまではのんびり待とうよ、というメッセージなんですよね。

苦痛の原因はあなたではなく、血液細胞。
エタノールアミンリン酸(EAP)の仕業だ!

つらくなっときはこのことを思い出して自分を慰めることにしましょう。難しいことはよくわかってないけど。

 

アランの『幸福論』いろいろ

最後に『幸福論』のご紹介。

▼今読んでいるのは、岩波文庫の『幸福論』。神谷幹夫さんによる翻訳。

▼こちら、村井章子さんによる翻訳。日経ビジネスオンラインの人気連載を書籍化したもの。日経ウーマンオンラインでもコラムを連載中 → 幸福論 by アラン

▼岩波版に次いで、アマゾンレビュー数の多い集英社文庫。表紙が可愛らしいですね。白井健三郎さん翻訳。

▼噂によると、白水Uブックスの『幸福論』が易しいらしいです。アマゾンレビューでもオススメしている方がいらっしゃいますね。

この3つ(岩波・集英社・白水社)を読み比べてみるのも面白そうですね。

あぁ、読みたい本が多すぎて困る~。贅沢な悩みです~。ありがたやありがたや。

2 COMMENTS

さおり

ナミさん、こんばんは。
私は今日、アランの幸福論を購入したばかりです。購入した後、こちらの記事を読んだので、この偶然にびっくりしているところです。
私が購入したのは村井章子さん翻訳のものです。
「アランの幸福論」は聞いたことはありますが、内容は難しそうで手に取った事はありませんでした。
でも今日はなんとなく気になり、カバーもお洒落だったので購入してみました。パケ買いです。笑

分厚い本で文章も難しそうですが、チャレンジしてみようと思います。
ゆっくりじっくり読むことで、何かを得られたらと思います。

ナミさん、いつも素晴らしい記事を書いてくださりありがとうございます。ナミさんの記事に助けられたり、気づきを得たりする人は沢山いると思います。私もその一人です。

アランの幸福論を読み終えた時、何を感じるのか。少し楽しみです。
と言っても私は、読み終える自信には欠けますが…
意欲はあるんですけどね。苦笑

返信する
ナミ

さおりさん、こんばんは。

おぉ、それは奇遇ですね。そして、パッケージは重要です。本を開くモチベーションを高めてくれますよね。私も重視してますよ~。

幸福論はちょこちょこ味わいながら読める手軽さがいいですよね。ゆっくりじっくり、私も今味わっているところです。読み返すたびに新たな気付きが得られるんだろうなぁと思うとワクワクします。

さおりさん、私の方こそいつもあたたかいメッセージをありがとうございます。私にはもったいないお言葉で恐縮ですが、とても嬉しいです。

お互いの感想や気付きを共有しながら、新たな道筋を見つけていけたらいいなぁと思います。読書の秋、存分に楽しみましょう。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です