怒りや衝突を恐れている人は多い。自分が常に良い人でなければいけない、否定的な気持ちを抱いてはいけないと考えているからだ。
そんな話が『フィーリングGoodハンドブック』に書いてあり、なるほど確かにと納得しました。
でも、自分自身のことを振り返ってみて、怒りや衝突を恐れる理由はこれだけではない気がしました。
例えば、
- 「怒りをぶつけられる=人格否定される」と結びつくような経験をした
- 大声で怒鳴られたりわざと大きな音を立てられたりすると、ビックリして思考停止してしまう
- 冷静に言葉を選んで伝えたつもりでも、相手が否定されたと受け取って逆上するパターンを経験している
など。怒りの気持ちを上手に伝え合う成功体験がなくて、過剰にビビっちゃってるんですよね。
そんなわけで、怒りや衝突を恐れるなと言われても、それがなかなか難しい。パブロフの犬のように条件づけられて、反射的に怯えてしまうことが多いのです。
この本で言っているのは、「怒りの気持ちを抱くのは悪いことじゃないし、上手にそれを表現すれば、良好な関係を構築することができるよ」という話なのですが、荒ぶった声でガーッとまくしたて舌打ちしたりわざとらしくため息をついたり物をドンッと置いたり扉をバンッと閉めたりする形で怒りを表現するような人にビビらないための対策は書いていないので、このあたりの恐れを克服するにはどうしたらいいのかしらね、というお困り事は宙に浮いたままです。
いや、そういう人に対しても「共感+自己弁護しない+どう感じているか質問する」という方法で、相手の態度を和らげることができますよ、というアドバイスはあるのですが、「ビクゥッッッ!!」となって思考が停止してしまったら無理ですという心配もあり、難しいところです。とりつく島もないってこともありますし……。
多分このあたりは数をこなして、訓練しましょうってことになるんでしょうね。
一部を批判されただけで自分という人間をまるごと否定されたように感じてしまう思考パターンも、いい感じに修正していきたいものです。一事が万事ではない、もし「こんなこともできないお前は劣った人間だ」と怒りとともに否定された経験があったとしても、その言動は間違っていることを確認しよう(できないことがあるからといって劣った人間だとは言えない、最初からうまくできる人はいない、誰にでもできないことはある)と。
否定的な感情を否定しないためには、感情に流されず論理的に考える習慣をつけることも必要だなと思います。
過去の嫌な経験(特にパターン化され、くり返されたもの)が染みついちゃってる場合は、辛抱強くやっていかないといけないですね。
自分の気持ちを受け止めてくれる人はいると知るためにも、まずは「私はそれが好きではない」「私はいま怒った気持ちになっている」と小さな不満を伝えることから。自分の本音を口にする練習を重ねることで、得られるものはいろいろとありそうです。
その際は、コミュニケーション技法のポイントを思い出しながら。
- 相手の言い分に真実を見つけ共感する (「あなたの言うことはもっともだ」)
- 「私は~と感じる」と表現する
- 「正しい/間違っている」をジャッジしない
- 自己弁護しない
- どう感じているか質問する
(『フィーリングGoodハンドブック』p.539-544)
言うは易く行うは難しですが、チャレンジすることで経験値をためることができるので、頑張りましょう。みたいな感じです。
更新ありがとうございます。
幾度となく書かせてもらってますが、ナミさんもはや哲学です。 すごい。