【実例つき】気持ちをうまく伝えたいなら、両者を分析&3つの技を使うべし

コルネットを吹く女の子

自分の気持ちを理解してもらえないとき、どうしたらうまく伝えられると思いますか?

前回書いた「『誰もわかってくれない』 泣きたい気持ちをなだめる3つの方策」で挙げた伝え方のポイントは2つ。

① 相手を理解する
② 冷静に伝える

が、いくらこの2点に気をつけたとしても、具体的にどうやって伝えたらいいかは見えてきません。

そこで今日は、伝わりにくい気持ちをうまく相手に届ける方法をご紹介いたします。

「うつ病のつらさを理解してもらえない」という例を挙げて、実際に使えそうなセリフも考えてみました。似たような状況で悩んでいる方に参考にしていただければ幸いです。

気持ちをうまく伝えるための準備

「感情に流されないように伝えましょう」

そのためには、事前準備が必要です。特に、相手のとの間に不穏な空気が流れているときには、何気ない一言が爆発を引き起こしてしまうかもしれませんので慎重に。

必要なことは、

  • 自分の気持ちを整理すること
  • 相手の気持ちを汲むこと

伝えたいポイントと目的を明確にしておきましょう。

心の準備ができていれば、「うまく伝えるぞ!」と力まなくても自然に伝わります。むしろ伝えることよりも、話を聞くことの方が重要なのでしょうね。

それでは、実際に自分と相手の気持ちを整理していきましょう。

ここでは、次の悩みを例に考えてみます。

【お悩み】
うつ症状がひどくて頑張りたくても頑張れない。「良くなろうって気持ちが足りないからいけないんだよ」「いつまでも甘えていてはダメ」「そんなんじゃやっていけないぞ」といつも責められる。わかってもらえなくてつらい……。

自分の気持ちを分析する

自分が相手に何を求めているか整理するために、次の3つの質問に答えてみてください。

What:何をわかってもらいたい?
Why:なぜわかってほしいの?
How:どうすれば納得できる?

例えばこんな感じです。

【What:何をわかってもらいたい?】
頑張りたくても頑張れないこと。自分でもわかっていることを言われるとつらくなってしまうこと。

【Why:なぜわかってほしいの?】
彼/彼女のことが好きだから。大切な人に理解してもらえたら安心して療養できるから。

【How:どうすれば納得できる?】
体調が落ち着くまではそっとしておいてもらう。早く良くなる方法を一緒に考える。

相手の気持ちを汲む

次に、相手の態度について考えてみましょう。

問題1:理解してくれない

【What:何を理解できないの?】
頑張りたくても頑張れないこと。

【Why:なぜ理解できないの?】
「できない」という感覚がわからないから。うつ病になったことがないし、大病もしていないので身体的な不自由を経験していない。「私は無理して頑張っているのに」という思いもあるかもしれない。

問題2:甘えていると責める

【What:何が甘えだと責めるの?】
朝起きられないこと。仕事に行けないこと。悲観的な考え方。

【Why:なぜ責めるの?】
良くなってほしいから。以前のような元気を取り戻してほしいから。活躍を期待しているから。相手にとって自分が大切な存在だから。「私が頑張ってるのに家でダラダラしやがって」という怒りもあるかもしれない。

総評・まとめ

私の行動がもどかしくて、つい強い口調になってしまうのかな?
責めているわけじゃなくて、励ましているつもりなのかもしれない。
私のことが嫌いだったら、わざわざエネルギーを費やしたりしないよね。

・・・・・・

ここで考えたことが正しいとは限りませんが、「自分が相手の立場だったら……」と想像することで見えてくる答えはあると思います。これを前提にして対話を重ねれば、お互いの理解は深まるのではないでしょうか。

もし「私だったら絶対そんなこと言わないのに!」という怒りの気持ちが強いときは、もう少しクールダウンしてから考えましょう。

日記を書く習慣をつけると、気持ちを整理しやすくなります。

 

実践!自分の思いを伝える3つ技術

うまく伝えようとするよりも、相手の事情を察することが大切。

とは言え、いざ面と向かったら頭真っ白&感情に翻弄されまくり、なんてこともあるでしょう。

冷静に、穏便に、事を進めるために、以下3つの伝え方をご提案します。

① 要点を明確に:PREP法

ビジネスシーンで使われるPREP法を参考にすると、要点がつかみやすくなります。

<PREP法>
Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論の再確認
例1)
【Point】頑張りたい気持ちがあることを知ってほしいな。
【Reason】大切な人に自分の気持ちをわかってもらえると安心できるから。
【Example】この前、「無理しなくていいよ」って言ってくれてとき、ホッとして「早く良くなりたい」と思えたんだよね。
【Point】だから、頑張りたい気持ちがあることを知ってほしいな。
例2)
【Point】体調が落ち着くまでは見守っていてほしいな。
【Reason】自分でもダメだってわかっていることを言われるとつらくて、何も手につかなくなるから。
【Example】「良くなろうって気持ちが足りないからいけないんだよ」って言われたとき、そういう自分は死んだ方がいいんじゃないかと思えて、泣くことしかできなかったんだ。
【Point】だから、体調が落ち着くまでは見守っていてほしいな。

こんな感じです。

さらに、事前に考えた「相手の気持ち」を前提に、

「あなたが言うことはもっともだと思う」
「あなたの言葉の意味を私なりに考えてみたらね……」

というような前置きから始めると、相手もこちらの話に耳を傾けやすくなると思います。

② 「私は」+感情で語る

自分の言動を問いただされたとき、人は防衛的になります。誰だって批判されるのは嫌なものです。

「あなたはいつも私を責める!」
「あのとき○○って言ったのに!」

言葉にしなくても、こういう批判的な見方は態度に出てしまうものです。

だからこそ、相手の言動ではなく、自分を主体に語りましょう。

「わかってくれると(私は)嬉しいな」
「否定された気がして(私は)悲しかった」
「何もできない自分が歯がゆくて情けない(と私は感じている)」

嬉しい・悲しい・寂しい・悔しい・苦しいなどの感情は、相手を批判するものではありません。

相手がねじ曲げて解釈してしまうこともあるかもしれませんが、「あなたを責めているわけではない」と丁寧に話せば、わかってもらえるはずです。

③ 言葉より行動で

言葉をいくら重ねても、「言うだけなら誰でもできるだろ」と思われてしまうこともあるでしょう。

でも、行動したくでもできないのがうつ病。ここは粘り強くいくしかないですね。

うつ症状に苦しめられている中でできることは限られてしまいますが、どんな小さなことでもいいので、「行動」を積み重ねていきたいものです。

先の例、頑張りたくても頑張れないつらさを理解してもらうためにできるのは……

  • 一日の簡単な記録をつけて、定期的にチェックしてもらう
  • 「~がうまくいかないんだけど、どうしたら良くなるかな?」とアドバイスを求める
  • 散歩に付き合ってもらう など

行動するのが大変なときに行動しろというのは酷ですが、協力を求めることで、「頑張りたい」という気持ちは伝わるのではないかなと思います。

 

人事を尽くして天命を待つ

気持ちをうまく伝えるためには、焦らず、じっくり向き合っていきたいものです。

すべてに共通するポイントは、相手にメリットを手渡すことでしょうか。

「こうしてくれたら、こんないいことがあるよ」
「あなたのことが大好きだからこそ」
「いつもありがとう」

相手を喜ばせるつもりで接すれば、それは自分に返ってきます。自分の気持ちをゴリゴリ押しつければ、反発を招きます。

場合によっては、距離を置くことで、互いの理解が深まることもあるでしょう。

伝わる人には伝わるし、伝わらない人には伝わらない。

そんな割り切りも必要かもしれませんね。

【良好な関係を築きたい?】

【わからず屋さんに出会ったら】

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