友人・知人の近況報告を聞いて落ち込むことってありませんか?
私がチーンとなりがちなのは、仕事をバリバリ頑張っていることだとか、結婚・出産だとか、収入の話だとか。
最近はそういう話を聞いて心をかき乱されることは少なくなりましたが、以前の私は冷静でいられなかったし、喜びを語る相手に対して心から「よかったね」と言えませんでした。
話を聞くたびに自分の不甲斐なさを思い知らされるようで、泣きたくなりました。うらやましい気持ちが大きくなって、激しい嫉妬に変わることもありました。自分の足りないところばかりに目がいって、自分が無価値に思えました。
こんなふうに落ち込んでしまうのは、人と比べているからです。判断基準が他人だから、どんなに努力しても状況が好転しても満足できません。
今日は、そんな比較癖を直すために私が気を付けているポイントをまとめました。
療養生活。社会復帰に向けて。自分の人生を生きるために。
自分に自信を持てなくなったとき、思い出したいポイントです。
1.「できない」ではなく「できた」を探す
まずは自分ができたことを探します。「こんなことできて当然」「○○さんに比べたら全然ダメ」という考えは一切排除。
どんなに小さなことでもいいので、自分がやったことを一つ一つ確認してみる。
例えば、
「日中起きていられた」
「ご飯を食べられた」
「散歩に出かけた」
「花に水をやった」
「日記を書いた」
「歯を磨けた」
「お風呂に入れた」など
大したことじゃないと思うかもしれませんが、大したことじゃなくない! 調子がすぐれない中で、これだけのことをするのがどれだけ大変か。
例えば、私たちは当たり前のように歩いているけれど、赤ちゃんにとってそれは大変なこと。パパやママが、初めてたっちできた赤ちゃんを褒めまくるのと同じように、自分の成長を褒めてあげる。そして、その喜びを噛みしめる。
「やったね!」「すごい!」「頑張ったじゃん!」
子どもの頃、周囲の大人が褒めてくれたことを思い出しながら(あるいは、こうやって褒めてほしかったという理想を叶えるように)、自分を思いっきりイイ子イイ子してあげましょう。
2.世間・常識にとらわれない
空気が読めない=KYなんて言葉が一時流行りました。協調性を重んじることは悪いことではありません。
ただ、うつ病になってしまった人の中には、すっごい空気を読みすぎる人もいるんじゃないかなという印象です。一般常識、社会のルール、暗黙の了解。いつも周りの人の都合を最優先に考えていると、だんだん身動きがとれなくなってしまいます。
世間の声や常識を盾に意見をぶつけてくる人は、どこか無責任な気がします。「私がこう思う」ではなくて「みんながこう思う」が根拠だから。
でも、考え方は人それぞれ。置かれている状況も育ってきた環境も違います。それなのに、同じ基準で考えなければいけないなんてちょっと窮屈です。
「人は人、自分は自分」
人の顔色ばかり伺うのではなく、自分が正しいと思うことを信じましょう。みんなが正しいと言うことでも、「何かおかしいな?」と感じたら、その直感を大事にする。自分が納得していることは前進するためのパワーになります。
「~しなければ」「~すべき」ではなくて、「~したい」を大切に。
「できないものはできません」と言える勇気を。
3.比べてしまう相手を見ない
人と比べるのをやめようと思っても、長年培ってきた考え方はなかなか変えられません。
そこで私は、比べてしまう相手を遮断することにしました。遮断と言っても、相手を見ないようにするってだけですけどね。
影響を受けやすい友人と会う回数を減らしたり、ブログやSNSを見ないようにしたりして、できるだけ視界に入れないようにする。
その他にやったことは、好きなことに集中して自分の世界に浸ること。孤独を楽しむこと。どうしても落ち込みから抜け出せないときはひたすら眠ること。
引きこもるというとイメージが悪いかもしれませんが、自分の価値観を知るために自分の内面に目を向けることも大切です。
4.比べるのは「他人」でなく「過去の自分」
人と比べずにはいられないときは、過去の自分を比較対象にしましょう。そして、自分の成長をクローズアップします。
もしダメなところを見つけたら、次はどうしたらうまくいくか考えます。くれぐれも自分を責める材料にはしないように。
体調が安定するまでは、「病気になった今の自分」と「元気だった頃の自分」を比べて落ち込んでしまうこともあります。そういうときは、過去を冷静に分析できるようになるまで、思い出を心の引き出しにそっとしまっておきましょう。そして、とにかく休むこと。
昨日より今日、今日より明日、というように、「これから」を良くする方法を考えていきたいものです。
5.自然に楽しめそうなことを探す
何でも良いので自分の好きなことをやりましょう。何も楽しめなくなっているときは、「これをやってるとちょっとはマシかな?」というものを探すことから。
ワクワクする気持ちを大切に過ごしていると、自然と元気が出てきます。好きなことだから、苦しむことなく続けることができます。そういう小さな「できた」の積み重ねが、大きな「できた!」につながります。それは自信になります。
心から楽しんでいるとき、人と比べて落ち込むことは少ない気がします。自分が満足していれば、わざわざ欠点を探して自己否定する必要はなくなります。
周りのことなんて忘れてしまうくらいに、思いっきり好きなことに没頭しよう!
私の場合、「私なんかが楽しんですみません」とネガティブ思考が発動することもあったんですが、趣味を楽しむことで得られる喜びは回復のための原動力になりました。
自分基準のワクワクをカウントしていきましょう。
最後に
人と比べることがすべて「悪」というわけではありません。仲間と競いながらお互いを高め合うのは素敵なことです。
でも、喜びも充実感も持てず、嫌々やる競争はプラスにはなりません。
まずは自分が「楽しい」「嬉しい」「心地良い」と思えること。これを忘れずに、日々を過ごしていきたいですね。
【こちらもあわせてどうぞ】
・「世界のどこかで餓死する子供たち」と自分を比べて落ち込んでいませんか?
・人と比べて落ち込んでいるあなたへ ― 人生を比較する際のお作法
初めてコメントさせて頂きます。
ナミさんのブログは、読んでいて気付かされる事が多く、一方でうつで苦しむ人への気遣いが溢れていて、いつも更新を楽しみにしています。
プロフィールを見ると、年齢・未婚・読書や服作りの趣味などが一緒でびっくりしました。勝手に親近感を抱いています。
私は6年前に仕事が原因でうつ病になり、何度かの休職を経て、一年前に仮復帰をしました。
復帰したものの、仕事がバリバリできる同期・結婚していく後輩・出産や家を建てる同級生…等々と自分を比べ、ものすごく落ち込む日々をくりかえしていました。
もちろん今も落ち込みますが、ナミさんの記事のように、少しでもできる事が増えた自分を褒めてあげたいなと思います。
また記事内の「比べてしまう相手を見ない」という言葉は、一見逃げているようで嫌だなと思ってしまう自分がいるのですが、実は自分を守るためにはとても大切な手段だなと思いました。
お医者さんにも「立ち向かうばかりじゃなくて、うまく避けるのも一つの手ですよ」と言われた事に通じる気がします。
これからもブログを楽しみにしています。
>エミさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
エミさんの温かいメッセージに心洗われました。私、自分の言葉が誰かを傷付けているかもしれないとビクビクしながら更新しているチキン野郎なものですから。そう言っていただけると嬉しいです。
さらに、共通点も多いようですね。アラサーのお一人様! 読書と服作りが趣味の人に悪い人はいません(独断と偏見)。
仕事に復帰されたとのことで、よかったですね。もちろん大変なこともたくさんあるとは思いますが、エミさんは冷静にご自分を分析してらっしゃって。見習わないと。周囲の方々の充実ぶりも気になりますよね。私がエミさんの立場だったら……と想像したら、ヒュルルルル~と白目になってどこかへ飛んでいきそうになりました。大変喜ばしいことですが、つらいところです。
「逃げ」に関する考え方も同感です。私も逃げることが嫌で、ムダに立ち向かってはボロボロになっていました。でも、エミさんがおっしゃるように自分を守ることも大事なことなんですよね。先生の言葉もまた優しくて心強いです。
落ち込むことも多々ありますが、それをネタと笑いに変えながら進んでいきたいものです。
エミさんもお身体に気を付けてお仕事行ってらっしゃいませ。陰ながら応援しています。
ナミさん、お久しぶりです!
いかがお過ごしですか?
沢山のコメントの返信で疲れてしまわれたんじゃないかと思い、コメントを躊躇しておりました(^◇^;)
空いてる日を狙ってみたんですが、体調良くない時は無視しちゃって下さいね!
今回の内容、、とっても共感できました。
まさしく、私そのものが書かれている様で、、(笑)
心の中の声、正直に話せないとゆうか、理解してもらえない様な気がしてまして。。
最近、やっと友人と会う事が出来て、先週で3回目だったんですが、3回目は、すごく苦手な相手が加わった私を含め5人での飲み会でした。
そこで、ナミさんが書かれている様な事(その人を見ないなど。)を実践してみました。
始めは、ド緊張して、何か言われやしないか?とかぎこちない態度だったんですが、その他の友人とばかり話していたら、少し楽になれました。
私に対して攻撃的だったり、否定的な相手には、ナミさんの言われている通りにすれば、自分がとても楽なんだなぁと実感しました!
ただ、これからはあまり会いたくない相手でもあります。
また、ナミさんのブログを何度も読み返して、参考にさせて頂きます(^-^)
いつも、ありがとうございます。
ナミさん、くれぐれもご無理なさらず、マイペースでやっていって下さいね♪
>ぴろさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。さらに、コメントのタイミングまで考えてくださって。お心遣いに感謝感謝。お陰様で、ヤル気を出したり落ち込んだり屁をこいたりしながら、それなりに元気で毎日を過ごしております。
そうですか、ぴろさんも人と比べちゃうタイプですか。一緒ですね。心の中の声、私も全然正直に話せません。それで一人でモヤモヤ考えてこじらせています。最近は、話したいことだけ話せばいいやーと思えるようになって少しラクになった気がします。
苦手な相手と席を共にする、これはかなりレベルが高いダンジョンです。他に3人の友人がいるとなると、むげにもできませんしね。そのような状態で冷静に対処したぴろさんはすごいと思います。私だったら欠席という物理的拒否で自分を守ることしかできなかったでしょう。攻撃的な人や否定的な人はどうしても苦手で。私にはまだまだ修行が必要です……。
私もぴろさんのコメントにいつも気付きや学びをいただいています。こちらこそ、ありがとうございますですよ~。
マイペース、これ大事ですね。無理せず楽しみながらやっていこうと思います。ぴろさんもマイペースで心地良い日々をお過ごしくださいませ。
はじめまして。こんばんわ。くまと申します。
ブログを拝見させていただき、優しい言葉に励まされました。
今回の内容は、現在の自分の事のように感じました。
私は強迫神経症とうつがつらくなり、今年の3月に退職しました。
現在求職中ですが、上手くいかず無職です。
自分自身で選択した道ですが、仕事を続け頑張っている兄弟・友人や自己実現に励む方々と自分を比べて落ち込む日々が続いています。
今までの人生を振り返って私はどうにも不器用で、上手に生きられない人間のようです。でも上記5つの事柄を、少しずつでも実践し、あまり他人と比べずに心穏やかに生きていけるようになりたいと感じました。
貴重なお話、ありがとうございました。
>くまさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
病気を抱えながらの仕事探しは大変ですよね。その上、今の雇用情勢は厳しいですし。
周囲の頑張っている人たちの姿を見るとどうしても比べてしまいますよね。私もこの記事を書いておきながら、周りを見ては落ち込んでばかりです。家族も友人も誰も私のことを責めてなんていないのに、被害妄想で勝手に傷付いて。なかなか難しいですね。
退職という選択もまたつらいところですね。病気が理由なので仕方のないことなのですが、悔しい気持ちや情けない思いがあるかもしれません。
でも、こういう苦しみを経験したくまさんだからこそ出来ることが必ずあると思います。それに、私は不器用な人の方が好きです。自分が不器用だからでしょうか。完璧すぎる人は、まぶし過ぎて直視できません。
就職活動は大変だと思いますが、くまさんに合った仕事が見つかるといいですね。私も自分なりの生き方を模索していこうと思います。
人と比べてしんどくなったときは、ゆっくり休んでエネルギーを充電しながら。陰ながら応援しています。
こんにちは。
お返事いただきありがとうございます。
先日は焦燥感がひどく、悲しくなり、誰にも話すことが出来なかった気持ちを書き込みしてしまいました。私の書き込みが、ナミさんの心理的な負担になっていたら申し訳なく思います。
書き込みをした後も、人と自分を比べてしまい、「なんで自分はこんなにダメなんだろう」と考えてしまいました。考え方を変えることは中々難しいです。
でもいつかは自分のことを認めて、受け入れられるようになりたいと思います。
焦らず少しでも「出来る事」を探していきます。
ご自身も体調がすぐれない中、励ましの言葉を頂きありがとうございました。
ナミさんも、ご自愛ください。
>くまさん
お心遣いありがとうございます。
くまさんの書き込み、負担になるどころか、とても嬉しく思っていますよ~。こういう気持ちは普段の生活では言いにくいことなので、こちらに吐き出すことで少しでも気持ちが軽くなったらいいなと願っています。それに、お互いの気持ちを共有することで落ち込みが和らぐこともありますしね。またいつでもお気軽に書き込んでいってくださいませ。
すぐに考え方を変えることはできませんが、少しずつ少しずつ自分の良いところを見つけながら進んでいきたいですね。
くまさんに心地良い日々が訪れますように。
はじめまして。
ななと申します。
うつ病で苦しくて、あちこちのブログやサイト、本を読んで見て回っているうちに、ようやくナミさんのブログにたどり着きました。
拝見させて頂いて、まさに、苦しい胸の内が等身大で書かれていて、自分が今までモヤモヤしていたのはこれだ!と気付かされ救われた気がしました。
また、ナミさんの書かれるアドバイスは、小さなことから始められ、自信になります。
紹介して下さる本やCDも興味深くて参考になります。
ナミさんのブログがありがたいです。
ありがとうございます。
ななさん、はじめまして。そんなふうに言っていただいて恐縮です。でも、とってもとっても嬉しいです。ありがとうございます。
私もななさんと同じように、いろいろな本やサイトを見て回って、モヤモヤを解消してくれるような情報を探していました。とにかく苦しみから解放されたかったんですよね。
そうやって悩んで迷っていたときのことも含めて、私が思ったことを好き勝手に書いているだけなんですが、だからこそ共感していただけると「私だけじゃないんだー」と嬉しくなります。
うつ病は回復に時間がかかるので焦ってしまいますが、少しでもななさんの心と身体が軽くなることを祈っています。どうぞお大事になさってくださいね。
あたたかいメッセージをありがとうございました。