「当たり前」ができなくて落ち込んだとき必要な考え方

仲良し(犬と金魚)

「普通の生活に戻りたい」
「バリバリ働きたい」
「みんなと同じように頑張りたい」

強くそう願っているのに、抑うつ症状が長引いて頑張れない。焦る。不安になる。ひどく落ち込む。

そんなことはありませんか?

強力な負の感情に支配されたとき、そのしんどさから逃れるのは簡単ではありません。

  • うつ病で療養中
  • 復職を目指している
  • 「早く元に戻らなければ」と焦っている
  • できない自分に失望してばかり

そんなとき思い出したい言葉があります。不要な落ち込みを減らし、穏やかな気持ちで過ごすための考え方です。

主治医が教えてくれた「できない自分」との向き合い方

思うように頑張れないと「できない自分」にガッカリします。引け目を感じることもあります。「このままだったらどうしよう」と考えれば、不安も生まれます。

私が療養していた頃は「とにかく早く回復しなければ」と焦っていました。しかし、もがいてももがいても這い上がれない。ダメな自分が嫌で仕方ありませんでした。

そんなとき、主治医は言いました。

「60%できたら合格と思ってね、」

この言葉に込められたメッセージは一体何でしょうか。私が受け取ったポイントは次の3つです。

1. できないのは甘えや怠けではない

うつ病になると、当たり前のことができなくなります。

朝起きられない。ご飯を食べられない。何も楽しめない。眠れない。散歩もできない。電車に乗れない。身のまわりのことさえできない。

とてもつらいことです。でも、それは責められるようなことではありません。病気になった人が今までと同じ生活を送るのは難しい。当然のことです。状況が違うのだから。

うつ病について調べてみてください。できないのはあなたの努力不足ではないとわかるはずです。うつ病とはそういうもの。「当たり前」ができなくなる病気。元気だった頃の60%できたら出来すぎと言ってもいいくらいなのでは? 全力ではなく60%の力を出せたら十分なのですよ、と。

<参考>
うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

2. 理想が高すぎるからうまくいかないと感じる

リハビリのために決めた計画を実践できない。仕事探しがうまくいかない。復職したもののミスを連発。不調で休んでばかり。何の結果も出せず、迷惑をかけているだけ……。

必要以上に落ち込んでしまうのは、完璧を求めているからです。あるいは、目標が高すぎる。

高すぎるハードルは跳べません。失敗を許さないスタンスは心を擦り減らします。

できなくても大丈夫。完璧な人間はいません。

少しずつできるようになればいい。同じ間違いをくり返さなければいい。

一つずつ積み重ねることで、できることが増えていきます。

3. 余裕がないと失敗しやすい

コップに水を注ぎましょう。いっぱいいっぱい注ぎます。表面張力が起こるギリギリのところまで。よし、じゃあ、それを向こうの部屋に運びましょう。

……こぼしますよね。

ギリギリの状態でうまく処理するのは難しい。疲れると集中力もなくなります。混乱してとんちんかんなジャッジを下してしまうかもしれません。

だから、余裕が必要。

「60%できたら合格」は、ゆとり・スペースを意識するための考え方。

250mlのコップには150mlの水を。それならこぼさず運べます。

水60%

自分の力を発揮しやすいベストバランスを探せ!

「60%できたら合格」と考えて気楽にいこう

「頑張れない自分」「うまくできない自分」はダメじゃありません。

思うようにできないのは、不調だから。「できない」と落ち込むのは、理想が高すぎるから。失敗してしまうのは、余裕のないギチギチの状態で力を出そうとしているから。

だから、「60%できたら合格」と考えて気楽にいきましょう。

力を抜いても大丈夫。多分あなたの頑張りは、平均からすれば80%、90%ぐらいのレベルなんじゃないかと思いますよ? だから今は40%OFF! 

今の自分にできることを無理のない範囲でやる、それが何より大切なこと。

「できなかった」ではなく、「できた」に注目していきたいですね。

 
>>次のページ:「60%できたら合格」ってどういうこと?なんで60%なの?

3 COMMENTS

鈴木祥太

自分に優しく、完璧を求めないようにしてもつい完璧を求めて、できない自分を責める癖がなかなか抜けないです…少しずつ、変わっていきます。今日も素敵な記事をありがとうございます!

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尾上凛々

いつも拝見している凛々です。ナミさんの今回の記事、今の私の心境そのものです。何度か投稿させていただいてますが、私も休職する前は、仕事に翻弄されてました。専門職(SW)でありながら、行政職という立場、専門職団体の所属、何でもやらなければならないという錯覚。周囲からの期待(実際わかりませんが)、まあいろんな葛藤があり、人間関係はあり、あの頃は何だったんだろうか・・目先の困った人を解決に導きたいが、厚労省や県の新規事業・立ち上げで悩み、不眠やイライラから相手にきつい態度をとったこともあります。今は、休職して1年3か月過ぎようとしていますが、家事をしたり好きな温泉に行ってますが、休んでいるという感覚はほとんどないです。自動思考(過去の失敗やこの先の不安)が24時間以内に突然襲い、その感情はモヤモヤとしたもので、ひどい場合はリーゼで対応。診療内科と同時に認知行動療法を行ってますが、過去と未来なんてどうでもいい。とにかく、今のこの瞬間を感じることや深呼吸による自律神経のコントロールを行ってます。
今日これから午後、職場へ1年以上振りで上司に会う予定です。近況報告のほか今後どうしたらよいか、相談するつもりです。ナミさんの記事の中に、
•うつ病で療養中
•復職を目指している
•「早く元に戻らなければ」と焦っている
•できない自分に失望してばかり
これが全部あてはまります。
カウンセリングでは、悪い事や心配事に心を奪われていれば、現実になる。大丈夫という気持ちでいれば、悪い事には決していかない。不安が自動的に出てきたら「また出てきたな・・」と客観視することで、現実に戻る訓練をして、何とか今はそのスキルにて、日常生活は歩めてます。こう考えると、いかに自分の中で起きていることに対し、その対応や考え方なんだと頭では理解しておりますが、なかなか簡単にはいかないですね。
次回もナミさんの記事、楽しみにしています。今はそれが救いです。

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ぱっくん

1年弱療養して前とは違う職場にパートですが就職しました。

前の勤め先にはなかった医療用パソコンを駆使する職場でなれない入力に戸惑う日々です。

60%を意識して無理せずやっていきます。

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