「もう死んじゃいたいな」
そう思うことはありますか?
吉本ばななさんの本に、心身が疲れたときに実行すると良いことが書かれていました。(『おとなになるってどんなこと?』p.90)
自殺が近づいて来たなと思ったら、落ち着いて生活を整えてください。
- 朝は決まった時間に起きる
- なるべく体を動かす
- 眠れなくても早くふとんに入る
- インターネットに費やす時間を制限する
- 淡泊で良質なものを食べる
- 煩雑な人間関係やお酒とか性欲にはあまり近づかない
「これは生涯を通して役立つ教えなので、若い人にも伝えておきたい」と吉本さん。
煩雑な人間関係を避けることは難しいですが、それ以外のことは、コントロール可能なことが多いので、できる範囲で実践していきたいところです。
吉本さんが言うとおり、これだけで気持ちはかなり落ち着くと思います。
素敵な人生を送るために頑張らなくてはいけないのか?
自殺は、愛の貯金がなくなったときにするのものだと吉本さんは言います。
愛とは、愛という名のエネルギーのことだと解釈しているのだそうです。
続けて、愛についてこんなふうに表現しています。
人生の初めに親からたくさん愛をもらっていると貯金はなかなかなくなりませんが、そうでないとなにか困難なことがあったときに一気にエネルギーがなくなってしまいます。そこから這い上がるのは簡単なことではありません。(p.88-89)
でも、愛の貯金は与えることで貯めることもできる。だから、人に与え、自分が成長することを学んでいこう、せっかく生まれてきたんだから、と。
実際には、「愛の貯金を人にも与え、自分が成長することを学ぶために、せっかく生まれてきたので、なくなった貯金をまたためていくには、生きているしかないんです」と書かれています。「せっかく生まれてきたので」が前後とつながっているのか、正確な意図がうまくつかめないのですが、愛の貯金を貯め、喜びを感じられるように生きるという方向性に違いはありません。
けれど、必ずしもそれを目的に生きる必要はないと私は思います。
もちろんそうやって生きられるのならば、そのようにするのが素敵です。
でも、それを目指すことでしんどくなることもあります。
なぜなら、人に与えることで、愛の貯金が貯まることは確かだけれど、すべての好意がそのまま他者に伝わるとは限らないから。特に言葉は難しいし、人間関係も単純ではありません。
愛の貯金を貯めようと必死に働きかけても、結果を得る前に力尽きてしまったら意味がない。
だから、愛の貯金を貯めることを目的にする必要はないと思います。つらくなるくらいなら、無理に愛という名のエネルギーを貯めようとしなくてもいいんじゃないか、マイナスにさえならなければいいんじゃないかって。
ただ、人に何かを与えることで、いい感じの気持ちになれるのは確かなので、いい感じの気持ちを少しでも多く感じられる人生を過ごしたいなら、そうするといいね、とは思います。
それに、自分を大切にすることで、貯金を貯めることもできるでしょうから、まずは小さな肯定から始めればいいのではないかと思います。
たぶん吉本さんが伝えようとしていることも、そういうことなのだと思うのですが、自己肯定感が育っていない人の気持ちを想定すると、前提に差がありすぎる気がします。だからちょっと眩しい。
誰かの考えは自分の考えではない
○○のために人は生まれてきた云々といろいろな人が言いますが、その答えは本人が自由に決めればいいことなので、おのおの好きに考えればいいと思います。
人を傷つけることや人の自由を侵害することを是とするのでなければ、あとは自由。「生きる意味なんてない」と考えるのも自由です。
外野がそれに対してどうのこうの言う権利はない。できるのは、自分の気持ちや願いを伝えることだけ。
たとえば、死を願っている人に対して「あなたが死んじゃうともうお話できなくて寂しいから、死んじゃやだな」とか。
あなたの思いをあなた以外の人間が否定することはできません。
愛の貯金を貯めるも自由、愛の貯金を貯めないも自由。
あなたは、わたしは、自由です。
当然すべて手放しで自由ということはなく、大事なものを傷つけず、丁寧に扱うことが前提にはなるけれど、きっとその心得を、貴方や私は持っています。
ときには愛の貯金を奪われることもあります。愛の貯金を奪うこともあるでしょう。
そんな事実に直面したとき、どうするのか?
その答えは誰も教えてくれません。たとえ「こうすべき」と言う人がいたとしても、それはその人の考えでしかありません。
最後に
苦痛を避け、快楽を得たいと人は考えます。
そのためにどうすればいいか、私にはよくわかりません。
ただ、冒頭で紹介した吉本ばななさんの教えは有用だと思います。
実行すれば、きっと心身をいい状態に保てるはずです。
心や体が疲れて、センチメンタルな気分になったときは、ぜひ試してみてください。
- 朝は決まった時間に起きる
- なるべく体を動かす
- 眠れなくても早くふとんに入る
- インターネットに費やす時間を制限する
- 淡泊で良質なものを食べる
- 煩雑な人間関係やお酒とか性欲にはあまり近づかない
いろいろしんどいこともあるかもしれませんが、何とかやっていきましょう。
あなたに穏やかな時間が訪れますように。
<本日の一冊>
吉本ばなな (2015)『おとなになるってどんなこと?』筑摩書房
私は障がいのある6才の男の子を育てています。生きていると楽しいこともありますが、辛いこともたくさんあります。たまに心や身体が疲れてしんどいときにこのブログを訪れています。毎回すごく助けられています。
吉本ばななさんの本、読んでみようと思います。辛い時、心に響く言葉に出会うとその言葉を支えにして生きていける気がします。
ありがとうございます。
本当に死にたい気持ちが高まってきました。もう堪えられそうにありません。何かアドバイスください。
>あつさん
とてもつらい気持ちを抱えていらっしゃるようで心配です。
まずは信頼できる人に相談し、専門家の助けを求めることをおすすめします。困ったときの相談窓口など、サポートしてくれる組織があります。
以上のことは理解した上で、それでもどうにもならない気持ちにどう対処したらいいのか。その答えをこのブログでは模索しています。答えはいまだに見つかりません。更新を続けながら、「私も何とか生きているよ」とサインを送っている状況です。
あつさんの心が少しでも軽くなりますように。