寂しさを癒す星空観察のすすめ ― 冬の夜空が私にくれたもの

満天の星空

連日厳しい寒さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

今年は暖冬で、例年に比べると「寒い寒い寒い!」と連呼する回数が少ないかなぁと思っていたら、いきなり大寒波がやってきて、身体がうまいこと対応できていません。寒い。雪の日は指先足先が死ぬ。寒いのは苦手です。私は夏が好きなのです。

さて、冬が苦手な私ではありますが、冬には冬の良さがあります。

その一つが、星空。

冬の空気は透明感があります。パキッとしていて刺すようだけど、澄んでいる。氷のような美しさ。そこで瞬くたくさんの星たち。

いやぁ、事実を述べているだけなのに、星空を見て発した言葉は自然とポエティックになってしまいますねぇ。美しい景色が心を浄化してくれるからでしょうか。

空気の透明度が高いと、星がよく見えるそう。

星を見えにくくする原因は、地上の明るい光。冬は空気の透明度が高いため、地上の光が反射されずに抜けて、たくさんの星が見えるのだとか。

そんな日は、明かりを消して、じっくり空を見る。

星空観察のお誘いです。
 

冬の星座を探そう

冬の星座

  • オリオン座の赤い一等星ベテルギウス
  • おおいぬ座のシリウス
  • こいぬ座のプロキオン

この3つを結んだものが冬の大三角。

オリオン座の真ん中に並んだ3つの星を右上に延ばしたところにある、おうし座のアルデバラン。さらに延ばしたところにある「すばる」。

どれも名前は聞いたことがありますが、私が自信満々で見つけられるのは、オリオン座ぐらい。

よくわからないなりに空をひたすら眺めていると、だんだん自分という存在がぼやけて溶けていくような感覚になります。

そして頭に浮かぶのは、アリスで昴の谷村新司さん。素敵なおじさまは歌う。

「我は行く さらば昴よ」

うむ、確かに。わたし今すばる見てたはずなのに、どっか行ってた。

それが私の天体観測。いや、これは観測とは言わないですね。星座を探そうとしても、すぐボーっとしちゃって。なんか全部どうでもよくなるような。そして、それが心地好い。

先日も、上に書いた星座のいろいろを教えてもらったので、頑張って探してみたのですが、やっぱりボーっとしちゃって。我は行くさらば昴よ状態。まぁ、この歌詞もよく意味がわからないですけどね。壮大な感じがして好きなんですが。

できることなら、「イマ」というほうき星を君と二人追いかけたいところです。
 

夜明け前の空

夜明け前、朝6時くらいには金星が見られるそうです。「明けの明星」「宵の明星」として知られる金星。南東の空で一番明るい星。マイナス四等級の美しさ。

太陽と月を除けば、金星より明るい天体は存在しないのだそうです。 その明るさと美しさはローマ神話に登場する愛と美の女神・ビーナスに例えられたそうな。

この朝方の時間帯、金星を観察していたわけではありませんが、ただただ空を眺めていた時期がありました。毎日午前3時に目が覚めて、そのあと全然寝つけなかった頃。真っ暗だった空が少しずつ明るくなっていく様子は美しいものです。朝を迎えようとする光景は希望を感じさせてくれます。空気が爽やかで、心も少し晴れ渡っていくような。

寒空の下の散歩もまたオツ。キンキンに冷えた透明感のある外気と、自分の中にある真っ黒なドロドロの対比をはっきり感じられます。どんなにどよ~んとしていても、やっぱり自然には敵わない。不穏な感覚も緩和されます。それがわかると、ちょっとだけホッとします。
 

月の光

夜明け前の空や早朝の爽やかさはとても良いものですが、心が潰れてしまいそうなくらい苦しかったとき、私の心を落ち着かせてくれたのは、真っ暗闇の空でした。

闇の中で光る月や星が私を慰めてくれるような気がしました。自ら光を発する太陽よりも、太陽の光を受けて控えめに姿を見せる月の優しさが身に沁みて。

そんな月を見て、涙が溢れたことがありました。わけもなくポロポロ泣けてきて。自分でもなぜだかわからなくて、まぁ心が弱っていたんだなと思っていたのですが、今はそれだけではない気がしています。

それがどのようなものかうまく言えないのですが、ジブリ映画「かぐや姫の物語」を観たときに、共通する感覚を見つけました。長調の歌が短調に変わったときのあの切なさ。月に帰らなければならないことに気づいたかぐや姫の想い。遠くの月を見つめながら湧き上がった気持ち。

あーもーちょっとコレもっかい観た方がいいですね。観てもどうせうまく言葉にできないでしょうけど、納得はできるでしょう。
 

見上げてごらん夜の星を

今日は星座の話をしようと思って書き始めたのに、やっぱり星座はどっか飛んでっちゃいましたね。でも、星座を探すのはおもしろいし、星座にまつわる神話を聞けば、夜空の風景がまるで違って見えてきます。そう、子供の頃、星座の図鑑にそういった話が載っていて、「うおーそうなのかー」と興奮したことを思い出しました。

空を見上げて「同じように今空を眺めている人がいるのかな~」なんて考えるのも素敵ですね。孤独感や虚無感で力を失ってしまったとき、そういう想いが何かしらのものを授けてくれます。

曇りの日の夜空も嫌いじゃないです。自分の心を体現したようなモヤモヤ感。どんな空模様でも空は美しい。

キレイなものをキレイだと感じられる心、大切にしていきたいですね。
 

【センチメンタルな気分のときに】

<本日の作品>
・高畑勲監督作品 「かぐや姫の物語」

本当に素晴らしい映画ですよね。先ほども書きましたが、見終わったあとにすごく納得感があります。「あーそういうことかー」って。それがどういうことかうまく言えないので、言葉にでき次第また書こうと思います。

・谷村新司 「昴-すばる-」

この曲は歌詞を味わうというよりは、全体を感じるための音楽なのでしょうか。歌詞だけを見ていると「?」ですが、聴くとわかった気になれます。不思議な歌です。

・BUMP OF CHICKEN 「天体観測」

見えないモノを見ようとしたり「イマ」というほうき星追いかけたりする歌。私の青春ソングです。着メロにしてました。着メロ16和音に感動していたあの日……。

・坂本九 「見上げてごらん夜の星を」

見上げてごらん夜の星を 涙がこぼれないように(違う)

夜空を見上げて涙を流すのは、なかなか良いデトックスになると思います。

風邪をひかないように、暖かくしてくださいね。

2 COMMENTS

あたま

今日は、寒すぎて、一目散に帰宅しました。
ナミさんのような心のゆとりがほしいものです。
坂本九は、渋すぎます(笑)
やっぱり、デビットボウイでしょう。

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はな

ナミさん、こんにちは。
以前もコメントさせて頂いたはなと申します。
いつもナミさんのブログに共感したり、励まされたりしています。

私もナミさんのような穏やかさと冷静さ、ゆとりがほしいです。
最近は出口の見えないトンネルで足踏みしている感じで…
なかなか難しいものですね。

これからもブログ楽しみにしています。

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