ある恋愛相談のアンサーに印象的な言葉がありました。
お悩み相談 その796「男性恐怖と恋愛」 | ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室
信頼関係を築くポイントは、
自分の居場所じゃなくて、相手の居場所を作る。
これは恋愛に限らず、すべての人間関係において言えることですよね。
Tomy先生はこんなふうに説明しています。
恋愛って、「相手の状況や心境を汲み取って、相手が過ごしやすいようにする」という思いやりが基本だと思うのよ。
大切な人と良好な関係を築くには、相手の居場所を作る思いやりの心が必要。彼・彼女が喜ぶ顔を想像しながら……。
でも、たとえ相手のためであっても「私だったら……」と自分基準で考えてしまうと、よろしくありません。
相手と自分は違います。仲良くなれる関係だからきっと共通点は多いのでしょうが、すべて同じではない。「私だったら○○されるのが嬉しい」という考えは、相手に自分の価値観を押し付けることになるだけかもしれません。
さらに、「みんな」「普通は」という考えも要注意ですね。
「どうしたらあの人は笑顔になるかな?」
「あの子は何が好きかな?」
と、あくまでも相手に注目して、その人の立場で考えてみることが大切。そして自分も笑顔になれたら最高。
……と言うのは簡単ですが、実際はなかなか難しいものです。私自身「普通は」「常識的に」「比較的に」という言葉で物事を計ってしまいがちなので気を付けないと。
ケンカしなくても良好な関係は築ける
よく「お互いぶつかり合うことで、気持ちを分かち合える」みたいな言葉を聞きます。
確かに、気持ちは言わなきゃわかりません。なかなか言えない気持ちをストレートに表現するとぶつかってしまうこともある。それは悪いことじゃない。そのことでよりお互いを深く理解できるんだ! と。
でも、私は親しい人と衝突したことはあまりありません。いや、まったくないってことはないんですけど、「ケンカするほど仲が良い」という言葉はあまりしっくりこないんですよね。
私が気持ちを押し込めて我慢してしまう性格だからという面もあると思います。相手に言わずに(言えずに)心の中でグチグチ悩んで。
あとは、白黒はっきりさせないと気がすまないからでしょうか、「この人とはわかり合えない」と思ったらさっさと見切りをつけてしまいます。毎日顔を合わせなければいけない場合は最低限の挨拶だけ。超上っ面の付き合いになります。
それでも、長く続いている関係もあります。
そういう相手は間違いなく器が大きい。こんな私のことをずっと温かく見守ってくれていて。きっと気持ちをぶつけると引いてしまう私の性格を理解してくれていたのでしょう。だから今でも切れることなくつながっている。もちろん「馬が合う」ということも大きいんですけどね。
多くを語らず、私の「この気持ち、わかって!」という心の叫びをちゃんと受けとめてくれる人。
そうやって今まで「私の居場所」を作ってくれたんだなぁ~と思うと胸が熱くなります。
果たして私は相手の気持ちを汲んであげられただろうか。「あなたのために」という自分の思いを押し付けていなかっただろうか。
そう考えると、自分はまだまだちっぽけな人間だと思い知らされるばかりです。
もっと寛大な人間になりたいなぁ……。
大切な人に自分の気持ちを理解してもらいたいときは?
「私の気持ちをわかってほしい」
誰もが持っているこの願い。
叶えば嬉しい。叶わなければ悲しい。悔しい。腹立たしい。
そうしてネガティブな感情が膨らんでいくと、「なんでわかってくれないの?!」と攻撃的な言葉に変身してしまいます。
でも、自分が相手を理解しようと寄り添えば、相手も理解しようと歩み寄ってきてくれる。その法則を忘れないことが良好な人間関係を維持する秘訣かなと思っています。
まずは、相手が過ごしやすい「居場所」を作ってあげること。
「居場所を作る」というよりは、じっくり相手の気持ちに耳を傾けていたら自然に「居場所」ができてたという感覚なのかな~とも思います。
私なりの「相手の心に寄りそうコツ」は、
- 「なんで?!」「どうして?!」と声を荒げる前に、一呼吸置く
- 相手が話し終えるまで口を出さない
- 「ありがとう」「ごめんね」を忘れない
言い方も大切ですね。穏やかに話を聞いてくれる相手には、誰だって自然と心を開くもの。
対人関係はそれぞれの思いが複雑に絡み合っているので、時間をかけて向き合っていくことが必要です。
からまった糸をギュッと引っ張ると余計にこんがらかってしまいます。
焦らず、根気強く、少しずつほどいていきましょう。
参考になったかしら?