「イケア 収納問題かたづけ体操」をご存知でしょうか。この体操を知ったきっかけは、津村記久子さんのエッセイ『くよくよマネジメント』。たしか、「なやんだら、ポーイ」というフレーズに衝撃を受けて、その歌を口ずさみながら部屋を片づけたらゴミ袋がいっぱいになった。というような話だったと記憶しています。そんなに効果があるのか!と驚いて、強く印象に残ったのでした。
いざ動画を視聴して感心しました。これは、よき販売促進活動です。ほんのり楽しい気分が広がり、最終的にイケアの収納家具をゲットしたくなる流れになっている。が、本題はそこではありません。問題はあのリズム、「いる いらない いる いらない」「なやんだら、ッポーーーイ!」。確かに、このフレーズが頭の中で流れ続けたら、片づけの手はいつもより軽快に動きそう。そういえば前に似たような話を書きました。音楽をかけながら掃除をすると、自然に体が動くよ☆というアドバイス。
「嫌なことでも思わず集中しちゃう裏ワザ」(掃除+音楽) を試してみた
けれど、同時にひっかかりもあります。本当に「いる・いらない」の二択で判断していいのでしょうか。私のためらいの正体は「あとで後悔したくない」という思いです。が、そもそも、二択問題を出されると警戒してしまいます。まず「それ以外の選択肢もあるでしょ」と思うし、「ははーん、そうやって考える隙を与えず、勢いで商品を、あわよくば大きめの家具をたくさん買わせる作戦だな」と引いて見てしまう。
しかしながら、我が家が今どんな状態になっているかを思い出せば、そんなことを言っている場合ではありません。迷い、先送りにし、捨てられなかった物・物・物。その山を前にして、まだ「保留」という選択肢を取ることはできるのでしょうか。
つまり、今の自分には「なやんだら、ポーイ」的な勢いが必要なのです。
迷いとは何か……
そんなことを考える前に、まずは手を動かせという話なのですが、腰が重たいですね。
いや、だってさ、「いる、いらない、なやんだら、ポーイ」って、それやってったら最終的に自分をポーイしたくなるよね。それができなくて今もこうしてぐずぐずしてるんだと考えたら、それは迷い続けているからこそ。つまり即決も考えものってことじゃん?
……とやらない言い訳を並び立てるのだけは年々手慣れていくのです。はぁ、どうしたもんか。
