『Chatter (チャッター)』という本を読みました。
どんなことが書いてあると聞かれたら、サブタイトルをそのまま言えばOK。すなわち、「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法について。ああ、なんて親切。
なるほどと思うところがたくさんありました。もはや注目ポイントがたくさんありすぎて、把握できてない感ありです。メモしながら思いついたことを書き加えていく作業をくり返していたから、最初のほうは忘れてしまいました。
とにかく読み応えがあった。言い換えると、読むのがちょっと大変だった。頑張って読みました感。いや、脱線が多すぎたのかもしれません。たくさんのインスピレーションを与えてくれる本という紹介の仕方もありかなと今思いました。
「チャッター」とは「頭の中のひとりごと」。本文中では「しゃべり声」とか「内なる声」とも書かれています。
チャッターは本来とても役に立つもの。だけど、時に暴走して有害になっちゃうことが多い。頭の中で悲観的な考えが堂々巡りして参ってしまう「ぐるぐる思考」のように。それを何とかしたいよねという話です。
本書はまず、内なる声、チャッターはなぜ存在するのか、というところから始まります。
このあたりは「不安やうつはなぜ存在するのか」について論じられた本『なぜ心はこんなに脆いのか』や『うつ病の真実』にも通じるとこあるな~と思いながら読んでいました。
『なぜ心はこんなに脆いのか:不安や抑うつの進化心理学』感想 | ナミうつブログ
『うつ病の真実』野村総一郎 ― 臨床医が書いたうつ病の概念史 | ナミうつブログ
そして、チャッターが引き起こす問題。あるある~、わかる~、と頷きながら読むパートです。
わかりやすい比喩が各所に散りばめられていて、理解を助けてくれるのでありがたい。カメラのレンズとズームボタンとか、サーモスタットとか。DNAは「細胞の奥深くに鎮座するピアノのようなもの」ってところはちょっと興奮しましたね。自分自身への理解が深まるようで、何だか嬉しい。
あとは実践。悩みの取り扱い方です。
問題からズームアウトする、すなわち問題と心理的な距離を置くこと。
他人の視点を手に入れる、これは少し前に書いた「自分の名前を口にする」方法です。
考えたくないことを考えてしまうのはなぜ? 反芻を減らす方法 | ナミうつブログ
そして、チャッターを落ち着かせる方策、予防策のようなものも挙げられています。例えば、環境調整やプラセボの話。今すぐ実践できそうなものばかりです。
先にも書いたとおり、たくさんのハウツーが詰まった一冊なので、気になったものから一つずつ試してみるのがよさそうかなと思います。
自分が試してみたいと思ったのは
- 自然や緑地を活用する
- 一人称の自己対話
- 自分流の儀式
- 秩序づくり
このあたり。
頭の中のしゃべり声、ぐるぐる思考に悩まされている人は一読の価値あり。きっと役立つハウツーが見つかるはず。
私も少しずつ実践して、またよい結果が得られたら報告します。