『人間関係を半分降りる:気楽なつながりの作り方』感想

前回内容の一部を紹介した鶴見済さんの『人間関係を半分降りる』、今回は全体通した感想を書きます。

するすると読み終わりました。共感賛同できる部分が多かったからかな。何より「こうしたい人はしていい」という尊重が鶴見さんの基本スタンスだからでしょう。押しつけが一切ないので、ストレスなく読めます。

鶴見さん曰く、この本では普段言わないこと、言いづらいことを書いたとのこと。確かに私も同じような考えを持っているけど人には言わないもんな……。おかしなことは何一つないんだけれど。それくらい”世間”の”圧”は強い。

この本を読みながら自分自身のことを考えました。私は人間関係を「半分」降りるどころか、「ゼロ」にすべく舵を切っていたと思います。でも、人間のことを考えすぎてたから、それでちょうどいいくらいだったのでしょう。以前に比べれば落ち着いた今、もうちょっと舵をゆるめて、半分あたり、ほどほどに保つことを目指してやっていくのがいいのかなと思います。

「あきらめ」と「受容」はセットになっているというのが自分の実感としてあって、この本を読んでいるときにもそれを感じます。あきらめることは、現状の自分をそのまま受け入れることなんですよね。ギリギリキリキリするような緊張状態が続いたあとの緩和、リラックスというより放心状態みたいな、その空気感が心地よいというか。

鶴見さんの家族のことも、話の断片からそのしんどさがうかがえます。みんなそれぞれに何かを抱えながら生きているんだなということを改めて実感できて、他人の人生についても思いを馳せました。

「これいいな、やってみよう」という具体案がいくつもあり大変参考になります。孤独と友人関係の捉え方もなるほど!と膝を打ちました。静かで落ち着いていてどこか突き放したような鶴見さんの語り口が心地よくて好きです。しんどくなったとき読み返したくなるような本、読んでよかったと思える本でした。
 

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