ホトちゃんの「○○はどーおー?」が好き

2021年8月、雨上がり決死隊解散のニュースが話題になっていました。ネット上にたくさんの意見が上がっており、気になってアメトーーク特別編の動画も見ました。

放送やコンビ解散については多くの人が語っているので割愛するとして、自分の中でちょっとした発見があったので、今日はそれを書きます。

「アメトーーク」「ホトちゃん」というキーワードを与えられたとき真っ先に思い浮かぶシーンについてです。

 

アメトーークについてぼんやり思い返してみて気づいたんですけど、私、トーク中にくり出されるホトちゃんの「○○はどーおー?」という話の振り方がものすごく好きみたいです。

特に、あまりしゃべれていない若手芸人に話を振るときの感じ。言い方がいいなぁって。優しさを感じるからなのでしょうか。ただ司会としてお仕事してるだけとも言えますが、あの雰囲気で話を振られたら、うまく話せそうな気がします。変なプレッシャーを与えない言い方なんですよね(当の芸人さんからすればどんな言い方でもプレッシャーは物凄いのでしょうが)。

他の芸人さんに比べると間延びした感じなんだけど、確実にあなたに回答権を与えますという力強さがあって、でも、「面白いこと言えよ?」という脅しが含まれていない。すっごいつまんないことしか言えなくても、言葉につまってもフォローしてもらえそうな安心感。「なんかネタ持ってる? ちょっとそれ言ってみたら?」ぐらいの心地よい温度。笑いの戦場で差しのべられる手。

宮迫さんも話を振ることはあったと思いますけど、どんな言い方だったかな? はっきり思い出せないな……。いずれにしても、ホトちゃんの「○○はどーおー?」という伸びやかさはなかったと思います。

別にこれは良い悪いの話じゃなくて、好みの問題。宮迫さんは面白いことをする係、ホトちゃんはツッコミあるいは何もしない係という役割分担だから生じる空気なのでしょう。

こういうコンビの関係にしても、番組全体のバランスとしてもそうですが、笑いにはメリハリが必須なんだなということを改めて感じました。違うタイプの人間が並ぶから緩急やアクセントがついて面白い。全員が芸達者でグイグイ出てくる人だったら、笑いが大渋滞して大変。一歩引いて、立ててくれる人がいるからこそ笑いって爆発するんだなぁと。

そういえば、アメトーークのプロデューサー・加地さんの『たくらむ技術』を読んだときに、ナイナイ矢部さんの引き立てる能力はすごいという話が書いてありました。自分は一歩引いて周りを面白くするための黒衣に徹する、何もしていないように見えるけど、ものすごく上手に回していると。彼は場を完全に支配しているみたいなニュアンスで書いてあったような(あやふやな記憶)。これって場の空気を理解していないとできないことですよね。芸人さんってすごいなぁ。

 
ここ数年はほとんどアメトーークを見ていなかったので、限られた記憶の印象から話しているのですが、番組内のホトちゃんは話をしっかり聞いてくれる雰囲気があります。「へー」「そうなの」「なんで?」といったシンプルな相槌で、余計な言葉を差し挟まない。だから、出演者は自分が大好きなことを思いっきり話せる。そうやって、集まった人たちがのびのび楽しそうにやってるのが、見てて微笑ましいんだろうなーとアメトーークの魅力を再確認しました。

 
私個人の生活においては、複数人で集まって雑談をする機会ってほぼないのですけれど、もしそういう場面に出くわしたら、ホトちゃんみたいな雰囲気で、みんなの話を平等に聞ける人になれたらいいなーと思いました(仕切りはできないので、せめて聞く姿勢だけでも)。

出しゃばらず、シンプルな相槌で、相手の話を聞く。

うーん、これ、簡単なようで、実はすんごい難しいやつですね。

 

 

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