年を取るほど時間が短くなる?実時間と体感時間について

人ん家の子供に会うと「大きくなったねぇ~」ってつい言っちゃいません?

自分が子供の頃はそうやって声をかけられるたびに「大人はみな同じことを口にするなぁ。他に言うことはないのか。オリジナリティがない。つまらん」みたいなことを感じていたのですが、いざ自分が歳を重ねたら、まったく同じこと言っちゃってて、まさにオリジナリティのない人間ここにありだぜ! と苦笑いと妙な納得感がないまぜになったような気持ちで、しまりのない表情を晒しております。

というわけで、歳を取るほど時間が経つのが早く感じられるようになるよね、というのが本日の話題です。

結論を先に言うと、「今この瞬間を大切に」「充実した日々を過ごしたいですね」という無難すぎるお話です。

ですが、そこに至るまでの過程で、ちょこちょこ興奮する事柄がありましたので、それをざっくり書いてみたいと思います。

ジャネーの法則じゃねーよ、ジャネの法則だよ

「10歳が感じる10年は、50歳が感じる10年の5倍」だとか、「80歳まで生きるとすると、体感としては20歳で人生の半分の時間を終えている」というような話を聞いたことがあります。逆数とか積分とか何やら難しそうな解説もちょいちょい見かけます。

その類の話を聞いて「なるほどー!」と面白がると同時に、その数値の正しさはどうやって調べたんだろう? 時空って伸び縮みするんじゃなかったっけ? と疑問に思っていました。が、難しい話は苦手でスルーしていました。

で、先日また同じ話を耳にして、今回こそはと思い立ち、調べてみることにしました。

まず、思いつく言葉でテキトーに検索してみると論文がいくつかヒット。これ全部読むのはしんどいなぁと思いながら、他のサイトを見てみると、「ジャネーの法則」というキーワードがちらほら目につきました。

しかし、「ジャネーの法則」で調べてみてもピンとくるものがない。Wikipediaページでは、ピエール・ジャネが著書で批判的に紹介しているとの注釈があり、原典(『記憶の進化と時間観念』1928年)を探すも見つからず。これを参考文献に挙げている論文はいくつかあるのに! Wikipediaの英語ページもないし!

読めないと思うとますます気になります。何としてでも読みたい。入手できなくとも、アクセスする手段があることだけでも確認したい!

そんな思いで検索を続けると、ある個人ブログがヒット。そこにはフランス語で書かれた原書の、ブログ筆者による翻訳が掲載されていました(この方、一体何者!? と驚きつつ、凡人にはできないことをさらっと記した日記ブログに出会えると興奮します)。

年を取ると時間が短くなる~ジャネの法則(仏語原書に即して): テンメイのRUN&BIKE

甥っ子である心理学者ピエール・ジャネ曰く、おじさん(哲学者ポール・ジャネ)の説明は面白いけど、「物事が限りなく変化に富む病理学的事実の前では、維持できない。」とのこと。

だよねぇ~、やっぱりそうだよねぇ~と頷く私。数字を使った説明にしても、巷で見聞きする解説より、もっと素朴でわかりやすい。

とはいえ、体感時間とか時間評価に関する研究はいっぱいあるみたいだし、範囲を限定すれば数値化できる部分もあるのかなぁと思ったり。

いずれにしても、時間の長さ、体感時間がどうであれ、充実した時間を過ごしたいものですね、という月並みなメッセージに至ります。ありきたりとは言っても大事なことで、「今この時を充実させよう」とは事あるごとに思います。

時間は画一的なものじゃない、ベタ塗りじゃない、変化に富んだものなんだ、面白いねーってことでいいのかな。詳しくは研究者にお任せして、吾輩はこの前買ったマンガでも読むとするか。

そんな感じで、引き続き、しまりのない日々を過ごすことになりそうです(しまりがないからといって、充実していないとは言えない)。

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