キャベツくんとブタヤマさんに許されて私は今日も生きる

長新太さんの絵本が好きです。その世界に触れると、やさしい気持ちになれるから。

初めて読んだ長新太さんの絵本は『ゴムあたまポンたろう』。

ピンク色の空と『ゴムあたまポンたろう』と思しき人物(?)の愉快さに惹かれて手に取りました。

内容は何だかよくわかりませんでした。でも、心をがっちり掴まれました。ふふっとなっている自分がいました。思い出すだけで、何だか楽しい気持ちになってきます。

その後、キャベツくんシリーズを手に取りました。

キャベツくんとブタヤマさんの掛け合いが楽しいお話です。そして、どこか哀愁があります。黄色・緑・青の風景もすてき。

読了後はいつも「なんなんだよ」と思います。それが心地いいんですよね。思わずこぼれる笑みとやさしい気持ち。「よくわからん」「なんなんだよ」と言いながら読むのがすごく楽しい。気づけば、ブタヤマさんが驚くときの「ブキャ!」をリアクションに使っている自分がいるのでした(心の中で)。

2005年、長新太さんが亡くなったとき、学校の図書館に追悼コーナーが設けられていました。たくさんの長新太作品が並んだそのコーナーは壮観でした。「なんなんだよ」感が溢れていました。当時の気持ちをあえて言葉にするなら「ロックだな」と感じていたような気がします。いつもは楽しさでいっぱいなのに、そのときには寂しさが相まってノスタルジックでウェットな気分もありました。あのとき見た風景は今でも目に焼き付いています。

私が長新太さんの絵本に出会ったのは、ある程度大きくなってからでした。もし幼少期にこれを読んでいたらどう感じたのかな? と考えます。もしかしたらあまりピンとこなかったかもしれません。輪郭線のないラフな塗り込みは苦手だったし、子供の頃の私はすごく発想が乏しくて頭が固かったので。まあ今でも発想が豊かだとはとても言えないんですけどね。

青色以外で描かれる空の絵が好き。
ムラのある塗り方の絵が好き。
一見テキトーっぽく見える絵が好き。

キャベツくんとブタヤマさんのことを思い出すと、私は許されたような気持ちになります。

ゴムあたまポンたろうのように、ぽよ~んばい~んと飛んでいく脱力系の存在でありたいと思います。

長新太ワールドの中にいるとき、私はいつもやさしい気持ちです。
 

<本日の作品>
『キャベツくん』1980年

『ゴムあたまポンたろう』1998年

その他、キャベツくんシリーズはこちらから。

<ただいま葛藤中>
今グラニフで長新太コラボTシャツが販売されていて、めっちゃほしいんですけど、断捨離したばかりで物を増やしたくないため葛藤しています。

シャツもすごい可愛い。あぁぁぁぁ。。。

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