未練がましい自分が嫌で腐っているとき聴きたいスキマスイッチの「キレイだ」

雑然とした部屋

いろんなことが望みどおりにいかなかった。

力なくため息を吐く。

こんなはずじゃなかったのに。

戻らないものはもう戻らない。

それでもやっぱり……。

ロクでもない自分、浅はかだった自分、情けなく引きずり続ける自分が嫌いだ。

 

……という歌を聴いたので、その感想などを書きます。

この曲のタイトルは「キレイだ」。スキマスイッチがw-inds.に提供した曲です。今回聴いたのはスキマスイッチバージョンですが、w-inds.の印象も強いです。というのも、身近に熱心なw-inds.ファンがいたので、耳にする機会が多かったんですね。2004年の楽曲です。

恋人のことを忘れられず、いつまでも未練を持っている「僕」。女々しい自分を自嘲しつつも、写真に写った恋人は美しく、それを破ることができない、あぁ、あぁぁぁぁぁ~といった心境を歌っています。(恋人とは言っていませんが)

それで「僕」の口から冒頭の言葉が出てくるわけですが、これがまぁ非常に馴染みのある言葉じゃございませんか。

今までなぜ気づかなかったのかわかりませんが、このタイミングで聴いたからこそ歌詞の内容がスッと入ってきたんですかね。抑うつ期にはほとんど聴いていなかったので。さらにそれ以前、w-inds.バージョンで聴いたときは、ボーカルの慶太君が「キレイだ」と歌った後に、「いや、君の顔の方がキレイだから」とややキレ気味に突っ込むという楽しみ方(?)をしていたので、それ以外の印象が薄かったようです。

と言いつつも、6と9に例えた言葉遊びは印象的です。君と僕は6と9みたいに正反対で、「キュウ(9)に一人にされた居間では」「ロク(6)でもない僕が残った」。「キュウ」と表記されると、きゅうりのキューちゃんが思い浮かんじゃうんですけど。「食べ散らかしたインスタントの空っぽ容器」と少し乾いたきゅうりのキューちゃん。そして思い出される69のふたり。

あと、「キレイだ」は曲調が好きだったんですね。軽快なテンポとメロディーラインが良いです。前奏や間奏に入る裏拍を追うメロディ、あれはなんですかねシンセサイザー? 軽快に進んでいくビートの上をズルズル~っと人差し指で撫でつけようとするみたいな感じ。通常の時間の流れと、茫然としている「僕」の時間の流れとのズレをあらわしているようにも聞こえます。

それから、何と言っても「浅はかだったな」のところの音が特に好きです。コードが絶妙。専門的なことはよくわかりませんけど、このコードがなければ、この曲の魅力は半減するんじゃないかってくらいここでグッとくる。胸のつっかえの存在を教えてくれる音です。

曲の最後は「やっぱり君は…」とすべて言い切らず、ダラララ言いながらフェードアウト。「あぁ……」といった感慨が残ります。

改めて全体をふり返ってみると、この曲に漂っているのは「鬱」じゃないんですよね。歌詞の中にもありますが、ベースにあるのは「憤り」。だから、自己嫌悪しつつも、前に進むエネルギーがゼロになったわけではなくて、気分を切り替えようとするんだけど、ちょっと投げやりで。部屋で一人タバコをふかして腐ってるイメージが浮かびます。このやさぐれ感が非常に良い。で、大橋さんの歌声がどんよりを爽やかに変えてくれます。

「雨待ち風」という曲でも「僕」は失った君のことを想っているんですけど、こちらは美しいんですね。描かれる情景もメロディーもキレイ。センチメンタルで、ピアノの音色が胸に染みます。さらに別の曲「さみしくとも明日を待つ」も共通する切なさがあります。泣きたいときに聴きたい感じですかね。

こうやって見ていくと、スキマスイッチに薄汚れたやさぐれ感はないと気づきます。きゅうりのキューちゃんが臭ってくることなどない、君がくれた手紙を紙飛行機にして飛ばす、そう、「僕」が見ようとしているのは希望の空なのです。(適当)

紙飛行機

では、最後に。

切なさや寂しさや憤りや自己嫌悪に対する「僕」の対処法は一体なんでしょうか?

・・・・・・

正解は、繰り返し見たカンフー映画を観て気を紛らわす、でした。

気分がクサクサしたときはぜひお試しください。

 

<本日の一曲>
スキマスイッチ 「キレイだ」 2005年

3 COMMENTS

みつき

お邪魔します。

歌ネタということで私の好きな歌を(誰も聞いてませんけど)。
矢野顕子さんと宮沢和史さんのデュエットで「それだけでうれしい」。
お二人のハモリが良いのですが残念ながら矢野さんver.しか→https://www.youtube.com/watch?v=3Sw8N6ooxPQ
歌詞が好きです。

スキマスイッチでは「雫」が好きです。

お目汚し失礼しました。

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あたま

矢野顕子さんいいですね。
私は、忌野清志朗との
ひとつだけ、という曲がベストです。

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