「何の役にも立てない自分には価値がない」
そんなふうに感じて、つらくなってしまうことはありませんか?
「あなたがいてくれるだけで十分」ってそんな言葉、嘘臭くて鼻がもげるわ! 自尊心? はぁ? 誰も私のことなんか尊重していないだろう? こんなふうに扱われた自分を尊重できると思うの? バカじゃない?
……などなど、人それぞれ思うところはあると思うのですが、自分を貶めるとつらくなることは確かなので、少しでも苦しさを和らげるためにはどうしたらいいか今日は考えたいと思います。
自尊心を手に入れる4つの方法
自尊心を損なうことなく、心をよい状態に保つにはどうしたらいいのでしょうか?
抑うつ克服法を学べるセルフヘルプ本『いやな気分よ さようなら』に、次の4つの考え方が示されています。
1.「価値」という概念を捨てる
これを私なりの言葉に言い換えるなら、「猫のように生きる」です。
言葉を持たない動物は、概念という小難しいものをこねくり回したりしません。当然「価値」という考えもありません。
窓際で日向ぼっこしている猫を眺めてみましょう。
猫は「我輩には価値がある!」と言って威張ることはありません。反対に「私は役立たずだ」と弱気な発言をすることもありません。
何となくそんな仕草をしているように見えることはあるし、似たような感覚は持っているのかもしれませんが、あくまでそれはこちらの考えをアテレコしているだけです。
「価値」は物質ではないので、手に取ることも、測ることもできません。単位だってありません。
当たり前のように使われている言葉なので、そういう物があるような気がしているけれど、そんなものはないですよ、価値とは実にむなしい概念、悩みと悲しみのもとになるだけものですよ、と著者のバーンズ氏は一つの考え方を示します。
それでも無価値感が拭えないときは、「まぼろし~」と人差し指を立てて迫ってくるIKKOさんの姿を思い出しましょう。
2.「すべての人に価値がある」という考え方を受け入れる
「『価値』がむなしい概念だなんて、そんな悲観的な生き方は嫌だよ」
そう考える人向けの方法が2つ目。「すべての人間に価値がある」という一貫した考え方を受け入れることです。
すべての人に価値がある。赤ちゃんも、お年寄りも、病気の人も、障害がある人も、あなたも、私も、生きる人すべて。笑っていても、泣いていても、眠っていても、リラックスしていても、何もしないでぼんやりしていても、あなたには価値がある。
生まれてから死ぬまでこの価値体系は変わりません。こうして存在している以上、どうやったって「無価値」になることなどできないのです。
何をしても、何をしなくても、あなたには価値がある。
「そんなの全部キレイ事だ」「人の価値に差がつけられている現実を見てみろよ」と言いたくなったときは、「まぼろし~」と人差し指を立てて迫ってくるIKKOさんの姿を思い出しましょう。
3.自分を責める不合理な考え方が自尊心を奪うと理解する
あなたの心を川にたとえましょう。
さらさらと穏やかに流れている川は、自尊心が保れた状態です。
この流れが、何らかの障害によってせき止められたとき、自尊心は損なわれます。
障害となるものは何か? 自己破壊的な考え方です。自分の悪いところばかりピックアップして侮辱したり、「ダメダメダメ」とまるで呪いをかけるかのように、ひどい言葉を浴びせ続けたり。
そんな黒くてドロドロしたものを次々と川に投げ込んだらどうなるでしょうか?
美しさは損なわれ、近づくだけで心身が蝕まれる、汚染された川になってしまいます。
その原因をつくっているのは誰?
自分自身が原因の大部分を占めていることは少なくありません。このことを理解しましょう。
自己破壊的な考え方を変えることはできます。私のパソコンは「自己破壊的」を「自己は快適」と変換してくれました。素敵な子です。
4.自分自身をVIPのように扱う
自尊心を手に入れるためには、自分を尊ぶ、大切にすることが重要です。
そのためには、自分自身を大切な親友のように扱いましょう。
著者のバーンズ氏はこんな問いかけをします。
あなたが尊敬するVIPが、ある日突然に訪問してきたと想像してください。その人をどうしますか。
VIPとは、Very Inportant Personの頭文字をとったもの。あなたの世界における要人は誰ですか? どんなふうにおもてなししますか?
一番良い服を着て、最高級のワインと食事を用意し、彼が心地よく楽しむことができるように、できるかぎりのことをするでしょう。そしてどんなに彼を大切にしているかを示したと確信し、彼があなたとともに時を過ごしてくれたことを誉れに思うでしょう。さあ、なぜ自分にはそうしないのでしょう。
ベリー・インポータント・パーソンであるあなたは、あなたにとって、非常に重要な人物です。
最後に
改めて、自尊心を手に入れる4つの考え方、まとめます。
- 「価値」という概念を捨てる
- 「すべての人に価値がある」という考え方を受け入れる
- 自分を責める不合理な考え方が自尊心を奪うと理解する
- 自分自身をVIPのように扱う
自分の考えは意外と間違っていることも多いし、感情だってあまり当てになりません。
その不完全さを理解して、「OKだよ」と言ってあげることが大切なんでしょうね。
自尊心を手に入れるためには、プラス面・マイナス面の両方をしっかり見つめることが大事だと言いますが、自分を責めて、つらい気持ちでいっぱいの人は、とりあえずプラス面だけに注目しましょう。
マイナス面は見ちゃダメです。なぜなら、ダメなところばかりが自動的にクローズアップされるプログラムが出来上がっちゃってるから。見たくなくても勝手に見えちゃいます。嫌ですね。
こうなると頑張ってプラス面を探すようにしても足りないくらいかもしれません。慣れないうちは、自分の良いところを素直に認められないですしね。
それでも大丈夫です。人は変化する生き物なので、少しずつ練習すれば、よい心の状態を保てるようになります。
と言っている私もまだまだ訓練中の身です。
お互い、これからもそれなりにやっていきましょう。
<参考書籍>
デビッド・D.バーンズ (2004)『いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法』野村総一郎ほか訳 星和書店 pp.351-356
ナミさん、こんばんは。今日、日課の散歩をゆっくり歩いている時、自分を(VIP待遇)、いちばん大事にして心地よくさせる事、楽しめる工夫をする事が大切だなぁと思いました。ついついウォーキングは血流が良くなるから鬱にいいとかの理由で必死に自分に課して行動していたのですが、そうじゃないんだなって。少しはナミさんの伝えてくださってる事が解ってきたのかな?まだまだですが、、、。☺️
追伸
去年末から鬱へと調子を崩している私にとってこのブログは本当になくてはならないものになっています。いつもそう。そして調子が良くなると忘れる❗今日、他でコメントしようかなと思ったら、去年の同じ頃に私のコメントがあった❗先を越された(T_T)。
この欄に書くのも何ですが、波があって進歩せず、堂々巡りを繰り返している私にとってナミさんは憧れです。〰️