焦りが強まる理由とは?焦燥感を和らげるための対処法3つ

ぱたぱた時計

時間に追われて、ひどく焦ってしまうことはありませんか?

約束の時間に遅れそうなとき。
病気でお休みをもらっているとき。
職場復帰するとき。

「早く行かなくちゃ」
「早く治さなくちゃ」
「早く休んでいた分を取り戻さなくちゃ」

「ちゃんとしなくちゃ」という思いに比例して焦りは強くなります。

焦ったからって問題が解決するわけじゃないけど、とにかく焦る!

それは自然な反応です。ただ、あまりにも焦りの程度が強すぎると、いろいろ不都合が生じるので、焦りに取り込まれたとき、どうやって気持ちを落ち着かせたらいいか考えます。

「焦りは禁物」と言われても焦ってしまう人や、「焦らなくていいよ」と言われるとつらくなってしまう人は、ぜひ一緒に考えましょう。

2種類の焦り

焦りが強まるシチュエーションは大きく分けて2種類あります。一つは、短期的な焦り。もう一つは長期的な焦りです。

短期的な焦りは、目標が比較的明確な時間単位のもの。例えば「やばい!学校!遅刻する!」みたいな身近な焦りです。

長期的な焦りは「このままじゃ人生失敗だ!」というような将来を憂うもの。漠然とした悩みに近いものです。

どちらの焦燥感もつらい。もう少し詳しくみていきましょう。

短いスパンで生じる焦り

短期的な焦りが強まるのは、人との約束に遅れそうなときや、バスや電車に乗り遅れそうなとき。自分が設定した時間や期限に間に合わなくなりそうなときにも焦燥感は発動します。

私の場合、焦りが強まるとわなわなしてしまいます。手にうまく力が入らなくなってしまうんですね。さらに、呼吸も浅くなる。イライラしたり泣きたくなったり、ああもう逃げ出したい……!

誰かを待たせているときの焦りはもう最悪です。焦りに加えて「待たせてしまって申し訳ない」「こんな私はダメだ」「嫌われたんじゃないか」「きっと無能と思われた」などなど、ネガティブ思考が見事な曇天をつくりあげます。今にも豪雨の予感です。

これらの派生パターンとして、「誰かにじーっと作業するところを見られている」という焦りシチュエーションもあります。

長いスパンで生じる焦り

長期的な焦りが強まるのは、人生が思ったように進まないとき。

うつ病で休職中の人だったら「休めるのは○月◇◇日までなのに、回復の兆しが見えない。このままじゃ仕事を失って路頭に迷うかも知れない……!」とか、20代30代の人だったら「みんなバリバリ仕事して結婚して子供がいるのに、俺は何も持ってない。このままでいいのか?いやダメだ!」とか。親や自分の老後のことも焦りを増長させ得るものです。

人生設計が明確でなくとも、何となくの人生サンプルがあるからこそ、不安や失敗を恐れる気持ちが生まれます。

ここで言う長期的な焦りは、必ずしも遠い未来であるとは限りません。見通しが立たない未来は、近いのか遠いのかわからない。わからないことは不安。不安を取り除くために画策して焦る。そんな流れです。

大きな焦りを小さな焦りに分ける質問

「長期的な焦り・短期的な焦り」は、「ぼんやりした焦り・はっきりした焦り」に言い換えることができます。

ぼんやりした焦りは、もわもわと広がり続けます。発生源はよくわからない。漠然としたものが積み重なってできた正体不明の焦燥感。「なんとかなるさ」と思えないときのそれは大変に不穏です。

一方、はっきりした焦りは、刺激が強く、体内器官を慌ただしく働かせます。これらの動きは心身を疲れさせますが、ぼんやりした焦りより具体的な解決策を導きやすい。たとえしんどくても、「これをやれば大丈夫」という見通しは立ちます。

長いスパンで考えるのは簡単ではありません。戸惑っているうちに焦りはどんどん広がります。焦りが大きくなればなるほど、先行きはますます不透明になり、もはや手に負えない……。

でも、その「ぼんやり」を「はっきり」に変えるのは不可能ではありません。

長期的な焦りは短期的な焦りの集まり。大きな焦りを小さな焦りに切り分けて考えれば、自分が何に焦っているのかとらえやすくなります。

例えば、こんな質問で、内容を探ってみましょう。

・いま困っていることは?
・なぜそれが重要なの?
・どんな解決策がある?
・どの方法がベスト?
・優先順位は?
・何が必要?
・いつ実行する?

これらを紙に書き出して、もやもや感をじっくり観察。大きな焦りは細かく分解。分け分けすれば、怖さも半減。

焦りの内訳をはっきりさせれば、不穏な感情を落ちつかせることができます。

焦ってアワアワしたときの対処法3つ

ぼんやりした焦りをはっきりした焦りに変換できたら、実践編に入りましょう。

焦ってしまうシチュエーションに至ったとき、どうやって高ぶる心身を抑えたらいいのでしょうか?

私なりの対処法は次の3つです。

1. 深呼吸する

息をふぅ~っと吐いて吐いて吐いて吐いて吐いて吐いて……

全部吐ききったら、ゆっくり吸う。

それを数回くり返します。

これだけで気持ちが落ちつきます。簡単で効果の高い方法です。

2. 目標と目的を確認する

焦って混乱したときは、当初の目標・目的を確認しましょう。

例えば、電車で病院に通うシチュエーション。

「電車に間に合わない! 走って間に合うか微妙……。でも、なんとしてでも間に合わせなければ!」

このとき、ちょっと立ち止まって考えます。

目標は? ○時に病院へ行く
目的は? 診察を受けて薬をもらう

これをクリアできればOK。

電車で行く以外に方法はない? 誰かに車で送ってもらう? タクシー?
薬がまだ残っているなら予約を変更してもらう? 今日は予約をキャンセルする? とりあえず電話で状況を聞いてみる?

実際には、こんなこと考える余裕もなく駅までひーこら走ることになるわけですが、「もし乗り遅れたときはこういう選択肢があるよ」とわかっていれば、焦りも少しは和らぎます。

3. 無理やり実行しない

焦ってわなわなして叫び出しそうなときは一時停止。場合によっては諦めます。多分そういうときは身体を落ち着かせた方がいい。相手があるときには、事情を説明し、「できない」&「ごめん」。あるいは、できるかどうかわからない旨を伝えます。約束に遅れそうなときは「遅れます」&「ごめんなさい」。

不確定なプランを実行するより、確実にできる方法を探るのが良策です。

焦って大失敗するより、多少時間がかかっても失敗しない方がいいに決まっています。相手に迷惑をかけたくないなら尚更。

最後に

「どうしようどうしよう」と焦ってアワワワしてくると、もうたまらないですね。勝手にカウントダウンが始まって、ゼロになったら大爆発。それを恐れてジワジワと嫌な予感が高まります。不安とか自責とか恐怖とか罪悪感とか自己否定とか全部入り。いらないよ!

そういうときは、

・深呼吸する
・目標と目的を確認する
・無理やり実行しない

これらで対処。まずは、気持ちを落ちつかせましょう。仕切り直しです。

漠然とした焦りは、細かく切り分けて考える。焦りの内訳をはっきりさせれば、過剰な感情の揺れは抑えられます。

反対に、目先の小さな目標にとらわれすぎて、他のものが見えなくなってしまうこともあるので要注意。特に心身の調子を崩しているときには、そのあたりの見極めがうまくできなくなってしまいます。何をするにも、まずはコンディションを整えてから。

あれやこれやと書きましたが、結局何が言いたいかというと、「焦りは禁物」ということです。焦ってわなわなしていては失敗する可能性が高まるので、まずは心や体や頭を落ちつかせましょうねと。

 
その時限爆弾は、自分がこしらえた幻。

大丈夫、爆発はしない。

焦らず、落ちついてやれば、うまくいくよ。

はい、まずは深呼吸しましょう。

手を広げるペンギン

先に息を吐ききると、うまく吸えるよ。

 
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