「朝はちゃんと起きた方がいいんじゃない?」
「散歩くらいしたら?」
そんな苦言を呈されることはありませんか?
いくら的確なアドバイスだったとしても、「やらなきゃ!」と思っていることを指摘されるのは面白くないものです。
あなたはきっとできない自分を常に責めているでしょうし、それを改善するための努力もされていると思います。それなのに、病気でできないことをまるで怠けているかのように言われると、自分の中にあった前向きな気持ちも摘み取られてしまいます。
だからと言って、しぼんだ心のままでいるのは楽しくないので、どうやって気持ちを立て直したらいいか考えてみることにします。
「やらなきゃ」じゃなくて「やりたい」で行こう
どんなに頑張っても身体が思うように動かないとき。
それは、休めの合図です。
朝起きること、外に出かけること、歩くことさえできなくなるのは、あなたが怠けているのではなく、不調だから。
少しでも良くなるように負荷をかけた方がいいという考えも一理あります。でも、“負荷をかける”って義務的な感じがしませんか? 私は「やりたい!」という気分になったときだけやればいいと思います。
無理に続けようとするとつらくなってしまうので、「ちょっと気持ちいいな」「これも悪くないな」を積み重ねていくイメージで。そうするとモチベーションを保ちやすくなります。
頑張りすぎて症状をこじらせる場合もあるので、慎重にいきましょう。
悪気はないのに相手を追いつめてしまう言い方
あなたのためを思って周囲の人がしてくれるアドバイス。これを不快に感じるのは、言い方・タイミング・関係性が大きく影響していると思います。
うつ病への理解がある家族でも、昼夜逆転の生活や家に引きこもっている姿を毎日見ていれば心配になるでしょう。「早く良くなってほしい!」という願いから声をかけずにはいられない心境もわかります。
でも、「こうすればいいのに」「なんでこうしないの?」という言い方は、どこか否定的で相手を責めるニュアンスが含まれます。「なぜできないんだろう」と自問自答しているときにその言葉を浴びせられると、ダメ人間の烙印を押されたような気がして余計に落ち込みます。
「人の言うことは気にしない!」と割り切るのも一つですが、それができたらこんなつらい思いはしませんよね。
そこで一つ提案があります。この悶々とした気持ちを少しでも軽くするために、あなたのその思いを相手に伝えてみるのはいかがでしょうか?
例えば……
「『朝はちゃんと起きた方がいいんじゃない?』『散歩くらいしたら?』ってその通りなんだけど、自分でもやらなきゃって思ってることを言われるとつらいんだよね。責められてる気がして。頑張りたいのに頑張れない。自分は怠けてるだけなんじゃないか、なんてダメな人間なんだろうって情けなくて落ち込むんだ。体調が落ち着くまでもう少し見守ってもらえたら嬉しいな」
真意が伝わるか伝わらないかは別として、言葉にしなければわからないこともあります。考え方や受け止め方は人それぞれなので、思わぬ反応が返ってくることもあるでしょう。でも、黙って心の内に抱え込むよりは、よい方向に転じる可能性が高くなります。(何を言っても通じない相手もいるでしょうが、一度チャレンジしてみる価値はあるかと思います)
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できない自分を責め立てているあなたへ
「朝起きられない」
「外出できない」
「体を動かすのがおっくう」
ダラけているだけのように見えるうつ病の症状。病気によるものだとわかっていても、なかなか肯定的に捉えることはできません。
だからこそ、私は言います。
あなたは怠けてなんていないよ。
できないのは病気だからだよ。
そんなに自分のこと責めなくていいんだよ。
頑張りたいのに頑張れないのはつらいし、もどかしいものです。でも、それは意志が弱いからではありません。
風邪で寝込んだときに仕事を頑張ったって症状は良くならないし、足を骨折したときに走ったら骨はくっつきません。怠けるも何も、体調を崩したから療養が必要なわけで。
寛解前のリハビリ期のさじ加減は難しいところですが、自分に合ったやり方を模索しながら、今できる小さなこと(休むことも含めて)から始めていきましょう。
状況が整うまでは、のんびり待つべし! です。
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