約束の直前で調子が悪くなってドタキャンしてしまった、という経験はありませんか?
どのような場合であっても、約束を果たせなかった自分には失望してしまいますよね。
うつの波が不安定なときほど、先を見越して計画するのが難しくなります。だからといって、せっかくの誘いを断るのは気が引ける。それに、人恋しさもあって無性に誰かに会いたいときもある。そんな気持ちも手伝って、中途半端に約束してしまう。
[ 約束 → 体調悪化 → ドタキャン → 自己嫌悪 ] そのくり返し。そんなことが何度もあって、私は人と会う約束をしないことにしました。体調が良いと思っていてもいつ調子を崩すかわからないし、ドタキャンしたことに対する自己嫌悪をもう二度と味わいたくなかったからです。
こうして私はどんどん引きこもっていったわけですが、結果的に自分の本心がよく見えるようになりました。気が進まない関係をバッサリ断ち切っていくことで、自分が本当に必要としている人が誰かわかったんです。
うつの波を見極めるのは難しいけれど、やせ我慢することで生じる不快感は取り除くことができる。
今となっては、何でそんなことに気付かなかったんだろうって思いますが、これまで人付き合いに必死だった自分もまぁよく頑張ったなぁと思うので、それもまたよしですかね。
そんなこんなで、私なりに行き着いた、乗り気になれない誘いをうまいこと断るためのポイントをまとめました。うまいこと断れたと思っているのは私だけかもしれませんが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
人からの誘いをうまく断る5のポイント
1.その日のうちに返事をする
できるだけ早く返答、これが最重要ポイントです。
期日が迫るまで保留しておくと相手もその後の計画を立てられません。さらに、どうしようかズルズル迷った挙句に断るのは気まずいものです。
何か理由をつけて断るにしても、時間を空けると「その日は都合が悪くて……」とも言いにくくなります。私が相手の立場だったら「どうせ断るなら早く言えよー」と怒ります(心の中で)。
そして何より数日間ああでもないこうでもないと迷い続けるのはかなりのストレスです。だからといって、どれだけ頑張って考えてもスッキリとした答えは出ません。
「絶対行きたい!」と即答できないときは、お断りするのがベターです。どうしても叶えたい約束ならば、日を改めてもいいですしね。
2.無理に嘘をつかない
断る理由は伝えた方がいいですが、すべて完璧に説明しなくても大丈夫です。断ることに罪悪感があると、それに見合うだけの理由が必要な気がしてしまいます。でも、都合が合わないことなんていくらでもあります。
嘘も方便なので、「仕事が忙しくて……」など適当な理由をつけて断るのは良策です。ただ、嘘をつくことに引け目を感じてしまう人は、「体調が悪くて」「ちょっと今は余裕がなくて」とありのままを伝えればいいのかなと思います。
少し前、事実を伝えても意外と平気なんだなと実感する機会がありました。同窓会のお誘いがあったときに本音と伝えてみたんです。「そんなエリート集団のパーティ怖くて行けないわー」と。スッキリしました。今まで「行きたくない」という理由で断ったことがなかったので。相手も「なんだよソレ」と笑ってくれて、事なきを得ました。
相手との関係性にもよるので、一概にこうすればいいとは言えませんが、無理に取り繕わなくても、誠心誠意対応すれば大丈夫です。
3.「ありがとう」を添える
①できるだけ早く②断りの理由を伝えたら、あとは「ありがとう」を添えます。連絡してくれたこと、誘ってくれたことに対する感謝。
「連絡ありがとねー。誘ってくれて嬉しかったよ」
こういう言葉はお互い気持ちいいですよね。
せっかく誘ってくれたのに申し訳ないという思いもありますが、それを「ありがとう」に変換すれば不思議と鬱々とした気持ちも和らぎます。
どんな相手に対しても、感謝の気持ちは忘れずにいたいものです。
4.社交辞令は言わない
「ありがとう」の言葉についつい付け加えたくなってしまう社交辞令。
「また誘ってね」
「今度ご飯でも行こうね」
これが素直な気持ちであれば全然問題ありません。ただし、自分の発言に責任を感じてしまうあなたは要注意。次の機会に誘われたとき困ります。調子が良くなって「わぁ~い! 行く行く~!」となればいいんですが、行こうかどうしようか悩みの種になってしまうかもしれません。
相手はそんなこと気にしていないかもしれませんが、多分言った本人は苦しむことになります。「私が誘ってねって言ったのに……」と。
自分の精神衛生を保つためにも、心から思えないことは言わないようにしましょう。
……ってこれは私だけかもしれません。何せ心にもない社交辞令を言うのも言われるのも嫌なものですから。②と共通しますが、やせ我慢しないのが一番です。
5.「嫌われたらどうしよう」と思わない
①できるだけ早く②断りの理由を説明して③感謝の気持ちを伝える。
これで憤慨するような人はちょっと……と言わざるを得ません。
もし「会いたくないけど、断るのが怖い」という人からは嫌われてもいいやって思うようにします。多分その人のことは好きじゃないから。
これまでのことを振り返ってみると、みんなから嫌われないように気を遣っていたことも大きなストレスになっていたんだろなぁと思います。仕事上、そうせざるを得ない場合もありますが、プライベートくらい自分の好き嫌いに素直になったっていいですよね。
「嫌われたからって何? 礼儀さえわきまえていれば何も問題ないじゃん」
今はそう思います。大体、好かれるように振る舞っていたって嫌われるときは嫌われます。それならもっと自分の気持ちに正直になった方が気楽です。
最後に
うつ症状がひどいときには、心と身体がちぐはぐで思い通りにならないことが多々あります。
そのことでたくさん失敗もしたし、約束を直前にキャンセルして相手を困らせることもありました。迷惑をかけた相手には本当に申し訳なくて、今思い出すだけでもズズズと沈んでしまいます。
でも、そこから学ばせてもらうこともありました。「守れない約束はしない」という答えもその一つです。心の負担が軽くなりましたし、自分の考え方を見直すきっかけになりました。(これは私なりの答えで多少極端ではありますし、もっと良い妥協策はあると思います)
人間関係の悩みは尽きませんが、自分の気持ちに正直になるだけで随分ラクになります。まぁ、「自分の気持ちに正直に」ってそれがなかなか難しいことではあるんですけれども。
手探りでいろいろ試しながら、納得できる答えを見つけていきたいですね。
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