自分の生き方がわからなくなって途方に暮れてしまうこと、ありませんか?
「いつまでこんな日々が続くんだろう。お先真っ暗。不安しかない」
そんな中で、もがき苦しむのは本当につらいものです。
そこで今回は、自分が今何をすればいいのか、その答えを見つけ出す思考術をご紹介いたします。
堂々巡りに陥って冷静に考えられなくなったとき、参考にしていただければ幸いです。
生き方に不安を感じたときのアドバイス
今回、考えるきっかけをくれたのがこちらのお悩み相談。
お悩み相談 その809「自分の生き方に不安」 | ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室
【相談者Gさん(30歳)】
一人暮らしで、毎週実家に帰っている。
両親への依存、恋愛、将来の不安。
このまま一人なのかと思うと息苦しく、自分はどうしたらいいのか、というお悩みです。
これに対してTomy先生は、自分の内にある不安を書き出すことをすすめています。
・問題点を明確にし、メリット・デメリットをよく考えてみる。
・自分が納得できる答えを出す。
・決めたことを行動に移す。
「これを積み重ねていってみてちょうだい」とTomy先生。
答えが見つからず、どうしたらいいかわからなくなると、自信が持てなくなります。だからといって、誰かの意見を参考にしても、自分が納得していなければ、自信を持って行動に移すことはできません。
現状を打開するためには、自分の頭を使って考えることが必要です。
周囲の意見は置いておいて、まず自分の意志を確認することから始めましょう。
迷ったときの考え方『武器としての決断思考』
では、実際にどのようにして答えを導いていけばいいか、Gさんのお悩みを例にして考えてみましょう。
『武器としての決断思考』を参考に、5つのステップを設定しました。
順番に見ていきましょう。
1.不安に感じていることを書き出す
ノートでもチラシの裏でも何でもいいので、頭に浮かんだことをできるだけたくさん書き出します。
では、Gさんの不安を想像して書いてみます。
「何が不安?」
・将来の不安。
・これから自分はどう生きていけばいいのか。
・このまま親に依存していていいのか。
・パートナーとどうやって付き合っていけばいいのか。
・一人のまま生きることになるのかと思うと息苦しい。
難しく考えず、思いつくままにじゃんじゃん書き出していきましょう。
2.一番気になる不安について、問題を立てる
考えるために、まずは問題を設定します。
先ほど書き出した内容から、自分にとって重要だと思うものを一つ選んで、疑問文を作ってみてください。
例えば、「これからどうすればいいのか」という問いでは、抽象的で何を考えればいいのかわかりません。「Yes」「No」で答えられる具体的な問いを立てましょう。
ここでは、「毎週実家に帰るべきか?」を問題として考えていくことにします。
3.メリット・デメリットを書き出す
再びGさんになりきって、メリットとデメリットを考えてみます。
「毎週実家に帰る?」
<メリット>
・両親の顔を見れば安心。
・実家で過ごすのは居心地が良い。
・家のことを手伝ったり、親孝行する時間を持てる。
<デメリット>
・両親に甘えてしまう。
・友人や恋人と過ごす時間を持てない。
・一人で過ごす寂しさにいつまでも慣れない。
4.メリット・デメリットそれぞれにツッコミを入れる
書き出したポイントが本当に重要かどうか吟味していきます。
こちらにわかりやすい解説がありましたので、参考にさせていただきました。
とにかく答えを出す:『武器としての決断思考』 | Hiroyukiの日記
ステップ1:メリットの3要件を挙げる
① どんな問題がある?
② その問題はどれくらい深刻なの?
③ その行動によって、問題は解決する?
例)
① 両親は高齢で体調が心配。
② 今は特に問題ないけれど、両親の健康は何より大事。
③ 毎週実家に帰って顔を見れば、調子を確認できるので安心。
ステップ2:デメリットの3要件を挙げる
① その行動を取ったら、新たな問題が起こるんじゃない?
② その問題はどのくらい深刻なの?
③ 今、その問題は起きてないよね?
例)
① 両親に甘えて精神的な自立ができないと、一人になったとき困る。
② 生きていく力を失ってしまうかもしれない。絶対に考えなければいけないこと。
③ 今は、両親がいるからいいけど……。
ステップ3:メリット3要件に対してツッコミを入れる
① そもそもその行動をする必要あるの?
② そんなにたいした問題じゃなくない?
③ 重要な問題だとしても、それじゃ解決しないんじゃない?
ステップ4:ツッコミに対して反論する
例)
① だって、両親は持病があるし、過去に入院もしてるし、いつ体調崩すかわからないから心配だよ。
② いやいや!両親は私にとって最も大切な人だよ!
③ 定期的に実家に帰って調子を確認すれば、異変にも気付きやすいし、何かあってもすぐ対応できるから安心だよ。
ステップ5:デメリット3要件に対してツッコミを入れる
① 新たな問題なんて生じないんじゃない?
② 問題が起こったとしても、たいした問題じゃなくない?
③ 重要な問題だとしても、すでに起こってるんじゃない?
ステップ6:ツッコミに対して反論する
例)
① 両親がずっといるわけじゃない。いつかは必ず一人で生きていかなきゃいけないんだよ。
②「できない」「不安だ」と言っても、誰も助けてくれない。自分の力で生きていかなきゃ。
③ うーん……、どうやって生きていけばいいか不安で仕方ない。
以上。まとめるとこんな感じ。
5.「Yes」「No」を選択する
ツッコミ・反論を重ねて、さまざまな方向から考えてきました。
あとは、メリット・デメリットを比べて、どちらが自分にとってプラスになるかで判断します。
では、Gさんのお悩みの答えも出してみましょう。
私だったら「No」を選ぶかな。毎週実家には帰らない。
毎週帰らなくても、両親には電話やメールでこまめに連絡すればいいし、自分と向き合う時間や、友人・恋人と過ごす時間も大切にしながら、生きる喜びを探していけたらいいのかな~と。
じっくり考えたからこそ、実家に帰るメリットもはっきりして、決してそれが悪いことではないとわかりました。感情に流されない客観的な答えを見つけられたら、ここまでのプロセスは大成功と言えるでしょう。
(※Gさんに関することは全部私の勝手な想像です)
あとは実行あるのみ!
たくさん考えて決めたら、あとは行動に移すのみ。
もし迷ったときは、Tomy先生の言葉を思い出しましょう。
どっちが正しいなんてことはないの。
ただアナタが納得して決めているかどうかなの。
少しずつでいいので、何事も「悩んだらよーく考えて自分で決める」「決めたら『なるようになる』と考えて実行する」これを積み重ねていってみてちょうだい。
最後に
今回ご紹介した思考法は相当頭を使うので、気軽に使えるものではありませんが、こういうやり方があると知っているだけでも、考える際のヒントになります。
うつ病療養中の原則は「深く考え過ぎないこと」。
今は焦って答えを出さないことが大切なので、今回の内容は参考までに。
元気を取り戻した暁には、ぜひ一度『武器としての決断思考』をご覧になってみてください。きっと強く生きていくために必要な「考える力」が養われるはず。
私の武器はふにゃふにゃペラペラなので、これからぼちぼち鍛えていきたいと思います。
少しでも、堂々巡りの苦悩から抜け出せますように。