君にいてほしい。
君がいてくれるだけでいい。
何もしなくても、ただそこにいるだけで、君の声を聞くだけで、君の気配を感じられるだけで、私は笑顔になれる。
そう、だから、君にいてほしい。
そんな気持ちにさせてくれる映画を観ました。
『クライ・マッチョ』
原題:Cry Macho / 監督・主演:クリント・イーストウッド / 2021年 / アメリカ
「たとえば君がいるだけで心が強くなれること」という歌がありますけれど、私の中では「心がいつも和むこと」です。映画を観てからエンドレスで流れています。
とにかく、和むのです。
和み時々ジ~ンです。
温かな気持ちになれて、クスッと笑えて、風景の美しさが沁みて、動物たちが可愛い。最高。
お話もわかりやすい。冒頭の設定紹介、ミッションとゴールの明確さ。丁寧ながらもポンポンポンッ。迷子にならない。途中で起こるハプニングや障害も、もたつかずにテンポよく進んでいく。言葉ではなく、仕草や表情や情景で心の変化を伝える。パーフェクト!(※これの前に観た映画がアレすぎて評価が爆上がりしている可能性があります)
これもロードムービーですかね、出会いと成長。よい〜
「ジジイと少年の組み合わせにハズレなし」とメモに書き殴ってあったのですが、これは「イーストウッド作品にハズレなし」であるかもしれません。同じくジジイと少年の組み合わせの『グラン・トリノ』を思い出しました。こちらも大好きな映画です。
『クライ・マッチョ』には、「今こそ、本当の強さの意味を問う」というキャッチコピーがついています。私個人としてはそういうメッセージは受け取りませんでした。
強さとは。そんなものは知らん。
自由とは。そんなものは知らん。
鳴きたいときに鳴き、跳びたいときに跳び、眠りたいときに眠る。時には噛みつく。運が悪ければ食われる。
そんな気分なのです。
「あるがまま」を教わった気がします。
あるいは、それこそが「本当の強さ」?
いや、わかっていますよ、「虚勢を張るな」「自分のことは自分で決めろ」ということです。
いずれにしても、コッケコッコー! と鳴きたい気分なのであります。
コッコッコッコ……
バサバサバサッ……
コケェコッコッコッコ……
遅ればせですが観ました、良い映画でした。
こんな大人会ったこと無いなー、私の周りに居たのは、同じく映画「フルメタルジャケット」の鬼教官のような人ばかりだったから…それにメディアのどこを見ても、「マッチョに!もっとマッチョに!」と煽るものが多いように感じられていました、埋もれてしまいそう。
争うことが主題の作品に多く触れ過ぎていたのかもしれません、知らない内に。